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【資金も採用の知見も時間もない】シード期/シリーズAの企業が採用戦略を立てる際に知るべきこと

みなさんこんにちは!庭田です!

当社は、シード期/シリーズAのお客様のご支援をさせていただくことが多いのですが、当社に採用の支援をご依頼する前に必ずと言っていいほど実は抱えている課題について記載をします。

『​​シード期フェーズで採用をアウトソースをするか否か「ジャッジ」の基準が不明瞭である』
こちらの課題について、当社の見解をもとにまとめを記載しますので、ぜひ最後までご覧ください!!


1. シード期とは?

1-1. シード期の特徴とは?

今回話の論点に当てている「シード期」とは、そもそもどのような企業様を指すのでしょうか。

シード期は、ベンチャー立ち上げの準備期間で、製品は構想段階あるいはプロトタイプができた段階。ビジネスコンセプト等は、決まっているものの、収益モデルは立案中といったケースが多く、収益はない段階。一般的には、シード段階ではそれほど多くの資金は不要で、ベンチャーキャピタルよりは、自己資金、友人・知人による資金、エンジェル投資、公的金融機関の創業融資を活用する。

須藤 陽平著RISE COUNSULTINGGROUP「Produce Next Report
〜ベンチャー企業の成長ステージについて〜」

端的に伝えると、以下の特徴を持つ企業様だと思っております。

● 企業規模は1〜10名前後
● 創業から1〜3年
● 目標はPSF(プロダクトサービスフィット)
● 大きな資金調達はしておらず、スモールスタート
 − 一部例外あり

事業拡大には採用活動が必須ですが、どのような軸を持って採用を行うべきなのか以下に記載します。


2. シード期の採用活動における制約条件(前提条件)

改めて、採用観点でのシード期の企業様の置かれた環境を改めて洗い出してみます。

2-1. 資金(キャッシュ)に限りがある

事業融資ができている or できていないにかかわらず、資金が潤沢にある訳ではありません。その貴重な資金の使い道を「採用活動への投資に」踏み切ることはかなりハードルが高いです。
理由は、安定した収益が見込める状態ではないにもかかわらず、固定費がかさむことへの懸念があること。また、資金が少ない中で採用に投資するべきか迷うこと、などが挙げられます。

採用活動で費用がかかる代表例は2つあり、採用媒体掲載/運用費用(料金)とエージェント(人材紹介サービス)利用料金です。
(下記に参考資料としてシード期におすすめな媒体を記載しますのでご参照ください。)

仮に採用媒体に費用を投下した場合、ミニマムで100万円はかかります。

加えて採用媒体の運用や、エージェント採用に踏み切ったとしても、必ずしも採用が成功するわけではありません。採用周りを整えてくれる人事が必要ですが、人件費もかなりかかってしまいます。

未経験人事であれば、シード期を成長させることのできる人事と比較して、給与面で月間の費用を抑えることができますが、それでも20万円/月、加えて採用周りすべてをお任せするなら、経験者採用が必須です。

2−2. マンパワーが足りない

純粋に採用活動に回せるマンパワーが足りません。
もし、採用に踏み切りたい3名ほどの企業様の場合、その3名はおそらく事業推進(PSF)に特化したメンバーである可能性が高いです。シード期であり、少数精鋭のほとんどの企業様は、社長が採用の日程調整から、面談/面接を行い、正社員雇用についての情報を取りまとめているケースが多いです。

人事を採用するにも、上記の通り採用するにはかなり勇気が必要なのと、コストがすごくかかってしまいます。

マンパワー的観点の補足として、シリコンバレーの著名アクセラレーターであるY Combinatorの人事担当役員であるレネー・マーズ氏が、スタートアップ人事の重要点をまとめた記事において、”人事の専任者を採用するタイミング”を「従業員20~30人程度、あるいはシリーズAラウンドの後」と推奨しています。

環境要因などはありますが、日本よりもアメリカの方が10倍もスタートアップが創出される知見を鑑みると、上記の規模が人事担当を採用する適切な解なのかもしれません。

日本では、スタートアップ/ベンチャーを牽引する、レイヤーX社の石黒さん(現人事責任者)、SmartHR社の薮田さん(現人事責任者)も従業員数30〜50名規模でご入社されています。

そのような環境下で直面する採用課題はどのようなものなのでしょうか?


3. シード期が直面する採用課題

シード期が直面する具体的な採用課題について記載します。

3-1. 事業成長が本格化するのため発生する「ビハインド」

 3-1-1. 求職者に不安を抱かせる

事業成長が本格的に始まる前なので、求人票や話を伺った際に求職者が「恐れ」や「不安」を抱いてしまう可能性があります。

2023年8月のPRTIMESに「エンジャパン」社が執筆した【34歳以下の若手1,000人に聞いた「スタートアップへの転職」意識調査ー『AMBI』ユーザーアンケートー】という記事があり、その中で
「若者の約7割がスタートアップへの転職へ前向き」という内容が記載されてされていました。
(参考記事はこちら
しかし詳細を見ると、9%はスタートアップに「積極的に転職したい」58%は「条件次第では転職したい」という結果でした。

特にシード期(アーリーフェーズ)では、働く環境も給与体系も全く整っていない企業様が多いため不安を抱かせてしまうこともあるのではないでしょうか。

 3-1-2. プロダクト(事業)の概要/戦略を打ち出すことが難しい

まだPSFをしていないため、明確に市場にプロダクト(事業)の概要/戦略を打ち出すことができないことは、採用領域では大きくハンデを背負った状態になります。

当社では会社の魅力を6P+CGM+techで分類しておりますが、求職者様がまず魅力に感じるのは、「person」「product」「privilege」だと感じています。魅力項目については当社山根が記載をしていますのでご確認ください!

その3つの重要な要素のうちの2つ(productとprivilege)がない状態というのは、採用活動における戦いが厳しくなることが想像できるかと思います。

その中で代表様の考え方として、「市場に出せる状態」になってから情報公開という選択肢を取る方も一定数いらっしゃいます。
企業様が向かう方向性だけでも魅力として打ち出せれば良いですが、全く情報が公開されないと求職者に対して魅力を打ち出す手がないと言っても過言ではないと思います。

3-2. 魅力が薄くなってしまう

設立年数が浅いが故に、魅力を言語化しづらいです。
企業年数がある一定の期間経過し、企業体力があるからこそ、福利厚生や各プロダクトの魅力も磨かれてきますが、シード期(アーリーフェーズ)の企業様では打ち出す魅力が少なくなってしまいます。
シリーズA〜メガベンチャーの各フェーズごとに打ち出すべき魅力項目をまとめたブログを山根が記載しています。

ご覧いただけるとわかると思いますが、打ち出す魅力が限られてしまうことがわかると思います。

3-3. 2の制約条件の2点

お金の面とマンパワーが厳しいことは上記で記載済みなので割愛します。


4. シード期フェーズで採用をアウトソースをする「ジャッジ」

4-1. 資金

まずはお金の面です。
月間にいくらまで採用に費用を回せるか把握していることが重要です。Wantedlyの運用費用が〇〇円で、エージェントの費用が〇〇円で、、

ではなく事業計画を決めて、採用費用をいくらまでかけられるのかという逆算で考える必要があります。

また変数としては、現在の利益額・資本金にも左右されます。現在の事業活動における「ゆとりがある金額」です。資金的にどれだけ採用に回せるゆとりがあるのかを把握しておくことは重要です。
改めて記載しますが、事業成長のために人的資産は必ず必要になるため、採用は気にかけておく必要があります。

採用費用をいくらかけられるかを把握した上で、アウトソースにいくらかけられるのかを算出するのも一つの手だと思います。(事業投資と採用費用にまつわるお悩みもお気軽に当社までご相談ください!)

4-2. マンパワー

次にマンパワーの面です。
2-2で記載した通り、一般的には20〜30人の人数規模があれば、1名の採用担当の人事が必要になるという提唱から、専任人事を採用するという考え方でも問題ないと思います。

しかし、以下の考え方で工数を算出し、自社で採用を行うかあるいはアウトソースするかを判断するという観点も重要だと思っています。

① 採用工数を算出する
② その採用工数を自社で賄うか/アウトソースするか判断をする

①は粒度を細かく洗い出すことをお勧めします。以下の表で採用活動をするための業務項目の一例を記載します。その項目ごとにどのくらいの時間を投下しているのかを洗い出して、1週間あたりどのくらいの工数がかかっているか(もしくは必要か)を算出し、誰が下記業務を負うべきかを判断すると良いかと思います。

◆採用活動をするための項目の一例

この表は、当社の採用活動におけるお勧め施策一覧の中で、mustとしてる業務項目の内容です。

上記に加えて以下の業務も必要になるため、かなりの工数がかかります。

・求職者候補者様との日常のやり取り
・面接対応
・書類選考

しかも1つ1つが細かい作業のため、頭の切り替えの時間を考慮すると、実際にかかっている時間の倍は消費していると思っても過言ではないでしょう。

また、”どれくらいの期間採用を実施するか”もアウトソースする判断軸として重要な要素です。事業成長がどれだけできるかという変数がありつつ、例えば1年間で30名採用したい場合には、単純計算で約5〜600名ほどの書類選考、求職者様との連絡が必然的に発生するため、事業を前に進めたい場合にはかなりの圧迫感かと思います。

4-3. その他
自社で採用活動を進めていって万策尽きた場合も同様です。
自社で媒体を使用したり、魅力だと思って打ち出していた内容が、実は求職者様には響いていなかったり、他社も同様に訴求している内容であったりする可能性があるため、まずは壁打ちを検討することは施策としてありかと思います。
実際に、直近でも採用における万策が尽きたために、当社にご依頼をいただけるケースもあります。

また、どのタイミングで重点的に人材が欲しいかというのもアウトソースをするにあたり重要な要素です。
例えば、プロダクトを特に伸長させたい時期や、新たにプロジェクトを起こしたい場合など、採用を加速せざるを得ない時に一時的に外部の力を借りることも一案かと思います。


5. 参考資料(採用手法)

上記のアウトソースした場合どのようなものがあるかを特徴含めて記載しますのでご参考までにご覧ください!

5-1. お金をかけない採用手法について

以下に媒体の特徴を記載しますので見ていただけますと幸いです!

①リファラル採用
●メリット
 − お金がかからない
 − 仲間内で事業を進められる
●デメリット
 − すぐ対象者(ターゲット)が枯渇する

②SNS採用
●メリット
 − お金がかからない
 − ミッションビジョンに共感した人が入社しやすい入ってきやすい
●デメリット
 − 工数がかかる
 − いつ花が咲く(採用できる)かわからない

5-2. お金が少しかかるけど、試して欲しい手段

①Wantedly
●メリット
 − 比較的に安く媒体運用ができる
 − ミッションビジョン共感した人が入社しやすい入ってくる
 − 媒体の特徴としても”ミッションビジョン共感を求めている人”が多い
●デメリット
 − 伝える魅力が少ないと採用決定まで至らない

②YOUTRUST
●メリット
 − ミッションビジョン共感した人が入社しやすい入ってくる
 − 媒体の特徴としても”ミッションビジョン共感を求めている人”が多い
 − 複業/業務委託として固定費を下げて採用できる
●デメリット
 − 伝える魅力が少ないと採用決定まで至らない


6. 事例過去の事例

過去にご支援した企業様の成功事例を共有します。

◆特徴(便宜上A社様と記載します)
 − ご支援開始時に5名の会社(インターン含む)
 − 事業内容はAI解析
 − ご支援開始する半年前くらいにプロダクトをリリースしており、採用を加速させたいために当社にご依頼いただく

A社様の特徴は、当時5名の企業様でプロダクトリリース直後で、軌道に乗るかどうかというフェーズでした。だったのですが、”採用ブランディング”という土台の部分から、採用支援のご依頼をいただき、会社の魅力を整理した上で媒体運用であるLinkedinを使用しました。

面白みのあるプロダクトだったという変数はあるものの、CBOを1ヶ月で採用することができました。
これは早い段階から、代表様が費用感・とマンパワー・と事業成長・と増員したい人を入れたいタイミングをご理解されていたからこそ、アウトソースに踏み切れたのだと感じています。


7. まとめ

いかがでしたでしょうか?
本ブログのまとめを以下に記載します!

●シード期フェーズで採用に踏み切るジャッジのために

採用にかけられるお金とかかる費用を把握しておく
採用に必要なマンパワーを棚卸して、必要なリソースを把握する
採用に力を入れたいタイミングを理解すること

企業のフェーズに関わらず、1名以上の担当者での採用活動を行うことは多いかと思いますので、少しでも参考になれば幸いです。
本noteに記載されている内容、図表に関してご興味 / ご質問がある方は、お気軽にご連絡くださいませ (弊社が開発する採用管理システム「Opela」のお問い合わせも可能です。)

株式会社ポテンシャライト

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