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NEW WAVE COSMOS 2021展(合同展)


※5/8 追記、及び訂正あり。

明日、5/1から始まる合同展「パンク・ニューウェーヴのレコジャケとアート展 NEW WAVE COSMOS 2021 ~ニューウェーヴの宇宙~」  。

緊急事態宣言を受けて期間中はオンライン開催となりました。(詳しくは上記リンクご覧ください)

本当に純粋に個人的な思い入れだけで作った今回の作品。ニューウェーヴへのオマージュとして、その時代の自分=10代の頃、よく描いていた絵を自己再現してみました。

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ビアズリー、ミュシャ、漫画でいうと大島弓子さん、吉野朔実さんなどが好きで、よく模写をしたり、ノートの端っこに落書きしていたのを思い出します。前髪をねじってDEP(!当時流行りのスタイリングジェル)をつけてたな、とか、黒のタートルにネックレス、自分的に定番だったなとか色々と記憶の引き出しがひらきました。

授業中も絵ばかり描いていたのでよく先生にノートを取り上げられて「こんなくだらない絵を描いているとろくな大人にならないぞ」なんて叱られていたことも。誰にも褒めてもらえなかったけれど、勉強もせずに絵なんて描いて、って取り上げたり捨てられたりしても、ずっと描いていたなあと。

なのでとことんアナログにこだわり、鉛筆で下絵、面相筆で枠線描き、文字の写しはトレーシングペーパーとカーボン紙使用…など80年代の自分がこの絵を描くとしたら、という想定で描いていきました。


実は今回、どんな作品にするか?を非常に悩みました。 

80年代〜90年代初頭、音楽漬けの小中高校時代。あの頃はインターネットもない、アメリカのヒットチャートの洋楽は聴けてもイギリスのパンクやニューウェーヴの情報なんて追い求めないと手に入らない時代でした。

ニューウェーヴとパンクを入り口に雑誌を読み漁り、ラジオ雑誌(…同世代以上の方はご存知かと思いますが、当時はあったのです)を毎週蛍光ペンをひいてエアチェックし、テレビ神奈川が積極的にオンエアしてくれていた音楽番組をチェック、同局の深夜、SONY提供の当時稀少だったひたすらPVを流す洋楽音楽番組をVHSのビデオ(学生なのでもちろん3倍速)に録りためて繰り返し見たり、当時はまだ珍しかった衛星放送が入る音楽好きな友達の家に入り浸ってイギリスの音楽番組をチェックしたり。高校生になるといかにも入りにくい雑居ビルの小さなレコード店のはしごをすることに情熱をかけ…たまに行くことができる来日ライブのために一生懸命貯金。まさに「目で耳で手で足で」音楽の世界を開拓していったものでした。

そんな10代を過ごした私には、あまりにも思い入れがありすぎるお題だったのです。

ただこの展示、昨年のコロナ自粛真っ只中での開催予定だったのですが、1年の延期が決まって、悩む時間がたっぷりありました。

一年も考えていると、改めて自分にとってのニューウェーヴとパンクとは、「好き」とかそんな生半可なものじゃないぞ、と思えてきました。

音楽のみにとどまらないファッションや価値観、音楽が心の底から好きだったおかげで大人になってからできた友人知人、のちにはじめたDJを通してその思いを分かち合った人々との繋がり。そして何より、当時の大人主導だった世の中に馴染めず、反抗的でどこにも居場所がないと感じて鬱鬱としていた10代の自分を「それでいいんだ」と背中を押してくれたのがニューウェーヴであり、パンクだったような気がします。

だから、ひとこと発するとしたら、やっぱり「ありがとう」なのだと思いました。


この作品の正式タイトルは


「ありがとう ニューウェーヴ / 君が居たから呼吸(いき)ができた」


音楽がなければ、あの浮かれ切ったバブルに湧く80年代という時代に、とっくに窒息させられていたような。

そんな気がするのです。

IMG_9180のコピー

キャンバスにアクリル、顔料インク、胡粉。縁は80年代の気分でペパーミントグリーンとポップなピンクで塗りました。

ご購入はwishlessのオンラインストアで受付中です。(限定1点)


5/8 追記:緊急事態宣言の延長に伴い、実店舗での展示は中止となり、全期間オンライン展示となりました。インスタライブも今回中止とのことです。一刻も早いこのような事態の終息を願いつつ…一言。

アートも音楽も心の栄養だ、と私は思います。こんなにすごいものが世の中にあるのなら、もっと見てみたい、聴いてみたいということが生きる力になった自分の10代を思い、生きていく希望と力になるような作品を作りたい、と改めて思います。

パンク・ニューウェーヴのレコジャケとアート展

NEW WAVE COSMOS 2021

~ニューウェーヴの宇宙~

 

【お知らせ:4/27更新】
5/1(土)よりスタートのNEW WAVE COSMOS 2021展は、緊急事態宣言発令に伴い、オンライン展示として開催いたします。
5/13(木)〜16(日)は会場にて作家らの作品およびGucci氏のレコードコレクションをご覧いただけます。
また、米国人アーティストのDevin Flynnも参加が決定しました。
会場ではマスク着用、手指の消毒、飲食厳禁、会話を控えるなどの感染対策のご協力をお願い申し上げます。

Due the State of emergency declared in Tokyo, the ‘New Wave Cosmos’ exhibition will be an online only exhibition from Saturday May 1st.
It will then be open for viewing at the physical gallery from Thursday 13th – Sunday 16th May.
We apologise for any inconvenience caused.

■ 5月1日(土) ~ オンライン展示
■ 5月13日(木) ~ 16日(日)  通常展示
木金 16:00~21:00/土日 12:00~19:00
会場:WISH LESS gallery (東京都北区田端5-12-10)

 

1977年、イギリスで産まれたパンク・ムーヴメント、そこから派生したニューウェーヴ。あらゆるジャンルの音楽を取り込み、いろいろな形態に発展し、さらに様々な音楽にも影響を及ぼしたパンク・ニューウェーヴへのオマージュ的な展覧会「NEW WAVE COSMOS 2021 ~ニューウェーヴの宇宙~」を開催いたします。
本展は、昨年休止を余儀なくされた展覧会を再編成してご紹介いたします。

レコードコレクターとして知られる山口‘Gucci’佳宏の膨大なパンク・ニューウェーヴ・レコードコレクションから選りすぐりのレコジャケを壁一面に埋め尽くし、さらに同音楽をテーマに制作された作家たちのアート作品を展示いたします。 

 

参加アーティスト
伊藤桂司/加藤良1/庄司朝美/須藤はる奈/snAwk/Setsuya Kurotaki+Nobutada LODIO Yaita/DEADKEBAB/Niŭ/西尾雄太/根本敬/野島渓/濱口健/Brian DeGraw(Gang Gang Dance)/真舘嘉浩/MIC*ITAYA/山縣瑠衣/吉岡里奈/ロブ・キドニー/Devin Flynn …… and 山口‘Gucci’佳宏

 

EVENT
▶︎ インスタLIVEトークショー
日程は決まり次第お知らせいたします。
5月2日(日)19:30~  @WISH_LESS
ゲスト:伊藤桂司/Niŭ/MIC*ITAYA 聞き手:山口‘Gucci’佳宏
 

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