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見て覚える、聞いて覚える、書いて覚える

私は暗記が苦手である。
高校生の頃、世界史や英語がどんなに好きでも、いつも点数が悪かった。

理由は簡単で、「覚えられない」からだった。
「なんか見覚えあるけど思い出せない」「2種類あってそれぞれの違いは言えるけど名前が思い出せない」「単語は覚えてるけど並びが思い出せない」といった場面を、何度経験したかわからない。

反対に、どんな場面でも成績が落ち着いていたのが、数学と現国だった。
覚える量が他の科目に比べて圧倒的に少ない。
どちらもセオリーとなる解き方さえ覚えてしまえばあとはその場でなんとかできる。
大学入試の二次試験でも、数学の点数が一番良かったくらいだ。

大学に入るための勉強では、暗記は避けられない。
先に挙げた社会科や英語はもちろん、古典だって、理科(生物)だって、覚えていないと点数が取れない。
大学に入ってからの学びの場では、忘れたらすぐに調べればいいので、大分気が楽になった。

高校では、英語や古典の時間に、小テストがあった。
英語の時間なんて、単語テストに加えて文法テスト、熟語テストとテストばかりで、あの頃は英語の勉強=暗記みたいなものだった。

暗記をするために、私は毎日書きまくっていた。
イオンの文房具売り場で、5冊165円とかで売っている安いノートに覚えたい内容を書きまくり、書き終わったらマーカーを引いていくという、写経のような勉強法をしていた。

私にこの勉強法を教えてくれたのは英語の先生で、よく言えば素直、悪く言えば単純だった私は、先生の教えに従順に従い、毎日写経していた。
テストでも、「なんかよくわかんないけど手が動く」ということが増え、小テストだけでなく、定期テストも乗り切れるようになった。

だけどある時、部活に各教科の予習・復習・課題に疲れ切っていた私は、ふと思った。
「いや、書くのめんどくさいな」と。

そう、この勉強法は、手間がかかる。ずっと書いているから手が痛くなってくるし、シャーペンが手に擦れて汚くなる。
机が無いと書けないから、移動時間に手軽にやることもできない。
あと時間が掛かる。1ページ書くのに、どんなに急いでも15分は掛かる。

そんな時、同級生を見ると、「書くとかめんどくさい」という人もきちんと点数を取っていた。
勉強法を聞いてみると、テキストをじーっと眺めていれば覚えられるという人もいたし、音読すれば覚えられるということだった。
そっちの方が手軽でいいなと思って真似したことがある。

結果、全然覚えられなかった。
見覚えがあるのに答えられず、ふわっとした印象があるのに言葉が出てこない。
小テストに不合格だとペナルティがあるので、渋々、元の写経に戻したらきちんと答えられるようになった。

NLP、という言葉を聞いたことがあるだろうか。
Neuro-Linguistic Programmingの略で、日本語では神経言語プログラミングと言うらしい。

NLP理論において、ヒトの脳は視覚タイプ、聴覚タイプ、身体感覚タイプの3つに分類される。
タイプ毎に、適した勉強法が異なっている。

視覚タイプ…視覚で得た情報を処理しやすい
色を使って情報を整理したり、チャートにしたりすることで覚える

聴覚タイプ…聴覚で得た情報を処理しやすい
音読したり、繰り返し聴いたりすることで覚える

身体感覚タイプ…身体感覚的に情報を処理しやすい
ディスカッションの雰囲気を感じたり、繰り返し書いたりすることで覚える

参考URL: https://www.nlp.co.jp/000202.php

おわかりだろうか。
NLP理論に基づいて考えると、私は完全に身体感覚タイプだ。
見ただけ、聞いただけでは覚えられない脳みそをしているのだ。

長年、どうして自分が手を動かさないと覚えられないのか不思議で、コンプレックスでもあったが、NLP理論を知った時に腑に落ちた。
NLP理論がどこまで信頼できるのかはわからないが、自分の実感もあって、ひとまずは信じている。

写経みたいな方法で勉強する癖は抜けず、院試の勉強をしている時も学部の講義内容をノートにまとめ直した。
フランス語の勉強をする時も写経している。

手間は掛かるけれど、そういう脳みそなんだと思って、これからも積極的に書いていきたい。
筆圧でぼこぼこになったノートを撫でると達成感がある。
何冊も書きつぶしたノートは、私の勉強の証だ。

最後までお読みいただきありがとうございます。 これからもたくさん書いていきますので、また会えますように。