結婚しなければ離婚の必要はないのである

日本では離婚後の面会交流の実施率は3割である。つまり、7割の子はそもそも面会交流はなされていないので、別居親に会いたくても会えない状態に置かれているのである。

離婚後共同親権反対論者たちは子供達に別居親に会いたくない権利を!と叫んでいるが、面会交流していない人がしていない人の2倍なわけで、多くの離婚した子供はそもそも別居親に会っていないのである。むしろ、子供たちが親に別居親であるという理由で会えないというほうがどう考えても問題である。

もちろんこれは同居親であり親権者であるシングルマザーたちにとってはそもそも離婚した別居親などには二度と会いたくないわけであるから(養育費をもらわない理由の多くが相手に二度と会いたくない、話もしたくないからという調査結果もあるわけである)、子供にも自分と同じ側に立って欲しい、元父親など人間ではない、鬼か悪魔であるから二度と会いたくないと言って欲しい心理があるということであろう。

だからこそ片親阻害を起こすのであろうと思う。嫌いな元夫から可愛い我が子を離したい。子供も自分と同じように元夫(子供にとっては父親)を憎み、嫌うべきであるという強い思いを投影してしまうということなのだろうと思う。

そりゃ子供達だって日々の生活を母親に依存しているわけである。たとえ本心では父親に会いたくとも、わざわざ母親の機嫌を損ねることは言わないであろう。母親と話を合わせて「あんな父親などに会いたくないよねえ」と言っておれば母親の機嫌はいいわけである。

むしろ子供が父親を心配したり気遣ったりしようものなら母親は自分が裏切られたと子供を虐待する可能性だってあるわけである。(これは多くは心理的虐待つまり言葉の暴力やネグレクトということになるかもしれない。もしかすると父親の肩を持つような子供は家に入れないとロックアウトするかもしれない)

子供も母親からそのような虐待行為を受ける可能性を考えると、表面上は母親に従わないと生きていけないわけである。特に幼児や小学校低学年の子であれば自分の生活は大人に依存しているわけである。親に反抗するということになれば子供の死活問題になりかねないわけである。

片親阻害というのは子供を独占したいシングルマザーのエゴに他ならないわけで、それが特に異常な心理というわけではないだろうけれども、そもそも論として、子どもの権利条約とは真っ向に対立する考え方であるから子供の味方の側からは到底賛成できないのである。

無論、フェミニストやシングルマザー団体の人にしてみれば子供の人権よりも女性の人権を優先するであろうから「片親阻害の何が問題なのかわからない。女性の幸せのためならば元夫という男なんてさっさと殺してしまえばいいし、子供だって母親が強制的に支配すればいい」というのもやむを得ない。

そういう大人の論理ではないよ、子供の権利をしっかり守らなければならないよと言う立場であれば、離婚別居父にもしっかり頑張ってもらってたとえ離婚した夫婦の子供にだって親は二人いるんだよ、子供にはそのどちらの親にも会う権利はあるんだよと言い続けていかねばならないのである。

むしろ真の問題は別居親になった父親の方がもう離婚した子供との縁を切ってしまって会おうとしないことである。離婚した父親で面会交流させろと主張する人は離婚父親のうち1〜2割しかいないそうである。

多くの離婚父親は離婚で親権を失った後はもう子供とは縁を切って新しい家庭を築こう、人生をやり直そう、もう別れた子供は死んだものと思おうと考えるらしいのである。だからこそ養育費は離婚において子供への餞別であって、短期間で支払いをやめる父親が多いのだそうである。つまり、父親の中ではもう離別した母子は埋葬されてしまっているわけである。

離婚父は面会交流なんてしなくていいし存在は消えていていいから養育費を払い続けろと言うフェミニストたちはだからこそ離婚父への嫌がらせでそう言っているのである。もちろん養育費を貰えばシングルマザーはそれまでより余裕のある生活はできる。別居親は金だけ払え、でも子供や自分には近づくなというのは払い続ける方にとってはかなり心理的負担が重くなるのは当然であろう。

しばしば、単身赴任の父親は家族に会えないではないかとフェミニストたちはいうが、単身赴任の父が休みの日などに自宅に帰ることは誰も禁止しないのである。電話だって普通にやり取りするだろう。そういうコミュニケーションを全て禁じた上で金だけ払い続けろというのは一種の拷問である。無論、もらう方はただの復讐でしかないかもしれず、「別居親の事情など知らない」の一言で終わるだろうけれど。

現在は離婚後共同親権の議論が進んでいるようだけれど、それが潰えて離婚後共同親権反対派の意見が大手を振ってまかり通るようなことになれば多分、結婚を選択しない男性が増えると思う。流石に男にとってリスク高すぎる結婚を避けても独り身で生きる技能は最近の男には教育されているわけである。

子供さえ諦めれば他の炊事洗濯などの家事はもう結構便利な電化製品もできている。わざわざ女性にやってもらう必要はないのである。家族を養う賃労働は自分を養うためにも続けなければ仕方がないが、もう家制度もないので男たちはわざわざ子孫を拵えて家を継がせる必要もない。相続人のない財産は国にお返しすれば良いのである。

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