ワクチンについては科学的思考の有無の問題であって保守とリベラルの問題ではないような

まあ、なんだかありきたりな論ではあるが、コロナについては今回の緊急事態宣言の解除で解決したわけではない。もちろん、今回の緊急事態宣言でどうして感染者数が減少したのかわからない、決定的な因子について説明できないという点はあるのだけれど、仮にそれが自然減による変化であったとしても、臨床的な対策として緊急事態宣言は有効であったことは間違いない。

緊急事態宣言が実際にはどういう因子を変化させていたのかについてはレトロスペクティヴな検討が必要である。

モデルが現実を上手にシミュレートしていればそのモデルで現実を説明できるが、そうでない場合には現実をつぶさに検討して真の原因を探るというのがサイエンスの手法であろう。

次に保守と革新、もしくは保守とリベラルでもいいのだけれど、ワクチンを枠珍とか言って根拠もなく拒否するグループは保守派の方に多いというのが私の印象である。だからこそ保守派であるトランプ氏が最初、コロナワクチンを拒否したり、「コロナはただの風邪」と言ったとしてもそれには違和感がなかった。ブラジルの大統領もどちらかと言えば保守派であろう。

HPVワクチンの反対派もリベラルよりは当時、自民党の地方議員だった人の反対運動が訳もわからず強烈だった印象がある。他にも右派、保守派の人がワクチン反対の発言をしていた印象が強い。

もちろん、公害病反対運動などをする延長線上でワクチン反対を叫んだ人にはリベラルも多かっただろうと思う。反ワクチンの主張を宗教的に行う人たちはむしろ保守革新で言えば単なるノンポリであったのではないか。

日本でトランプ支持派が増えた理由はよくわからないが、トランプ支持でワクチン反対を叫んだ人は保守派に分類していいだろうと思う。まあ、彼らはディープステートなんて真顔で言う連中だから、妄想的反ワクチン派と言っていいと思うのである。

高齢者たちは最初はテレビなどのマスコミの懐疑に影響されてワクチンには消極的であったが、やはり年末の第三波による緊急事態宣言以降、感染リスクを背中に感じるようになったということではないか。私もまさか9割の人が接種するとは思わなかった訳である。

問題は65歳以下の層なのかもしれない。何しろ、このnoteでも活躍されている反ワクチンの医師は五千人以上のスキを叩き出しているのである。この人たちが保守なのかリベラルなのかはよくわからない。

このコロナ禍以前にも確か慶応の医師だったかが「がんは治療するな」とか言って大人気を博していたはずなので、日本には多くのアンチサイエンス主義の人が存在することは間違いない。こういう人は癌の標準治療よりも謎の民間療法の方が効果があるとまともに信じてしまう人たちである。

かつて、アトピー性皮膚炎でも、謎の漢方薬による薬湯風呂とやらで明確に症状が全く改善していないのに、「私はステロイドで無理に症状を抑えていた時よりもこの漢方風呂で子供がかきむしってもデトックスしていることに救われたんです」と澄んだ目で呟いたお母さんに呆気に取られたことがある。「いや、掻きむしっているのは赤ちゃん、あんたの子供やで」って言っても無駄だった訳である。彼らはもう宗教の領域で救いを得ているので科学は無力なのである。

そういうことであればサヨク、革新は科学主義なんであるなんて胸を張られそうであるが、彼らの科学は実証ではないことが多い。例えば、南京事件のあったなかった論争でも、そもそも南京事件で何が起こったのかについて納得のいく説明ができるサヨク様は今まで1人も出会ったことがない。

ただひたすら日本軍が邪悪であった、南京の人たちが殺されたのであると叫ぶのみであり、いつどこで誰が何をしたなどについては「南京大虐殺がなかったことを証明しろ」としか言えない人、つまり、情緒的な意見しか言えない人がほぼ全員であった。

かつてツイッターで三日三晩、三人くらいのサヨク様と延々論争したが、結局彼らの主張は南京大虐殺をした日本軍が悪かったと認めよというだけであった。なぜ悪かったか何をしたから悪かったかについては幕府山の捕虜虐殺(もちろんこれにも諸説ある)以外の「大虐殺」については何も出すことができなかったのである。

なので私はそれ以降は南京大虐殺についての不毛な議論はあまりやらないけれども、反ワクチンの主張も基本は「南京大虐殺あった派」の主張と変わらないと言える。

結局、問題の根幹は教育であり、科学的思考を養わずに多くの人を社会に出しているので非科学的な妄想をきちんと評価できずに惑わされている人が多いというだけのことではないかと思うのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?