「BAKA IS NOT DEAD!! イノマーGAN日記2018-2019」読書感想文。
BGMにどうぞ。
2019年10月16日。親父が死んだ。
哀しくはなかった。そりゃ死ぬよなって。
死ぬ5日前に見舞い、あぁもうすぐ死ぬんだなと悟って、看取るか東京の生活に戻るかの二択で後者を選び、夜勤から帰ってきて寝たら電話が来てまた北海道に行き、通夜をして葬式をして、次の日また東京で夜勤をして帰ってきて寝て。
起きれたら行こうと思ってたライブがあった。僕は起きれなかった。
イノマーGAN日記に寄稿された文章の中で、イノマーの一番弟子フジジュンさんはその時の様子をこう綴っている。
2019年12月19日。イノマーが死んだ。
哀しくはなかった。え!?死ぬんだ…!って穴があいた。だけどまるでアイドルがウンコすることを知ったかのように、さいしょから知ってたような気もした。
イノマーはニッキンタマというブログもやっていて、ファンである僕は毎日読んでコメントもしていた。その中で癌の再発・転移や余命についても聞いて知っていたハズ。
僕の仕事は介護士だ。「余命半年」が意味することを、フツーに暮らしてる人よりは知っているつもりだ。専門知識はないが、体感的に。
でもなんでだろう。イノマーは死なないんじゃないかなと、どこかで思っていた。
舌を切除してもなお、ステージにあがってアウアウアーと歌う姿を、その声を。10/22の豊洲PITに行けなくとも、またいつか渋谷ラママに行けば観れるんじゃないかって。
死後、イノマーが地上波に乗った笑。
たぶんイノマーだったらこんな感じのことを言うだろう。
「家、ついて行ってイイですか?」の中で、僕が行けなかった、最期になってしまったライブ「ティッシュタイムフェスティバル」の様子も流れるとのことで、食い入るようにテレビを観た。
車椅子で登場したイノマーが立ち上がって手を挙げるだけで場内が沸いた。出て来た一言が「ごめんね まだ生きてます」
そのボロボロの姿を、奇跡を起こす姿を、知っていたら・・・いや・・・這ってでも行くべきだったんだ。起きれたら行く??涙が止まらなかった。
ニッキンタマの中で、イノマーはボロボロの姿を見せなかった。気管切開された首は頑なに隠して自撮りしていた。
そうか、そういう人だった。
ファンと花見やカラオケにも行く距離感の近さがあって、ファンをとても大切にする人だった。イノマーはイノマーだった。
僕個人も大切にされたことがあるので自慢させて欲しい。
今ニッキンタマ見に行って思い出したけど、毎日の更新ではなかった。それでもたまにコメント欄でなにかしら報告してくれたり、ほんとうにファンを大切にする人だった。
「オレが死んだら、ヒロちゃん出版よろしくね!」
そう言って書き始めた日記を、そのクセ字のままに本にしたと「はじめに」でヒロさんが語るイノマーGAN日記を手に取り開く。
宣告された日から日記は始まっている。地上波では死んだその瞬間までもが放送された。
表現はすべてオナニー。であるとするならばハハハあなたはとんだオナニーマシーンだ。
そうして読み進めると、やっぱりファンは大切にされていたんだなあと改めて思わされるのだが、長くなったので、つづく。
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