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2002年 近衛通りから荻外荘への移り変わり①

2002|平成14年 都営西田第3住宅建て替え計画・工事の経過

平成13年3月から8月に掛けて、 都は「説明会」と称して近隣住民および 学童クラブの父母を対象に会合を数回開催した。 その席で、住民は早期建て替えは賛成だが、児童館移転、工事期間、建設物の高さや配置、近隣住民・ 家屋や歩行者への被害予想・対策などが問題と提起した。
8月に行なわれた説明会で都が示した案は、4階建ての一部分を3階建てに変更したぐらいで、南面東西軸の建物を南北軸に変更し、旧建物の60%増しの4階建てを2期に分け4年掛けて建設するという従来案とほとんど変らないものであった。
住民は納得のいく回答は得られていないとし、次回説明会を要求。また、 説明会開催期間中 に入居が始まった隣接するマンション住民にはほとんど説明がなく、発言する機会さえなかった。以後計画に対する説明会は開催されず、 計画に対する要望等も受け付けない態度になった(除却および本体工事説明会では、答えられる担当者さえ出席せず、無視された)。
 また、都は会合等で、 車両通行経路は近衛道路(図1)のみ使用と説明していた(他の通路は使用しないと明言していた、更に、説明会にて近衛道路は歩行者用道路であり車両通行禁止だがとの質問に対し、 都は正式の道路なのだから通れると回答)。
 
 最初は個々で都に対し質問等していた人が多かったが、結束しなければならないとする住民が増え、 辻好美氏を会長に「大田黒公園周辺の環境を守る会(守る会)」(同地域は大田黒公園周辺地区景観まちづくり区域に指定されている)が発足した。

 12月上旬に都が配布した第1回除却(解体)工事説明会の事前資料では、今まで説明していた通り工事車両通行路は近衛道路となっていたが、中旬に行われた同説明会で突然、 松渓橋を往復すると変更してきた(図1)。
 近衛道路は前述の通り歩行者用道路のため、沿道全住民の同意を取らなければ通行できないが、都は同意を求めること自体行っていない事実を説明会9日後に認めた。更に変更後の通路は2.5t の重量制限道路でそれは遵守すると明言していたが、11日後には4t車を通すと発言。除脚作業に必要な重機の通行には何も触れなかった 。
(なお、環八から区民センター・大田黒公園を経由し北東に抜ける道路および旧環八は大型貨物車両等通行禁止である。)
 2月に第2回説明会が開催され、また車両経路の変更(図2)がなされた。 

 その6日後に説明会での(不充分な内容で認められない)確認事項と称するものが都から配布され、3日後には準備工事が開始された。しかも、住民への工事開始通知は、事後であった。
 工事期間の後半では、除却工事説明会等で住民に示していた交通誘導員の配 (無人になった)や工事車両の経路がまったく守られていなかった(住宅西に 抜ける通路を往復)。また、制限道路通行許可証を所有していない車両も制限道道路を通行した。 これらのことを連絡会(後述)等で指摘、今後このようなことが起きないようにする対策を文書にて示すよう申し立てしたが、未だに回答がない。

一方住民は、平成14年1月から、建て替えの必要性および関連法規等の遵守(民間では到底認められない低水準の開発行為など)、児童館(含学童クラブ) 移転などの要望書や陳情書を、区長、 区議会、 都知事、 東部住宅建設事務所長などに、 また、区長や所長、関連部課長、警察担当者、区議、 都議などに面会を求め、計画の見直しを要請した (資料参照)。
住民の意見にある程度耳を傾け たのは、区長、 所長、 警察のみであった。 一連の要望の中で、 都および区との協議会設置については、連絡会という意見交換の場が開催されることとなった (計3回開催されている)。
 今後も、区および都に強く要望し、現在の環境をより良くして、これから住む方々を早くお迎えし、子供達に豊かな環境を残してあげられるようにしたい。

平成14年11月15日改 都営西田第3住宅建て替え計画・工事の経過 全文

要望書 件名 杉並区荻窪2丁目都営住宅建設の件

平成13年11月29日
東京都知事 石原慎太郎殿
杉並区長 山田宏殿

件名 杉並区荻窪2丁目都営住宅建設の件
下記のとおりいたしますので、何卒ご検討の上、ご査収くださいますようお願い申し上げます。

  1. 設置について

  2. 工事について

  3. 建築規制について

  4. 住宅内駐車場について

  5. 歩道設置について

  6. 一方通行解除の件について

  7. 工事による道路損傷について

  8. 近隣住民の入居優先について

  9. 工事着工後の問題点について

1. 設置について
一般道路になった場合行き先のない袋小路になる。
大型車などの通行により、子供及び老人が危険である。 危険、騒音、悪臭などの発生。
以上のような理由で、 団地内道路にして頂きたい。

2.工事について
短期工事(2年)にして頂きたい。
一期二期の工事期間が長くなれば辺住民の迷惑は元より商店街の
買い物客の安全、ひいては売り上げにも影響するため、営業保証希望します。

3.建築規制について
現状の2もしくは3階建てでお願いいたします。
近隣住居のプライバシーの問題、工期の問題、工事費用の問題、
高齢者入居の問題、などから4階建てには絶対反対です。

4.住宅内駐車場について
駐車場の問題は、一般住民と同じく外部で駐車場を借りればよいのではないでしょうか。その部分を住宅にして容積を増やしてはいかがでしょうか。もしくは必要最小にすべきではないでしょうか。

5.歩道設置について
住宅側に入り口をつけるようになるため、危険なので、 歩道を住民側に設けて頂きたい。

6.一方通行解除の件について
工事用車両及び将来の交通事情を考えると、解除する方が
交通量の軽減になると思われます。
但し、スピード制限が必要です。

7.工事による道路損傷について
三井不動産の工事による近隣の道路が傷み凸凹が多くなっておりま す。 速やかな全面補修が必要です。
工事用車両の路上駐車は禁止。 一定の駐車場を確保してください。

8.近隣住民の入居優先について
都営住宅の主旨から低所得者であること、また、その他の条件を満足する場合は、近隣の住民が入居する事により、 杉並区及び地区の発展と環境の保持に貢献する事が考えられます。

9.工事着工後の問題点について
都営住宅建て替え工事においては下記の障害が及んだ場合の対応をきちんとお願いいたします。

① 工事に起因するネズミの移動による家屋、 人体等に及ぶ損害。
② 工事に起因するホコリ、微粉塵による家屋、 人体等に及ぶ損害。 
③ 工事に起因する騒音、振動による家屋、 人体等に及ぶ損害。 事前調査のこと。
④ 工事に起因する地盤沈下、地下水変動による家屋への損害。
⑤ 工事に起因する化学物質、塗料散布による家屋、 人体等に及ぶ損害。

その他、いわゆる公害全般 (騒音、臭い、汚れなど)への対策窓口の設置
以上、住民の立場に立った補償、対策をお願いいたします。
尚、上記回答はお互いに文書化して保存管理する事。
荻窪の環境を守る会


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