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感動とはなにか~サッカーw杯を見て~


2022年サッカーワールドカップが終了しました。以下の動画を見たので改めて。改めて、Lisaさんの曲は良いです。この曲は卑怯ですよね。アがらざるを得ないです。別記事で「人はなぜ曲に感動するのか」も考えてみたいです。

 私は特にサッカーに詳しいわけでもありませんでしたが、今大会は初めてw杯を最初から最後まで見ました。日本代表がノックアウトステージに進んだことも関係するかもしれませんが、やはり、アベマが全試合無料中継してくれたこと、及び本田圭佑さんの解説が大きかったと思います。サッカーファンでなくても視聴を継続しやすい環境が整っていたと思います。
 日本代表戦では、グループリーグのドイツ戦、コスタリカ戦、ノックアウトステージのクロアチア戦を視聴しました。正直、スペインには勝てんやろ、と思っていたので、朝起きて2-1で勝っていたときは本当に驚きました。誰か・何かを信じるというのは、本当に難しいですね。一方で、前評判からの掌返しや、コスタリカ戦での敗北、そして、これは商業である以上仕方ないのですが、「感動の商業化(感動ってなに?)」という部分について、自分の中でモヤモヤしたので、つらつらと書きます。

w杯日本代表のどこに感動をしたのか(突発的感動とかみしめる感動)

 もちろんドイツ戦終了時やスペイン戦を後で見返したときの、キャプテンの吉田麻也選手の試合後インタービューやサポーターの涙には引っ張られて泣いちゃったわけです。こちらはいわゆる突発的な感動による涙というのでしょうか。過去に「鬼滅の刃:無限列車編」や「君の名は」でBGMや映画館の雰囲気と相まって感情が高ぶり、それが感動につながることはありました。こちらを「突発的感動」と名付けてみます。

 一方で、各試合終了のたびに、日本サッカー協会の公式youtubeチャンネルで公開されている「Team Cam」という動画を拝見し、こちらはまた違った感動が沸き起こりました。


 この動画は、試合前に選手たちがどのような雰囲気でいるのか、ハーフタイムはどんな雰囲気なのか、試合後一段落したあとの雰囲気はどうか、など、舞台裏的なところを見られるのが魅力的です。各試合後の雰囲気を見るとわかるのですが、選手の皆さんは驚くほどポジティブ(に見えている)し、常に「自分たちは勝てるしそのための準備はちゃんとしてきた」と言っています。チームの雰囲気が本当に良くないとこういう発言はできないと思うし、決して多くない準備期間の中で信頼関係を気づいているのが本当にプロだな、と感動しました。世間では「まさかドイツに勝つなんて!」という驚きの目で見られたと思いますし、私自身、正直勝てないだろうと思っていました。しかし、この動画を見ていると、当事者たちは「勝つべくして勝っている」という感じを受けます。私はサッカーの戦術には詳しくありませんが、ちゃんと勝てる勝算をもって試合に望んでいるというか、勢いだけではない事前準備の入念さ(プロなので当然なのかもしれないけれど)、その姿勢に感動(尊敬?)しました。加えて、驚くべきは、このメンタルがドイツに勝ってもコスタリカに負けてもスペインに勝っても、基本的には一定に保たれている(ように見える)ことです。もちろんメンタル的なことは目には見えないのでなんとも言えないのですが、少なくとも振る舞いはおなじに見える、勝っても負けても、グループリーグ突破の可能性がある限りは全力で向かおうという姿勢が垣間見え、感動しました。こちらを「噛みしめる感動」と定義します。
 

感動ってなんなんだ

 ワールドカップで感動した、というのはそうです。頑張っている人の姿を見て勇気をもらった、諦めない姿勢に刺激を受けた、だから私も私なりの挑戦や日々の(地味とも言える)生活をより大切にしようと思った、こうした正の循環が生まれるのは素晴らしいことです。一方で、私はちょっとひねくれているので、以下のようなポイントも考えて、モヤモヤしました
・代表から外されたメンバー、試合に出場しなかったメンバーは本心では複雑な気持ちなのではないか。
・そもそも、プロとしてサッカーをしている人たちが、その仕事で食っていくために努力し試合をしているというのは、当たり前のことなのでは?
・w杯は見るけど、だからといってJリーグは見ないし、「4年に1度」という期間的なものが感動を生んでいるだけなのでは。仮に毎月w杯が開催されていたら、おそらく感動しないよね。
・w杯でどれぐらいのお金が動いたのだろう、アベマはきっとめちゃくちゃ儲かったんだろうな

しかし、上記のことを考えたとして、日本代表がもたらしてくれた「突発的感動」と「かみしめる感動」が変わるわけではありません。実際に涙を流したわけですし、心に来るものがあったのは事実です。ただ、うまく表現はできないんですけど、彼ら(日本代表選手及び関係スタッフ)の人生のストーリーの一部である「w杯」という目に見える舞台(それは、youtubeのteamcam動画を含めて)のみを見て、「感動した!」と言っていいのかよくわからなくなっています。なんというか、一方的に、エンタメ的に感動をもらっている側なわけで、それってやっぱり自分が行動した感動とは違うよな、とか。。なので、批判するつもりは全くないのですが、サポーターの方の気持ちは正直良くわからないんですね。「応援を力に」とは言いますが、それは、具体的にはお金での「応援」ということになるのだとしたら、それはビジネスになっているわけで。だからといってその「応援」に意味がないと言っているのでなく、「純粋な応援とか感動とか、そういうものってなんなんだろう」と考えさせられた、ということです。あまりまとまっていないので、ここらへんはより深く考える必要があるのかな、と思っています。

                               以上


補足①「羨ましい」という感情(これが青春?)

 日本代表選手の「一つの目標に全員が向かっている状態」ってめちゃくちゃ青春で良いな、と思いました。青春の定義は以下です。

夢や希望に満ち活力のみなぎる若い時代を、人生の春にたとえたもの。青年時代。「青春を謳歌おうかする」「青春時代」

コトバンク:https://kotobank.jp/word/%E9%9D%92%E6%98%A5-85953

一方で、ちょっと調べると以下記事が出てきました。松下幸之助の座右の銘だそうです。

青春とは心の若さである。
信念と希望にあふれ、勇気にみちて
日に新たな活動を続けるかぎり、
青春は永遠にその人のものである

https://konosuke-matsushita.com/column/cat64/leader48.php

 日本代表の姿は、後者で定義する「青春」にあたるかと思いました。勝ったら感情を爆発させて喜び、みんなで歌う。負けたらしっかり泣いて、次に向かう。いずれにせよ、なんだかとてもうらやましいなぁと思ってしまいました。私も、後者の意味での青春であれば年齢は関係なさそうなので、できるだけ、そのような経験をしていきたいなぁと心の底から思いました。

補足②諸行無常(田中碧選手のインタビュー)

 スペイン戦終了後のTeamcam動画21:27で、スペイン戦でゴールを決めた田中碧選手のインタビューが挟まれています。以下はその引用です。

うれしいんですよ。うれしいけれど うれしいのって一瞬で終わっちゃうじゃないですか。悔しいのは長いのに。それがちょっと寂しいです。今日一日しか喜べないので。明日になったら過去になってまた違う試合が来ちゃうわけじゃないですか。サッカーに限らずスポーツの良さでもあり儚いところでもありますよね。
この一瞬のためにやっているので、報われたと言ったら変ですけど。神様がご褒美をくれたのかなと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=G5XuGhH4wYU

なんだか、感動と言うか、諸行無常な感じがすごく伝わってきます。改めて、(当然ですが)すごい世界で戦っていたんだなぁと思いました。



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