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日記 10/2

また同じことを繰り返す。その中に非日常があるから私は生きていける。

好きだったあの人は、私のことをまるで最初から好きじゃなかったみたいな素振りでどこかへ消えた。自分を捨てた人を追いかけるほど、私は馬鹿では無かった。それだけが自分自身を救った。

また元の生活に戻って行った。自分を粗末に扱い、自虐してはみんなに笑ってもらおうとしている。

昨日も気がつけばまた同じ場所にいて、朝方に友達から連絡があった。馬鹿みたいだと思いながら、朝5時に友達のいる街へ帰った。夏と秋の間の、どちらかと言えばまだ夏に近い、そんな朝の空気は澄んでいて、深く吸うと私の内側をさらさらと流れていった。

おはようと笑って、コンビニでラーメンとロング缶を買って、駐輪場でラーメンを啜った。とっくに朝日は世界を包んでいた。駅に向かって人々が歩いて行く姿を横目に、私と友達はその反対方向に向かった。公園で犬の散歩を眺めながら、缶チューハイを飲んでいた。

その子と出会ったときは16歳だったのに、今はもう20歳になっていた。朝から公園でお酒を飲んでいるなんて思ってもみなかった。高校のときの写真を見て、声が出なくなるくらい笑った。

幸せになってねと言われ、その言葉に頷き、また遊ぼうねと言って別れた。

幸せになってね、と友達全員に言われる。別に不幸なわけではない。幸せを願ってくれる友達がいるだけで、それはもう幸せなのだろう。もう別にそれでいいと思えるくらいには。

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