チンチラの闘病日記〜入院編〜

5月7日(土)

夜ドラマを見ている時に突然ガシャンと大きな音がしてケージを見ると、チンチラがゲージの中の音(おそらくご飯を入れている食器をひっくり返した)でパニックになって、ケージ中を暴れ出した。
とにかく激しくて私が止めに入っても悪化してしまうから、ただ見守るしかできなかった。
暴れた後、這いつくばるようにして数十分、とにかく刺激しないようにそっとしておくとぐったりとしていた。
この時日付が変わるくらいの時間で、朝イチで病院に行こうと決めた

5月8日(日)

朝から病院へ。2時間待って診察室に入ると、ぐったりとしたチンチラを見るなり「、まずい、これはまずいです」って言われた。
レントゲンを撮ると背骨(脊椎)を骨折していて、下半身も麻痺していた。
ぐったりとしてるチンチラを見て先生が「もう安楽死か、、」って言葉を出して頭が真っ白になった。
脊椎の骨折は致命傷で手術もできず、今選択できるのは「ご飯が食べられるようになるまで回復させて、そこで手術ができるかどうか」「安楽死するか」の2択しかなかった。
入院しても亡くなる可能性が高いと言われた。
「安楽死」という言葉で頭がいっぱいになってた時、先生が「治療してみましょう」と言ったので、入院することになった。
治療の説明を聞いてる時も頭が真っ白で、チンチラを預かってもらった後、受付で会計。
そのときに看護師さんが「(チンチラの)すきなたべものとかありますか?」って聞いてくれて、そこで涙が止まらなくてティッシュをもらった。
「りんごが好きです」って言ったら「りんごあるのであげましょうね」と言ってくれた。
その日帰って空っぽのケージを見て泣いた。ぐったりした姿のまま預けたから心残りしかなかった。

5月9日(月)

仕事中もずっと考えていた。16時ごろ病院に電話して状況を聞くと、「昨日よりぐったりしてる時間が増えた」「きのうはご飯も少し食べれたけど、今日はまだ…」と言われた。「もしかしたらもありえる」と。そこから涙が止まらなくて、泣き止んで、また泣いて。職場だったから泣いて心配されるのも嫌だから、トイレで泣いた。
家に帰って声を上げて泣いてしまった。何もしてやれない、だけど状況は悪化していく。

5月10日(火)

朝イチで面会に行った。ICUに入れられたチンチラはぐったりとしていて、目も半分くらいしか開いていなかった。あまりに可哀想すぎてそこで何分経っていたかわからないけど泣いてしまった。
チンチラの横にはペレットと葉っぱ、小さく切ったりんごが置いてあった。
りんごの匂いを嗅いでは食べようとするけど、その力が出ずにまたぐたっとなる、その繰り返しだった。
たまにこちらをチラッと見るけど、その視線が本当に辛そうでたまらなかった。
その後獣医師から説明を受けて、状況が良くないこと、でも好きな葉っぱは自分から少したべている。体重が入院した日より少し増えている(420gから450g)ということを聞かされた。色々と質問した。明日またきますと言って、朝イチの面会予約をした。
帰る途中も涙が止まらなくて、他の人に見られるのが嫌で誰もいないコンクリートのところで涙がおさまるまで座っていた。
バスに乗っても涙が出るし、家に帰ってもまた空っぽのケージを見てないてしまう。
今私にできることは,会いに行くことだけだと思った。

5月11日(水)

この日も朝から面談へ。私が言った時は目が虚だったけど、「朝イチはもう少し目も開いてましたよ」って言われた。私があまりにもガラスにへばりつくようにしてみるから、見かねた獣医師さんが扉をあけてくれた。「触ってもいいですか?」ってきくと「少しだけなら」と言われたので、おでこの部分を優しく優しく触ったら少しだけ顔を上げてこっちを見てくれて嬉しかった。入れているチモシーも8割くらいは自分で食べているとのこと。それでも点滴と流動食で頑張ってくれている。体重は430g。私が落ち込んでたらダメだと思いながら仕事へ向かった。この日も日付が変わる頃には寝て,明日に備えた。寝たらチンチラがICUの中で少しだけ立ち上がる夢を見た。

5月12日(木)

今日も朝から面会に。やはりぐったりしていてこちらを見る余裕もない。でも震える手でチモシーを掴んで一生懸命食べてる姿を見せてくれた。辛そうでたまらない。
今日は入院時に診てくれた先生からの説明で「やはり痛みが強いみたいです」と言われた。「痛み止めを3種類打っています。心配でしょうが、またお時間あったら来てください」と言われた。体重は420gで入院時と同じ。昨日の帰りは「落ち込んでてもダメだ」って自分を奮い立たせてたけど、今日はもう自分自身もぐったりとしてメンタルがやられてた。ただでさえ痛みに耐えてるのに3種類も注射頑張って生きてくれて、ほんとうに可哀想でやるせない。帰ってきて夕方寝てしまって、タルトが退院しておうちに帰ってくる夢を見た。「あんまり動きすぎないように丁寧にお世話してあげないと」と思ってたら目が覚めて現実に引き戻された。

5月13日(金)

今日も面会。こちらをチラッと見てくれた。辛そうな目でこちらを見ているのでかわいそうで仕方ない。状況に大きな変化はなく、自分の目のお掃除ができないから目薬をさしてもらってる。毛並みもブラッシングすると脊椎に影響があるから少し汚れてしまうと。

5月14日(土)

この日も朝から面会。何度もこちらを見てくれてアイコンタクトが多いなと感じた。私のことを認識しているかはわからないが、嬉しかった。好きな葉っぱだけ選んで食べてた。昨日より少しだけ元気そうに見えたけど、先生曰くあまり変わらないらしい。入院してて1週間なので入院費の支払いしてきた。

5月16日(月)

朝から面会へ。この1週間で一番ぐったりとしていて、こちらを見る余裕もなかった。歩けないから筋力が落ちてきて体重もガクッと落ちてるらしい。400g。ここからまた落ちるから、どこまで落ちてしまうかが不安なところ。「食べるのは食べているんですけどね」と言っていた。1週間経って私も少しずつ現実というか受け止め切れるようになってきた。ずっと泣いてばかりいたが、今できることをやっていくしかないなって感じている

5月17日(火)

今日も面会。すやすや寝てて、面会に行ったら目が覚めたようで近くに置いてあるチモシーを食べていた。寝たきりのまま食べるのが上手になったなと感じる。先生からは、費用の面も心配して自宅で同じように看病するのも1つの案だと提案してもらった。とにかく骨折したところは手術ができないので、自然に治癒することを見守るしかできないらしい。「私が仕事で家を空けている時のことを考えると、やはり病院に預けていた方が安心です」と伝えて、またしばらくは預かってもらうことになった。

5月19日(木)

今日も面会。横になって寝てたけど足のところがピンク色になっててどうしたの…って少しパニックになった。
ご飯はちゃんと食べててうんちもしてるって説明してもらったけど,ピンクの部分がなんなのか帰ってからもずっと考えてた。

5月21日(土)

夕方から面会。お腹のところの毛が全部抜けててピンク色の肌になっていてあまりにも可哀想でチンチラの前で泣いてしまった。痛いだろうな、辛いだろうなそう思うと涙が止まらなくて,何もしてやれないのも悔しい。しばらく泣いて時間が経ったと思うけど、先生に現状を説明してもらった。「ご飯はね,食べれてますよ。うんちも,ちゃんとしてる」それでも私が泣いてるから「食べれるってことは生きる喜びなんです」ってぼそっと言ってくれた言葉がまたなんかしんみりきて泣いてしまう。「なにか、気になることはありますか?」と聞かれたので、「毛が抜けて痛そうです。これも下半身が動かせないからですか?」って聞き返したら「そうです」と肩を落とした。帰りも帰ってきてからもずっと思い出しては悲しくて、かわいそうで、何もしてやれないなと思う。

5月23日(月)

朝から面会。いつもと違う先生だったけど、丁寧に説明してくれた。食欲も排便もあるとのこと。自分で動けないから向きを変えてあげているそう。

5月26日(木)

朝から面会。ベジキューブを自分でボリボリと食べていて驚いた。ご飯も食べれているので、そろそろ退院を考えても良いでしょうとのこと。それでも朝晩の流動食は必要なようで、質問をあらかじめまとめて渡すことにした。帰ってからケージをきれいにして、ステージや回し車も取っ払い、タオルで柔らかい環境を作った。病院と同じようにトレーの中で寝かせてあげた方がいいかな?

5月29日(土)

火曜日に退院することに。「チンチラに触れる際の注意点」や「与えていたチモシーの種類」などを箇条書きにして書いていった。この日くらいから「私に介護が務まるだろうか?」と不安で夜少し眠れなくなったり。でもタルトに会えると思ったら頑張れそう。

5月31日(火)

朝から退院の手続きへ。獣医師さんにお薬の塗り方やご飯(強制給餌)のやり方などを教えてもらった。よく頑張りました、とチンチラに向かって褒めてくれて嬉しかった。

入院編はここまで!

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