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季節のないリズム(抒情詩)



季節のないリズム

春の
とても静かな
砂浜に落ちている
光の粒へ

ぬり絵を
塗り潰さないことを
教えてくれた
たおやかな線と手へ

迷いながら
夢のなかに
見失う夢へ

抒情と
それとの間で
見えない
リズムが
転調する

軋みを
そのままに
光は
明滅しながら
淡くなり
どこへ
消えるのか

許されない
鼓動の速さへ
到るまで
速度を増していく

ソリッドに
象られた
季節のないリズム