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旅先で泣きそうになる

昼頃にnoteを出してから、岡山駅前に戻ってふらふら歩いていると、田中達也さんというミニチュア作家さんの個展をしているのを見つけた。

これは行くしかないと思って、行ってきた。撮影OKだったので、たくさん写真を撮った。中には参加者が写ることでミニチュア写真風になるようなフォトスポットがあって、友達連れで来ている2人組が頑張って自撮りしているのを見て、「お撮りしましょうか」と声をかけた。こういうのはできるのにな。なんで店入れないかな。

そこから尾道に行って、千光寺に登って、綺麗な景色を堪能した。

夜ご飯、とりあえず尾道ラーメンを食べようと思って、小さなカフェ&バーで尾道ラーメンを出している店に入った。外から見ると、お客さんとマスターが楽しそうに話しているのが見えたから、ここのマスターは話すタイプだ!と思って入った。

私は、注文とお会計以外、一言も話せなかった。

ラーメンがかなり安くて、まだお腹が空いていたこともあって、近くにあったバーに入ろうと思った。人生初、外での一人飲み。こういうところに行くと、たまたま一緒になった人と仲良くなったりすると聞いたことがある。

カウンター4席のうち3席が若い女性2人組と外国人の男性で埋まっていた。別々に来たらしいが、仲良くなったらしく拙い英語で盛り上がっている。いいぞいいぞ、こういうの。

マスターに、「カウンターご案内しましょうか?テーブルにしますか?」と聞かれた。すでに出来上がっている3人の勢いについていけるか不安になり、テーブルを選んでしまった。

そこから、3人のうちの1人の外国人が帰り、空いた2席にカップルが座った。もう私が入る隙はどこにもない。レモンサワーとアテをちびちびとつまみながら、盛り上がる人たちを眺めてTwitterを開く。

馬鹿みたいだ。なんのためにこんな想いをしているんだろう。

滋賀で知ってる人が増えてきて、大体どこに行っても知り合い経由で仲良くできるようになった。もしかしたら社交的になったかもしれないと思ったりもした。だけど、全然そんなことはなかった。

完全に知らないところに来たら、私の知識や人脈はゼロになって、自分の身一つでは何もできないことを思い知らされた。滋賀にずっといて、勘違いしたままにならなくて良かった。

私の本質はなんにも変わっちゃいない。大学の講義室の隅っこで教室全体を眺めていた私は、何も変わらずに大人になっている。

これが楽しい人は、そのままで良いんだと思う。だけど私は、とんでもなく悔しくて、そんな空間にいるだけで泣きそうになってくる。そして、その悔しさを紛らわすために、バーでnoteを書くという奇行に走ってしまった。

そろそろ宿に戻ろう。ラジオを聴こう。
旅先で泣きそうになるくらい悔しい想いをしているけれど、これも旅してみて初めて分かったこと。知れてよかった。

昼は岡山で気になる店のドアを開けることもできなかった私が、尾道ラーメンを食べたあとにバーに入っただけでも偉いよ多分。


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