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成功法則RADIO「お金の法則 後編」ひとりごち

配信そのものが行われなかった「お金の法則 後編」について、自分のカードだけでも覚えている限り書き起こそうという、ちょっと不憫な試みです。本当に言いたいことを後半に、と出し惜しんでいたところ、2ヶ月のお休みで配信に間が空いてしまい、テーマが変わってお蔵入りになりました。不憫なので成仏させてあげてください。前編はYoutubeのアーカイブにてお楽しみいただけます。Kindleもそのうち出ます(ごめんなさい)。


いわゆる「お金のマインドセット」と日本人

日本人はお金を稼ぐのに抵抗がある人が多いのでマインドセットを改めるべき、という論を見かけるが、私は違和感を大事にすれば良いと思っている。無理をすると精神性の否定になるので、強引に考えを変えたりポジティブに受け取る必要は全くなく、どう折り合いをつけるかという話であるので、次回をお楽しみに。

という実に中途半端な感じで前編が終わっているんですね。別に誰も待っちゃいないが続きを書こう。待っていたと言ってくれてもいいよ。

日本人には浄・不浄の考え方があって、その文脈でお金を捉えるから現代の仕組みの中で辛くなるんだろうと思う訳です。本質的にネオリベとは相性が悪いんですよね、きっと。

借金が良くないというのも同じ話で、良くないと思っていて大丈夫ですし、むしろその高潔な価値観は変えないで欲しいなと個人的には思っています。

ただし、個人と事業とは少し別の話であるとも言えるでしょう。要は切り離せば良いだけであり、なぜならば資本主義における事業とは基本的に強い奴が決めたルールの中でやらないといけないゲームだからです。前編でも喩えとして死滅回游を出しましたね。

しかし、今の日本人はこの「切り離し」が苦手で、画面が近くなっちゃう傾向はあるんだと思います。上手く距離を取れず極端な拝金に振り切れてしまう人もいて、操られているなぁと虚しい気持ちで見ている次第。

お金を稼ぐのは社会貢献だからどんどん稼ぐべきだ、と言い出したのは100ドル札のベンジャミン・フランクリンで、むしろ自己研鑽してめっちゃ稼ぐのは義務なんですよ!くらいの勢いです。いけいけプロテスタンティズム。

こうまでガツガツされると従来の日本人的な気質としてはちょっと引きますし、数字信仰者の勢力が強くなった現代では尚更イメージが悪い。

しかし、こうした考え方の元になっているのは、ルターが言うところの「天職」なんですよね。自分が力を発揮することがイコールで社会の役に立つことであり、自分を磨けば磨くほど誰かの力になれるなら良いじゃないかという、元々はむしろこれがメインで、資本主義経済の到来はもっと後になります。

本質はこの「社会の役に立つ」ということにあり、その行為をお金で交換することはただのルールなんだと思えば受け入れやすくはないでしょうか?

成功という理想へ近づくにはルールに乗る必要がある、しかし押し付けられたルールは受け入れ辛い。それでは、他人とコミュニケーションを取るための媒介が言葉だとしたら、お金はビジネス上のコミュニケーションを取るための媒介で、ルール上の道具に過ぎないという捉え方をしてみるということです。

音楽をもっと楽しみたいと思うと楽器が媒体になる、練習して上手くなると、もっと音楽が好きになる、という感じですかね。日本人のマインドセットとしては、巷に言われているような「お金と仲良く」ではなく、媒介を上手く扱えるとその先にある目的が実現できるんだと思って折り合いをつける、こういうアプローチじゃないのかなと思います。

日本人が比較的お金に綺麗なのは、固執するほどの価値を見出していないからでしょう。金満家を羨ましく思わないのは意地を張っている訳ではなく、稼ぎたいなら稼げば良い、それが人格の高潔さを上回るほどの価値だとは思わないし、自分は特に倣いもしない、そういうことだと思いますよ。

ですから、逆に過剰な嫌悪はお金を特別視しているということで、むしろ囚われているとも言えるかもしれませんね。内的なものが満たされていれば数字を信仰する必要がありませんから、お金もただの道具、ただの記号だと距離を置ける、そんなスタンスが我々に合っているのかなと思う次第です。

日本人こそお金を稼ぐべき

だがしかし。

それでも日本人が金銭的に裕福であって欲しいなと思うのは、お金を使うことである程度は社会を動かせるからです。テクノロジーの進化と同じで武器になるので、仮に我々だけがそれを手離しルールに乗らないよと言っても、他所は使いますしね、それもえげつなく。

そうであれば、世界で1番善良な民族たる日本人が1番お金を稼がなくてどうするのかと思う訳です。タチの悪い銭ゲバに儲けさせるくらいなら倫理観がブレにくい自分たちが儲けるべきだと考えていただきたいなと思います。

その上で気持ちよく稼ぐためには、何のために稼ぐのか、もっと言うと何のために働くのか、それによってどんな社会を実現したいのか、こうしたことが大事になりますね。だから私は日本人全員に文化資本をつくって欲しいのです。横須賀さんの言い方だとコンセプトでも良いです。

昔は稼いだ金で社会貢献する立派な人が沢山いましたよね。前編で横須賀さんが例に挙げた松下幸之助もそうですし、横須賀さんご自身もそうです。我欲のために金を使う金持ちが増えたのは、文化資本なりコンセプトが欠けているからだとも思いますし、富裕層でなくとも僅かな可処分所得を己の首を締めることに使っているのは非常に残念なことですね。気づいていないんでしょうけれども。


タイトルこそ①ですがお金に関してはこれが全編になります。


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