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アコギ回顧録NEW ⑤「FIELDSというブランド」「String Magic」「アコギツッコミ隊」

 ギターを道具(弾くもの、使うもの)として捉え、プレイヤーの視点から見た良いギターとはどのようなものか?その答えを追い求めて50年余り。所有したギター本数も3桁に届くぐらい?!
 その答えと言えるかどうかわかりませんが、過去~現在を振り返って自分なりの考え方をまとめてみようと思いました。アコギ好きの方、興味のある方にとって、少しでもお役に立つことができれば幸いです。

「FIELDSというブランド」
 知る人ぞ知る、神戸のギターショップ「ヒロ・コーポレーション」のオリジナルギターの名前です。
 FIELDSの歴史については、オーナー自身がYouTubeでその歴史を語られています。前・後編に分かれていますが併せても20分ほどですので、興味を持たれた方はご覧ください。まずは前編から

そして後編です。

 FIELDSの特徴は、なんと言っても使用されている材料の良さです!
 最近ギター用材の枯渇と世界的なインフレによって、軒並みギターの価格が上昇しています。ワシントン条約による規制が始まって以降徐々に値上がりのペースが早く大きくなっていましたが、今年に入ってから特にそれが目立つようになっています。
 以前から折を見て書いてきたことですが、自分を含め我々素人にはわからない材料の質(グレード)の差が気になっていました。何名かのギタービルダーの方にお聞きしましたが、近年は材料を選んで買うということはほとんど不可能ということでした。早い話「グレードが低くても材料が出回った時に買っておかないと手に入らなくなる恐れがあるので、買える時に買っておくしかない。」らしいです。おそらくビルダーの方の殆どが、同じ思いをされているのだと思います。
 その点ヒロ・コーポレーションでは、創業時から(当時はまだオリジナルギターの製作は始まっていませんでした。)精力的に良い材を買い集めていたとのこと。しかも「そちらの言い値で買うから、最優先で選別させてほしい。」と材木問屋にお願いしていたらしいです。自分は今もFIELDSのギターを4本所有していますが、どれも本当に素晴らしい材料が使われています。もちろん必ずしも「材料が良い=音が良い」訳ではありません。それを活かす設計や技術があって初めて、良いサウンドが生まれてくるというものです。

FIELDS D-BR 1996 ハカランダのバック
Fields F-RC 1996 ハカランダのバック

 ギターの音響設計ということに関しても長年の研究やSomogyiさん、Grevenさん等のビルダーとの交流を経て、きっちりとFIELDSの音を創り出しています。製作されるギターのほとんどがフィンガーピッキング用のものですが、他のビルダーの製作するギターとは違う鳴り方です。あくまでも個人的な意見ですが、現行のFO|IELDSが最もSomogyiさんのサウンドに近いように思います。(近いけれども、まったく別のサウンドです。)
 ギターの音の表現に関しては、言葉で伝えることは不可能だと思っています。個人の感覚や演奏する音楽のジャンル、使用する弦やセッティングの状態、ギターそのもののコンディションによっても微妙に変わってきます。基準がどこにあるのか(何が、どんなギターが基準なのか?)、その部分が相手と一致していないと正確に伝えることができません。解決策は、自分で弾いて確かめることです。もしこの記事を見てFIELDSというギターに興味を持たれた方がおられたら、是非一度弾いてみてほしいと思います。フィンガーピッキングをされていて良いギターが欲しいと思っている方には、試奏してみるだけの価値はあると思います。
 念のために申し添えておきます。FIELDSを製作しているヒロ・コーポレーションさんからは、一切便宜をはかってもらったことはありません。一人の客としての正直な感想です。

Fields MD-C 2008 ハカランダのサイド


「String Magic」
 ヒロ・コーポレーションが開催していたアコギのイベントです。2000年から2004年まで5年間続けられました。アコギの魅力を、より多くの方に伝えようとして企画されたイベントでした。賛同したミュージシャンが毎年何組か集まり、ほとんどギャラなしで参加してくれたということです。
 その第一回目は2000年。この時はアマチュアも何組か参加していまして、自分も2人組のユニット"TIMENOTE“で参加させてもらいました。せっかくだからと1969年製のD-45を使ったのですが、たぶんライブやコンサートでこれを使ったのはこの時だけでした。家の中では出しっ放しという感じでしたが、外にはほとんど持って行きませんでした。

 会場となったシーガルホール(今はありません。)のキャパは6~700人程度だったと記憶しています。アコギのイベントを行うには十分なスペースでした。翌年からの出演者はプロのみとなります。豪華な顔ぶれでありながら、入場は無料!お客様にとってはたまらんイベントやったと思います。


「アコギツッコミ隊」
 商品の説明にツッコミを!
Martin D‐28 1966年製 S/N:224326

 シリアルナンバーが224326 1966年製と書かれていますが、このナンバーが間違いで無ければ1967年製です。ギターの詳細写真にネックブロックが写っていますが、そこに刻まれているシリアルナンバーは244326。244326が正しければ、1969年製。
参考です。マーチンのシリアルナンバーのサイト

 これだけええ加減な説明されると、ショップを信用できなくなりますよね。ギターに罪はないし、自分的には音が良くてしっかりセットアップできていればどうでもいいことなんですけど。
https://www.digimart.net/cat02/shop5155/DS07803306/


 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
宛先 e-mail:mail@acogian.com または twitter(@acogibucho)にお願いします。


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