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2002年 近衛通りから荻外荘への移り変わり②

会合記録

東京都東部住宅建設事務所(東京都) と
大田黒公園周辺の環境を守る会 (守る会)の会合記録 -抜粋-

開催日 平成14年10月29日
開催場所: 東京都東部住宅建設事務所 出席者 (東京都) 石井一夫(所長)、清水文夫(副所長)、高田茂(建設課長)、
その他山口(係長) ら関係職員 計6名
(守る会) 辻好美(会長)、田中瑞穂 (副会長)、 小谷望 (副会長・
自治会副会長)、 千葉八千代(川南町会)、 大塔美子(川南町会) 計6名

雑談、 守る会出席者紹介の後

小谷:
所長宛に出した文書に対する回答の内、 所長名で無いものもある
が、所長はこれらの文書を見ていないのか。
石井:
そんなことは無い。
石井:
10月12日の説明会時は、 一部の住民には直近になって知らせることになり、充分に伝わらなく申し訳ない。
工事説明会として設定したのに、 工事以外の計画段階の質問も多かった。 工事に関しての質問に対しては答えたが、十分に説明仕切れなかったと認識している。その時提出された文書に対しては、 昨日(10月28日) の段階までに文書で回答した (補足-21 日までに文書で回答するよう要請していた)。 会合後、 区や警察とも協議中で、 特に近衛道路について の住民の要望を両警察署に伝えた。 近衛道路沿道住民にはほぼ集ま って頂いて説明した経過はあるが、 会合後の接触はしていない。
辻:
今後住む人を含めて少なくても環境を今より悪くしないようにし、 避難場所になるよう住民は求めているが、経過は全く違う。 また、 石井所長はこちらの話を聞いて答えてくれているが、 他の人は説明の度に内容が変る。 誠実さが無い。 きちっと対応してもらいたい。 住民を無視しないで頂きたい。
石井:
その気持ちはその通りだと思う。 住民との折衝をする過程で、不手際はあったかもしれないが、我々も建て替えに際し、周辺住民の理解を得つつ、周辺の環境に合った今よりいい住環境、魅力ある都市環境を目指そうとしている。 その辺は理解して頂きたい。

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辻:
法的に言ってもおかしなところがあるのではないか、建物の向きを変え日当たりを悪くする必要はないのではないか、せめて先に道路を確保する、 子供が安心して通れる道を先に作る、 規制外 ( 量規制車両規制など)通行する場合は沿道住民と誠心誠意対話し て、住民が安心して「お通り下さい。」 と言える雰囲気になるよう努めるなどが必要だ。 これらがなされていないので、 10月12日の 西田小での会合も工事だけの話では済まなくなるのであって、 最終責任が取れる所長にきちんと対応して頂きたい。
石井:
基本的に住民との対応は課長を最終的な責務者としている。 その 中で今回のような重要な案件に対しては、 例えば説明会の内容 文書による回答などについて所長主催の対策会議で対応している。 但、所長が現場 (約 80 箇所)に行くのは物理的に無理があるので、そ の点は理解して頂きたい。

辻:
了解した。 所長と直接話せない場合は、せめて責任ある発言と誠意ある態度をとってもらいたい。 まず住民の疑問・質問に耳を傾 ける、 会合内で結論を出せないのなら、持ち返って、住民側の立場で検討し回答するなどの誠意が必要だ。 今回もそう言う態度は見られなかった。 今後も態度を改めないのなら、ますます合意は 難しくなるだろう。 最初にボタンの掛け違いがあったのだから、 原点に戻さなければならない。 今のような態度対応では、 守る会会長としては全員の同意は取っていないが、座り込みも辞さない覚悟である。

千葉:私もその覚悟だ。
石井:了解した。
小谷:
先程、 説明会に課長の上司は来ないとおっしゃったが、そのことについては承服しかねる。 課長は計画段階の話は出来ないと言っている。そうだとしたら所長あるいは副所長が来るべきだ。

石井:
工事説明会はあくまで工事説明会として設定している。 「都営西田 第3住宅建替え工事に係る 「大田黒公園周辺の環境を守る会」との 連絡会』 (連絡会)を設置する時に計画段階の話はしないことになっているので、住民は計画について理解していると判断した。

田中:
計画内容自体も問題だが、 工事車両通行路が除却作業説明会事前 資料まで近衛道路のみだったのに、その説明会会場で変更、その 後変更を重ねるので、近隣住民の不信感がより募った。 そこで守 る会は計画 道路工事などの問題を解決する上で、 説明会など

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の混乱を避けるために区と都との 「連絡会」 を提案し、 発足した。 その連絡会は、 まず、連絡会に出席している「守る会」の住民は代表ではなく個々の住民であるので、連絡会で説明したからといって住民が了承したことにはならないと、最初から伝えてある。また、新しく配られた今回の工事説明資料によると車両経路が増えたのに、計画説明の時や除却作業説明の時と同じで事前の検討、 住民への配慮が足らない。 同じ轍を踏んでいる。
次に、本件は民間が申請したら認められないであろう建設計画である(数社の関係者に問い合わせた)ということを踏まえなければ、工事・輸送計画についての意見交換も成り立たなくなってしまう恐れがある。 よ って、当然計画そのものも連絡会の議題 (補足- 副会長 - [守る会の田中氏]が必要と認めたことは意見交換できると規約に定義されている)となる。都の今の発言は、建設物については現在の計画で住民が納得しているので基本方針は動かさない、連絡会は輸送につい てのみ意見交換する場であり計画についての発言は出来ないと主 張しているが、強く反論する。

石井:理解し、 了承した。

田中:
私見だが、 最初に計画していた近衛道路は現在のところ通れないのだから、計画そのものを縮小したらどうか。 建設計画はそのままで、 近衛道路以外の規制道路や通学路 児童館近くを通り、よ り多くの住民に迷惑を掛けるのはいかがなものか。 我々はより良い環境になるのを望んでいるのであって、 住宅建設そのものに反 対しているのではないし、 都も住民と協力し合って建設しようと言っているのだから、 決まったものも状況が変ったり、きちんとした理由があれば変更できるはずだ。

石井:
戸数についてだが、解体前と同数 (補足・工事前 130戸中 113 戸入居と回答) を都として確保しなければならない。 それに加えて区が要望として『シルバーケア』すなわち高齢者や障害者のための住宅 (補足-25戸)などの福祉的な対策をしたいという事で現計画(補足・ 138戸)になった。

田中:
では区にも要請する。

小谷:
都営住宅南東側入り口の豆腐屋のところにある立て札はご存知か。
(課長以上わからない)
山口:はい。
小谷:『通り抜け禁止』の立て札だが、 何時取り払ったのか、その目的

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は何か。この立て札は住宅内に無用の車両を制限するもので、あってしかるべきものだ。
石井:
どの看板なのか、なぜはずしたのか報告を受けていないので分からない。
(都発言が混乱)

小谷:
その立て札が無くなり、その上、仕切りも暗渠上に移動したままなので、西~南東に抜ける車両が何倍にも増え、近隣住宅も迷惑を受けている。しかも、第1期工事現場があるため、違反車両は 児童館の前を通行せざるを得なくなった(補足・児童館は独自に職員外に配置するなどの安全対策を取ると同時に区に通行量を減らすよう要請。)
石井:
了解した。 前から考えていたし、これから対策を講じる。
高田:
その件については住民から要望があったし、その前から通り抜け出来ないようにする方法を都営住宅自治会、警察に話をしているし
(補足・区・杉並警察は相談を受けていないと回答)
現在、具体的な図面を書くところだ。
小谷:
計画段階でこうなることは分かっているはずであり、しかも除去工事が終了してから4ヶ月以上経っているのに、未だ何も表示されていない立て札だけが放置されている(補足、この会合後再三催促 11月8日 『通り抜け禁止』の表示を両入口のみ設置, 2.7m道路進入口はそのまま、都曰く本工事が着手できないのでできない)。
これでは困る。
大塔:
対応を早急にお願いする。
(所員反論しかける)
石井:はい。
小谷:
事前および事後の調査の結果、除却工事に伴う近隣家屋の被害は
なかったと報告されている。
石井:そう報告を受けている。
高田:そう聞いている。
山口:同様。
小谷:ところが因果関係は定かではないものの工事期間中に雨漏りした
家屋があり、自ら補修している。そのことは都職員に伝えてある。
山口:
事前調査後、 屋根修理の報告を受けたので再度調査会社を派遣、 撮影した。 除却工事終了後、状況はどうかと尋ねたところその後は問題ないと答えたと報告を受けている (補足・住民に確認したところ事後調査はしていないし、調査会社、都職員も来ていないとの事)。
いずれにしても雨漏りと言う事実はあった。 こう言うことの積み重ねにより、住民は課長や都に対して不信感を抱くようになる。
小谷:
児童館への人の通行路についても然り。 除去作業開始前の春から要望していた臨時通路のへこみ (水溜り)の修復も度重なる催促で除去工事終了後の梅雨明けにやっと補修。更に未だに児童館に工事終了の通達を出していないため(補足・住民からの指摘によ り、工事終了後2週間以上経った7月3日に通知) 学童クラブ は児童たちに元の通路の通行を認めず、台風などで川が増水して も強風が吹いても現在でも最小幅1mにも満たない(補足・実際には 60cm)川沿いを通るように指導していると聞いている。 (補足。 その後児童館に確認した

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ところ現在は状況に合わせて通行させているとのこと)。また、幅員2m 以上の通行路確保しなければ都条例違反であるとの住民からの指摘を受けてもそのまま放置。冬になると4時すぎには暗くなる (学童保育は6時まで)のに、照明等 安全対策も不充分(補足・児童館独自になるべく明るくなるよう 工夫しているまた、児童館も区に要請中)。通路を拡張するなら、 現在も使用している都営住宅住民の庭先なのに、その住民への対応はどうなっているのか分からない。
石井:
正直どうしてこうなっているのか分からない。
高田:
第3回連絡会で指摘されたので12日に口頭で説明した云々。
清水:
町作り整備指針では恒久的な場合の努力目標であるので、このままでも抵触しない。
小谷:
数ヶ月ならまだしも、現計画では数年に及ぶ、これは一時的とは 言わない。 重ねて申し上げるが、これらは工事計画時に分かっているはずで、都自ら解決しなければならないことなのに、住民の度重なる指摘・要望を受けても、良くて説明会時に不充分な対応 をする程度で、ほとんどは無視や弁解、 弁等の回答しか出さない。
辻:
誠実に答えなさい。
守る会:
都市計画法・建築基準法などの法令は最低基準を定めたもので、 行政にあっては出来るだけそれ以上の指導をすべしと、旧建設省 が通達を出している。 しかし本件はその最低限さえ満たしていな い。 都市計画法について質問しても回答しないのはどうしてな のか。

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清水:
何条のどういう部分か。都市計画法に抵触するというだけでは正確ではないので答えられない。
小谷:
きちんと何条のどの部分かも指摘している。 例えば同法によれば開発現場は道路に接していなければならないと規定されているが、第1期工事現場はどの道路に接しているのか。
清水:接道している。
清水:区も同法に対応していると認めている。
山口:リクルート前道路(工事現場北側西に向かうがその先幅員2.7m)
清水:
近衛道路 (北に抜けるが車両通行止め)。
高田:近道路に接道しているのではないか。
高田:
区に質問して区に答えてもらえばわかる。

等々回答は混乱。 結局、10月12日の会合の時と同じく近衛道路を 接道として区に提出したことを認める。

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小谷:
区は 「法の定めにより都(行政)が計画・実施する場合は、区への
開発行為に伴う許可申請は不要となる。 よって通知は審査対象で はなく、通知を受けざるを得ないので、 開発行為は区の及ぶとこ ろではない。」 と言っている。 すなわち、都が全責任を負うべきで 区が許可したからとは言えない。
山口:
開発行為についてはその通りだが、区は開発行為に準じるような 協議は行っている。
清水:
区が一定の認定をしているのだから、 都が全責任を負うとは言え
ない。
小谷:
区は開発行為については行なっていない。
清水:
行っている。
辻:
では区にも問い質す。
清水:
適法な手続きをし、 専門家が立案・審査したのだから間違いは無
い。どこに言っても問題無い。
小谷:
それなら近衛道路を使用するしかない。
辻:その通り。 石井 近衛道路でやるとは言っていない。
小谷:石井所長も同意見か。
石井:そうだ。
辻:
誠意が無いので帰る。 区長のところへも行く。
石井:
第2回説明会を準備している。
小谷:
第一に工事については全権で答えると言った課長のみで、住民か
らの質問に答えられる人が来ていない。
高田:
工事についてのみとその会場で伝えた。
小谷:
第二に周知すべき住民に周知していなかったのだから、 前回の会合は説明会と認められない。
石井:事前に資料を配り、 説明したのだから説明会だ。
小谷:毎回こういうことが起こる。
石井:
前回は充分でなかったと言う認識であり、遺憾であると申し上げ たい。だから次回は万全を期して準備し、充分に説明したい。
小谷:所長が来るのか。 課長なのか。
石井:未だ検討していない。
小谷:前回の会合は説明会と認めていない。
石井:そう認識した。 これは平行線である。
田中:2回目となぜこだわるのか。 説明会の必要回数とかあるのか。

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石井:
そう言うものは無い。
田中:
それならば、互いに納得するまで行えば良い。
小谷:
肝心のことだが、一刻も早く建設に着手してもらいたい。 文書でも出している。 それは現行法を守り、現状と同規模以下の物、 これが建て替えと言うものだ。
石井:
都営住宅を単に再生するだけでなく、 その地域に役立つような機能を入れていきたい。それは社会福祉施設だ。
小谷:
今、荻窪団地の建て替え計画が進んでいる。 しかし、あれだけ広い地域で広い道路を使っても、民間になるので現行法に従い建物は縮小される。
小谷:
従来、避難場所は荻窪団地になっていたが、都営住宅は都民のも のなのだから、緑地を残し、避難場所になるものだと考えていた。 しかし、道路事情が悪いので、まず道路の拡幅などの整備から始 めるべきだが、周辺道路は区道だとして、無関係に建て替え計画 だけ進めると言うことは納得がいかない。
石井:
計画説明会で住民のご意見を伺い、 戸数および階数についても 4 階部分を、当初よりは減らした。 この辺を理解して頂きたい。
小谷:
日影権や眺望権などでそうなったことは知っているが、計画説明 会初頭に建ち上がっていなかったパークハイムの住民にも計画の 説明をし、権利を与えるべきである。 少なくとも充分な説明はさ れるべきである(補足・都は説明会資料等をパークハイム管理人に渡したと文書で回答。 住民の調査では誰も受け取っていない)。
石井:
早く着工したい。 児童館の竣工が遅れるなど色々問題も起こるし。
小谷:
一遍に着工すること。 児童館は西田小に一時移転すること。 そう すれば現計画より早く終わる。
小谷:
法律などを不当に解釈しない、区の責任とかしない、誠実に答え てほしい。
清水:
しかし、区に申請して、 その中で···
小谷:
区がどうのではなく東京都の考えを聞いているのだ。
辻:
区にも意見を言う。 4階建てを撤回してもらう。
今度、区長の所へ行こう。
千葉:
はい。
小谷:
区の要請があるから4階建て南北軸になると言うことなら、それ をなくせば、元通りの南面の建物になるのか。
石井:
それはなんとも言えない。

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小谷:
法的・技術的および日影権の問題もあって出来ない。 そう言う点 を明確にしていただきたい。 すなわち、区が要望したから、南北 軸になったということではない。
石井:
いずれにしても、計画変更をこれからしたら時間がかかる。 建て 替えしないという結論になるかもしれない。そこまで覚悟しなけれ ばならない計画変更は検討できない。
清木:
南北軸にしたのは全体の配置計画だからであって、建たないからではない。日影問題とか日当たりとかではなく建物は色々な向きに 建てる。理由無く設計者だけの意向で南面をやめることは結構ある。 南向きが良い訳ではない。 また、現計画でも南向きもある。
小谷:
南面がないと言っているのではない。 東西軸を南北軸したと言って いるのだ。
辻:
住民の意見に耳を傾ける、誤魔化しや弁解ではなく住民が納得す る説明をする、人間として誠心誠意尽くそう、そういう態度が見 られないので、日を改める。

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会合後所長は「近衛道路が通れればな~。」 と言っていた。
今回の会合で、都側の態度は、
石井所長 こちらの主張を聞き、計画の変更を決断したり、謝罪するこ とは無かったが、住民の言い分を聞こうとする態度は見られ た。
清水副所長・・・詭弁ばかりが目立った。
高田課長 検討中 相談中、伝えたなどの弁解が目立った。
都の考えは変っていない事、区は第3者のつもりでいて責任を回 避しようとしている事が確認された(区は都と住民の合意を願い、しばらく 状況を見守りたいと文書で回答)。 よって、 今後も都に強く申し入れを行う と共に、区に対して責任を転嫁することなく問題を解決するよう申し入れ る。 また、 戸数・道路 児童館などの問題について都と区は住民の意見も 充分に取り入れて協議対応するよう要望する予定である。

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2000年頃の都営住宅 左は善福寺川


左は近衛邸 正面 辻安全食品 荻窪2丁目の2000年頃の写真

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