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【400字小説】寝ても寝てもやって来ない朝

わたしのギターヒーローが急逝して、夜に。
0時をまわった頃にスマホに着弾。
嘘だろって記事を開くと間違いなく、亡くなっていた。
だからといって旧ツイッターで嘆いたり出来ない。
硬派な音楽しか聴かないと
認識されているわたしだから、
ダサい商業バンドのギターヒーローが好きだったなんて、
今さら打ち明けられない。

わたしだとわからないアカウントを
持っておけば良かったと後悔しても泣ききれない。
てゆうかギターヒーローの死で
涙が2分で涸れてるし。
悲しみの余り、冷蔵庫を覗いて、
そこにあったこんにゃくゼリーと
プロテインチョコバーを全部食べた。
なんてヘルシー。
すごく物悲しい。

心の準備をしていられたら良かったのか。
嫌だ、それでも嫌だ。
死ぬなんて、もう二度とライブで
会えないなんて、冷徹すぎる。

そう思ったら酒に走りたくなって
冷蔵庫を開けたら、今度は料理酒すらなかった。
そもそも料理酒を冷蔵庫に入れないよ。
長くて終わらない夜だった。

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