AIと囲碁と私たち
「AIは囲碁や将棋の必勝法等にどのような影響を与えていくのか」
保険研究部 取締役 研究理事 兼 年金総合リサーチセンター長 中村 亮一
ニッセイ基礎研究所
実は、このようなゲームは、ゲーム理論において「二人零和有限確定完全情報ゲーム」として分類されている。偶然(運)に左右されないゲームがこれに相当している。その具体的な定義については、その漢字表現から感覚的に理解してもらうことにして、ここでは詳しくは説明しない。
これらのゲームは、理論上は完全な先読みが可能で、双方のプレーヤーが最善の手を打てば、必ず、(1)先手必勝、(2)後手必勝、(3)引き分け、のいずれかになることが知られている。
と詳しく説明が載っています。
そして、各種ボードゲームが説明されていく中で、囲碁はまだどれも決定づけられてはいません。
ただし、グーグルは、AlphaGoで培った技術を医療やエネルギー分野に応用することに注力するということで、今回の勝利の後に人間との対局については終了することを表明している。
このようなニュースは他でも見ました。
とりあえず、興味的開発から実用方向へ注力する、と。
ここまで充分実力は付けたし、見せつけてきたのだから、これ以上はコスト的にも膨大で、労力も大きいことから次のステージで移っていく。
ここに囲碁だけでなく、人間の活きる場所もあるだろうな、と。
結局、AIといえど、ある程度どう進化させるか、どういう方向性に持っていくかは人間がボードを握っている。
そして、仕事などの領域で、実用レベルに達していても、コストが膨大なら普及はし難いということ。
AIが世界を席巻し、人の仕事を全て奪い去るまでは、まだまだ相当な年数が必要なんだろう。
囲碁だって、現時点でプロ棋士を超える、匹敵する能力があるものは相当なコストが掛かるだろうし、市井で活用できるものはまだまだアマ的に打っていて楽しい、学ぶことができる、というものではないだろうか?
あまりに強すぎ、そして、人間に理解出来ない「打ち手」を選択してくるAIに果たして人は教わりたいと思うだろうか?
アマで、趣味として打ちつつも「強くなりたい」ということでレッスンプロや囲碁教室に通う人がAIに教わる日はまだ遠いような気がする。
まだまだ人間の方がコストは低く、あいまいな部分は内包しつつも指導する方が主流ではあるだろう。
また、人がちょっと対局する分にはAIでも楽しいが、やはり人と人との駆け引きや感情の行き来があるからこそ、楽しいと思う。
そこに人が囲碁を打つ理由や、プロが確かにAIに負けてもその存在は続き、偉大さもあり、極みを目指して挑戦を続ける意味にもなるだろう。
ただ、「強い」だけではない「何か」が人には、囲碁には大切なんだろう、と思う。
ヘッダー画像はBeautiful Free images|Unsplash:https://unsplash.com/ さんよりお借りしました。
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