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【400字小説】わたしに執着していない

「自分らしさを追求するってさ、
まだまだだね、きみは」

カチンと来た。
あれ以来、LINEのやりとりは
していない、1年以上。
何度か最後のLINEを開くことはあって、
ブロックされていないから
本当に関係が断ち切れたわけではないと、ホッとしている。

悪かったのはわたしかもって思うことがあって、
「自分も他人もなくて、あるがままに居るだけ」
という悟りのような考えに
少しは理解を示せるようになったからだ。

実は駅前でばったり会わないかなって
願っているんだけど、そんなチャンスはないね。
直接会ったら、素直に謝れる気がするんだ。

まあ、わたしはわたしの考え方が正しいって思うし、
きみの意見がもし仮に正しいとしても
押し付けるのは違うと思うわけで。

やっぱり仲直り出来ないな。
1週間に1度の頻度で
LINEが来てめんどくさかったから、
今のままでもいい気がしている。
きみに執着してないのさ。
多分、それくらいの距離感で
自分自身と付き合うべきなんだろうな。

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