もしもあなたと同じ夢を見てたら
一昨年の夏、恋をした。人生で初めて本気で人を好きになった、と言っても過言ではなかった。とにかく顔が好みで、ユーモアがあって、私のタイプだった。奇跡的に付き合うことができ、汚点だらけの人生でこんなことが起こっていいのか、と疑ってしまうほどに幸せだった。その疑いはあながち間違っていなかった。
彼はとある新興宗教の信者だった。しかも、かなり熱心な。それを打ち明けられたのは付き合って1ヶ月経った頃だった。私は「宗教について深く考えたことのない人生だったから、今はまだ何も知らない。無