にしき

日本のどこかの中学校の理科教員。 理科に関する観察実験などはこちらのページへ。 htt…

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日本のどこかの中学校の理科教員。 理科に関する観察実験などはこちらのページへ。 https://www.i-mate.ne.jp/nisiki/

最近の記事

3年●組の皆さんへ 最後のメッセージ

卒業式が3月上旬にありました。Teamsというツールが卒業後3月一杯まで使えるのも、これまた今までに無かった状況。最後の最後にメッセージを送りました。以下、その一文です。 ーー 3年●組の皆さんへ 最後のメッセージ 先日まで冬の寒さの名残を感じていましたが、一昨日あたりには東京のサクラの標本木の開花宣言を耳にしました。 週末なのに連絡を送ってしまって申し訳ないと思いつつ、いよいよ名実ともに今週末を持って皆さんは中学生ではなくなり、来週からは高校生になる(はず)です。つまり

    • マクドナルドのシステム障害から、リスク管理として昭和の授業を見直してみる

      先日、マクドナルドのシステム障害が全国のマクドナルドで発生し、ニュースとなりました。その後の続報では、X(Twitter)でのつぶやき「きょうマクドナルド行ったら、システム障害起きたばかりで、現金のみの支払いだったんだけど、あらゆる機能停止してて、手書きで注文まとめて、電卓でお会計して、店員さんコミュニケーションとって口頭でオーダー通してて対応凄かったわ」というものが紹介されていました。 私は高校生から大学、そしてその後常勤の教員になるまでコンビニの7-11でバイトしていたの

      • 非常勤講師不足に思う改善案

        今年に入り、公私(公立、私立)を問わず来年度の非常勤探しの連絡を聞きます。例年の比ではないくらい。 昔は教員採用試験そのものの倍率が高く、教採を受けつつ非常勤を出来る若者が多数いたので何とかなっていたのでしょう。しかし今は時数の少ないコマだけ雇って身分保障がないような、そんな被用者側にとって都合のいい人はほぼいないのではないでしょうか。 また育児や介護等で常勤を辞めざるを得ない方もいます。例えば保育園のお迎えにしても介護の都合にしても、予定された時刻で行動できないと日常生

        • 教育と格差、コロナ禍とオンライン授業 雑感

          コロナ禍も一段落したこの頃ですが、その渦中、様々な事を考えました。 当時、オンライン授業等について考えた荒削りな雑感がありました。 私は公教育、中でも義務教育は、社会の中での格差を埋めるはたらきだと思います。そうあるべきだと考えています。そしてまた、こうしたオンラインでの教育に公立学校が取り組まない方が、広く社会全体での格差が広がると考えています。 今、コロナ禍で一斉休校になっている現在。生徒たちの家庭環境を見ても、家庭の様々な格差を感じます。家での学習への熱意や環境を整

        3年●組の皆さんへ 最後のメッセージ

          船頭多くして、子ども山に登る?

           中学校教員、そして小学生高学年の保護者という立場。学校に関わる2つの立場にいて感じることがあります。今の子どもを取り巻く現状は、まさに「船頭多くして船、山に登る」状態ではないでしょうか。疲れ果てた中学生、授業で寝ている中学生、体裁だけは整えるけれど、実質的な中身が伴っていない中学生を見て、そう思います。  中学生の一日を考えてみます。中学校では部活動があります。季節により活動時間も異なる事が多いですが、夏場には(公式には)18:30まで活動、という学校が多いようです。

          船頭多くして、子ども山に登る?

          トータルマネジメントの欠如

          学校の教育環境。働き方やなり手不足の問題。これらに関し、文科省や教育委員会に欠けている視点はトータルマネジメントではないでしょうか。 縦割りの弊害、と言えるのかもしれません。それぞれの担当(部署)ごとには最善をつくしていても、あちこちが考えたものが学校に降りてきた段階で、まるでキメラのようにお互いの整合性が無かったり、やるべき事が増大してビルド&ビルドになっているように感じます。 教員の働き方を改善を考え、働き方改革を推進させるために働いている文科省や教育委員会の部署があ

          トータルマネジメントの欠如

          日本の教科書には、なぜ執筆者紹介がない?

          米の中学校理科教科書を取り寄せて読んでみました。 目次辺りに執筆者十数名と略歴紹介があります。 同僚の英語の先生に聞くと、そうした情報を見て、それぞれの分野に興味を持った生徒は、その執筆者の大学を(大学のレベルでは無くて)先生ベースで選ぶ事もあるそうです。 なぜ日本は、執筆者の個を前面に出したりしないのでしょう? ロールモデルとして、参考になるときもあると思います。 現実的には、文科省の検定でそうしないと引っかかるからでしょうか。また執筆者の宣伝行為になってしまうから

          日本の教科書には、なぜ執筆者紹介がない?

          デジタル採点、雑感

          関心あるけれど実際どんなものだか分からない、という方もいらっしゃるかと思います。使って見て私が感じたメリット、デメリットなど参考までにまとめてみました。 私が使ったのは教育ソフトウェア社の「採点ナビ」ですが、同種のソフトも同じような傾向があるかと思います。 【デメリット】 1 最初の設定(採点枠や配点等)が必要 2 解答用紙のスキャンが必要 いずれも紙で採点するだけなら不要だった作業です。慣れてくると1は5~10分くらい、2は数分で出来るかと思います。 3 1人1人を見

          デジタル採点、雑感

          教育実習、まずは教科書を教えられるように

          教育実習の授業についてです。あれこれ工夫し教科書に無い発展的な事をやるのがよいという考えもありますが、私は教科書通りの当たり前の授業をやるべきだと考えています。 「守・破・離」(しゅ・は・り)という言葉があります。何かを極めるとき、取り組むべき順番を示したものです。武道などでよく言われる言葉です。以下は私なりの「守・破・離」の解釈です。 ・まずは基礎基本をしっかり「守」る。ここをおろそかにして我流が身についてしまうと、後々まで苦労する。 ・守の段階を卒業したら「破」る。常識

          教育実習、まずは教科書を教えられるように

          学校を『家庭の用事』で休むこと

          職員室の雑談。学校関係の人でなければ、どんな会話がなされるのかイメージが沸かないかもしれません。「ナカの人」として感じる事は、異動して別の学校に行っても、その多くは似ている、ということです。 やはり生徒に関することが多いです。活躍した、といういい話の場合もあれば、そうでないことも。また「雑談」といっても、その事が積み重なってその後の生徒への指導、支援につながる情報限になることも多いです。 時折話題になるのが、『この間の部活の試合、○(生徒名)は家の用事で出なかった』という

          学校を『家庭の用事』で休むこと

          フマジメ教員のススメ

          「智に働けば角が立つ、情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。ややこしや~、ややこしや。」 NHK子ども向け番組、「にほんごであそぼ」で狂言仕立てで草枕の冒頭を紹介していました。これを見た瞬間、まさに学校だな、と感じました。 中学校理科教員になって二十余年、あれこれ考えたり思ったりしてきました。理想と現実。仕事と生活。様々なバランスをとってウェルビーイングを目指すには、マジメにやりすぎず、アソビがあるくらいの方が『結果、よいのでは』と思うようにな

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