【書評】ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装

斎藤 康毅
オライリージャパン
2016/09

 来年8月の受験で、E資格取得を目指すことになりました。セールスという立場ですが、背景に技術的知見も持った文系AI人材のロールモデルを作るということになります。ありがたいことに会社費用でAVILENの講座を受けられるんですが、講座外の知識補充という形で購入。

 言わずと知れたオライリージャパンのテキストです。技術書なのでエンジニアが読む内容がほとんどだと思います。過去Pythonエンジニア認定基礎試験取得時に、推奨図書だったので1度だけ買ったことがあるくらい。内容は画像処理をテーマに、ディープラーニングの実装のプロセスを順を追って解説してくれます。使うライブラリはNumpyとMatplotlibくらいで、敢えてスクラッチで書いて、理解を助けてくれます。導入は単純パーセプトロンの説明から入り、ウェイト、バイアス、活性化関数とは何ぞやから解説をしてくれます。

 前提としてどうしても中学レベルの数学で終わってしまっていたため、数式の変形や記号1つ1つの理解から必要なので、かなり時間かかる。。。結果1週読んで理解度も高くない。とは思うのですが、なんだろ、とっても理解が進んだ気がします。G検定を通して単語は知っているものがあるのですが、それが何者であるかは当然理解はしておらず。活性化関数がニューラルネットワークの中でどういう役割になっているとか、誤差逆伝播法と学習のプロセスとか、畳み込みのプロセスでテンソルを行列に変換してNumpyで扱えるようにするとか、明快に説明は出来ないものの腹落ちが進みました。恐らく数学的な理解とPython自体の学習を進めて繰り返し読んで写経すれば、データがどう更新されていくのか、アウトプットもできるようになっていくのだと思われます。

 文系人材にとってE資格の勉強は不慣れで苦手意識のある数学が必要で、前提知識のないプログラミングをひたすらやる必要があります。中々手応えというか、経験曲線が上がってくるまで耐える時間が長いと思います。同じ講座のコンテンツを続けるとマンネリ化しますし、微妙に記述や説明の仕方が異なる。同じ知識でも表現の仕方が異なれば、飲み込み方も変わってくる、まさにコミュニケーションによる効果の違いがあります。私にとって補助的にかなり有用な書籍であり、スキルと知識向上に伴って繰り返し読めば繰り返し発見がある本だろうと感じています。これを読めばディープラーニングは全てOKというわけではありませんが、初学者は必携だと思います。4巻まで出ているようなので、講座の合間で読み進めていきたいと思います。

 ちなみに著者はプリファードネットワーク所属の研究者の方です。同い年なんだなぁ。。。びっくり。プリファードの社長のLearn or Dieという本も面白くて示唆に富む内容だったので、合わせてお勧めしておきます。学ぶか死ぬかなんて、とっても刺激的じゃない?

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