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兵法に、まぶるると云う事

『五輪書』火の巻「まぶるると云う事」と同じだなと思いました。

進退窮まってにっちもさっちもいかなくなった時は、そこに留まる=居付くのではなく、一度あえて愚かになって「不確実性のルーレット」を回す(=まぶるる)ことで、ルーレットの結果の良し悪しに関わらず、突破口を創り出すということです。

私も反省しなければなりませんが、合理的判断が強すぎると、逆にその合理的判断が自分の進退を縛って自縄自縛となってしまうこともあります。

特に「何かやってみた方がいいんだろうけど、ねぇ」みたいな想いが出てきた場合はまさに「まぶるる」兵法を実践しなければならない=不確実性のルーレットを回さなければならないタイミングです。

まぶるるということは、合理的判断・計算を思い切って捨て去るということであり、これも一つの認識の技であるため、何度も繰り返して練習することが大切です。

特に、事前に入念な準備をして失敗しないように取り組んできましたという性格の人はいきなりやろうとしても困難ですので、できなくてもいいからそれ自体が一つの技なのだ、練習する必要があるのだと考えて、あえて合理的判断を捨て去る=愚かになるという練習を積み重ねなければなりません。

合理的判断によって硬直すると、ますます現在の硬直した状況にしがみ付きがちになりますので、それをサラッと捨て去ること、今の時代の言葉でいえば「アンラーニング」が近いと思いますが、一度真っ白な白紙に戻してスタートし直すということをやらないと、どんどん硬直した現状がサンクコストとして膨れ上がり、未来がますます詰んでしまうことになります。

こういった転心法を実践することもまた兵法の修行の一つだと捉えています。

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