春の公園
春の公園に
一人座り
面影が押し寄せた
わたしはここに生きていて
あなたはもういないのだと
心の何処かが血を流した
いつか
薄れていく痛みを
裏切りだと何処か感じた
深海魚の骨が
マリンスノーの
やわらかな深みへ
沈んでいく
そうして夢にばかり
毎日現れた面影を
何処か疎ましく思いながら
消えた生家の中で
笑い合っていた
人は消えない
繋がりある限り続く
その為に
わたしもまた
繋げたのだと
夢の中で夢を見る
目覚めてまだ
覚えている眼差しの温かみ
春がやって来る
それを迎えてよいのだと