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少年院卒の人生哲学マガジン

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少年院を出た人間が思う、人生についてまとめてあります。
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2019年5月の記事一覧

いじめる側もいじめられる側も経験して思うこと

私は今では想像が付かないほど、内気で無口な子どもだった。 特に両親が離婚してからは、学校へ行っても友人と一言も口をきかない日もあった。 いじめを受け始めたのは両親が離婚してすぐの、小学校4年生から。 中学2年生で非行に走るようになってからは、いじめる側に回った。 昨今のいじめのほとんどが、死に直結するほど陰湿で残酷なものになっている。 悲しいが、いじめがこの世から無くなることはないだろう。 人は人に対し、優劣を付けたがる生き物だ。 特に若い頃は視野も経験も少なく

少年院卒の私を愛した祖母の話

明日、5月20日は祖母の80回目の誕生日だ。 もうこの世にはいないが、あの世からロクでもない孫を忙しなく見てくれているだろう。 私は家庭の事情で、祖母に育てられた。 母でもなく、親でもない。 しかし、私にとっては母であり、親であり、そして唯一の支えであった。 こんな孫に最後まで愛してると言い続けた、変わった祖母を紹介しよう。 愛しなさい、見返りはない。それでも愛すのよ。 私から見ると、祖母はマザーテレサのようだった。 お金がないと言われると、その日知り合った人

少年院卒が思う、生きやすい生き方とは

私は今の時代を生きやすいとは思わない。 ものは考えようかもしれないが、政治的、経済的に若者が苦しんでいることは紛れもない事実だろう。 数々の自己啓発本が販売され、「自分がなにか」という疑問と向き合いながら生きている人は多い。 だが、自分など探したところでどこかにあるわけではない。 少年院を出て社会に戻ってきたら、一般的には這いつくばって生きるような姿を想像するかもしれない。 しかし、私は今日も下品な笑い声を撒き散らしながら楽しい時間を過ごし、世の多くの人より幸せに暮

少年院卒のダメ人間を救った3冊の本

少年院送致になってやることもないので、逮捕後からずっと本を読んでいた。 最初は小説や漫画を読んでいたが、医療少年院で精神科医と出会ったことにより自己啓発や心理学にハマっていった。 その中でも、未だに精神安定剤代わりに読み返す本がある。 この本に出会わなかったら、私は恐らく今頃刑務所にいただろう。 なかなかマイナーな本だが、人生に迷いがある人にぜひ読んで頂きたい。 普通などどこにも存在しないと教えてくれた本 この本を読み始めたのは、夏になる少し前、上野駅のタリーズだ

人は何度も性犯罪に遭うと、恐怖を感じなくなる

私の人生は、特異だ。 人からそう言われることも多いが、自分でも少々多くを見過ぎているのではと思う。 初めて性犯罪に遭ったのは、小学生になってすぐの頃だった。 それからレイプ、痴漢、不審者、下着泥棒、ストーカー、性犯罪と呼ばれるものは一通り被害に遭ってきた。 それでも私は、男性を怖いとは思わない。 医療少年院のことを書こうと思ったのは、メディアという歪んだ世界で働く者として、日本のありのままの、子どもたちが暮らす現状を知ってほしかったからだ。 同じく、性について様々