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大切な人に贈ることで得られる豊かさ

僕には5歳の娘がいる。
ここ4年程、海外での生活をしていたこともあり、久しぶりに過ごす日本でのお正月。
今年初めて、娘が”お年玉”をもらうことになった。祖母や親戚合わせて総額およそ1万円。

何かにつけて僕(パパ)と娘は作戦会議をする。
さて、今回この1万円、何に使おうか。
”貯める?沢山スナック買えるね。もしかしたら大きなオモチャも買えるかもね。”

作戦会議中に娘が突然、
”ママに何かプレゼントしたい。”と言う。

”ほぉ、、(嬉しい気持ちと、パパには??と戸惑いを隠せない僕)
じゃあ何をプレゼントする?”

”お花かお洋服かな。ショッピングセンターに連れて行って”と言う娘。

お爺ちゃんお婆ちゃん妻と僕と娘で、車に乗り込み地元兵庫県のアウトレットに車をとばす。この時点では僕と娘だけの秘密のプレゼント作戦だ。

アウトレットでママを1人にして、僕と娘でプレゼントを探し回る。
たまに娘はスナックコーナーにも目を配りながら。。

あるお店で見つけたシルバーのピアス。
”これ、ママに似合うんじゃないかな?”
お値段2千円。

”2千円するから、お年玉は8千円になるよ?それでも良いの?2千円あったら、いつも買ってもらってるタマゴ型のチョコレート10個くらい買えるよ?”
と、意地悪を言う僕。

少し悲しそうな顔と迷った顔をしながら、
”8千円残るなら、まだ沢山のチョコレート買える?”と聞く娘。


”じゃあ割り勘にして、パパも1千円出すから、一緒に買おうか?そうすれば2人からのプレゼントにして、娘は1千円出すだけで良いよ。そうすれば9千円が残るよ。”
と、また意地悪を言ってみる僕。

”大丈夫。今回は、私からのプレゼントにする。パパは出さなくて良い。”
と勇気を振り絞る娘。

初めてのお会計。恥ずかしそうにしながら、お金をレジのお兄さんに渡す。

なんと言ってプレゼントを渡そうか。
会議の末、”ママ、いつも一緒に遊んでくれてありがとう”、と言うことに。

”お家に帰ってからサプライズで渡すんだ”と、お婆ちゃんの鞄にプレゼントを隠す娘。
早くも、渡したくてウズウズしだす娘。

結局、帰宅を待ちきれずに30分も経たずに、おもむろにお婆ちゃんの鞄からプレゼントを取り出す娘。
”ママ、いつも一緒に遊んでくれてありがとう”、となんとも言えない表情でプレゼントを渡す娘。


とても驚きながら喜ぶ妻。
微笑ましく見守るお爺ちゃんとお婆ちゃん。

嬉しかったのは妻?お婆ちゃん?僕?
サプライズでプレゼントをもらった妻はとても嬉しそうだった。プレゼントもそうだが、それ以上に娘の気持ちが嬉しかったに違いない。

次に嬉しそうだったのは、お爺ちゃんとお婆ちゃん。
もちろん、今回はお爺ちゃんもお婆ちゃんも物質的に何かをもらったわけではない。関係ないといえば関係ない。だけど、この光景を一緒に時間を過ごすことで明らかに嬉しそうだった。
なんて優しい子なんだろう。

純粋な優しさや親切を目の当たりにして、嫌な気持ちになる人はいないだろう。ちょっとした幸せな時間のお裾分け。

そして面白かったのは、娘自身だ。
娘がプレゼントを買うと決めてから、あれこれと作戦会議をし、実際にママに何が似合うんだろうか、何が好きだっけと、いつも大事にしてくれるママのことを想いながらプレゼントを選ぶのが楽しそうだった。
そしてプレゼントを渡した時の、ママの喜ぶ顔を見た時の、娘の嬉しそうな顔。
ありがとうと言いながら、プレゼントしたピアスをつけるママ。とても誇らしげな娘。
いつも色んなお世話をママがしてくれることに、ありがとうという娘。
ありがとうを言う割合が言われる割合よりも、何倍も多いだろう。

今回、大きなありがとうをママからもらった娘自身が一番豊かな気持ちになったんじゃないかと思う。
自分が大切な人のことを想って、何が喜んでもらえるかを自分で考えて、何かをする。
それがその人自身を精神的に豊かにさせ、人を想う気持ちや自尊心を成長させる機会になるんだなと、
当たり前のことを5歳の娘に学ばせてもらった僕。
僕は普段から周りの人のことを想って、何かできているだろうか。

その日の夜、僕に、”またママに何かプレゼントしようね。”って耳元で囁く娘。
”え!? 次はパパじゃないの??”と悲しい顔をして娘におねだりする僕。




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