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志望動機を「作る」ことへの違和感

就活が(名目上)解禁されましたね。
僕も就活生の一人として、企業との出会いにワクワクする一方、説明会やESのラッシュが訪れ、日々一年後の未来のために戦っています。

さて、多忙なこの時期ですが、みなさんはエントリーする企業をどのように選んでいるでしょうか。
今回はその中でも「志望動機」がテーマです。
就活生かつ継続中の身の意見なのであくまでも参考までにといったところですが、「志望動機が書けない!」と悩む方に、何かしら響くものがあれば幸いです。

ちなみにもし現段階23卒かつ就活始めたばかりの方が読もうとしてくれているなら、一度自分なりにESを書いて(なんなら一度「お祈り」を頂いて)から読んでみてください。自分で一度考えること、悩むこと、うまくいかない経験をすることも大事だと思うので、ぜひ。

1,志望動機は必要か

「就職は結婚と似ている」

就活初期、僕は知り合いの方に、あるいは某就職サイトの「就活セミナー」でこう伺ったことがあります。

なるほど確かにいろいろ共通点があるでしょう。
就職も恋愛もご縁。デートを重ねて相手をよく知ろうとする過程は企業研究。相手に好きになってもらうための自分の見せ方は面接。
ここまではOKです。

では、肝心の「好き」を伝えた後に、「じゃあなんで好きなの?」と聞かれたら。例えば告白で、

「あなたの好きなところは3つあります。1つめは…」

なんて言われても。ねえ。

こんな背景からか、「志望動機って何で聞くの?」という議論もあるようです。そうでなくても就活生の志望動機って似通ってますしね。差別化しにくい。

ただ、個人的には、結婚と就活が「似ている」であって「一緒」でないのはそこかなと思います。というのは前提条件の違いから来ているかなと推測します。

企業研究や面接対策は「こんな人がいいなあ」という「求める人物像」に対し準備しますが、それをするのはあくまで就活生で、企業側は研究している就活生の様子を知らない。恋愛ならストーカーに間違われるほど「IR」や「沿革」まで調べている様子も知らない。いわば「一目惚れの片思い」状態に似ているかもしれません。小説とか漫画の世界で言うなら、「いつも同じ電車に乗る方に一目惚れした…振り向いてほしい…」みたいな状態でしょうか。でもそんなこと突然言われても言われた側は「お、おう…」ですよね。

そんな時に「なんで私のこと気になったの?」と聞くのも当然。しかも人気企業になればなるほど「学年のマドンナ級」的立ち位置なので「私=企業への熱意が強い人」「私の好みにあった人」と結婚したいのも当然。だって候補が多く「選べる」立場なのだから。

だからこそ、志望動機を聞くこと自体には個人的には納得しています。
周りが似通っているからこそ、強い思いがあればその企業への「熱意」が伝わるだろうから(よく志望動機を作るときって「自分の原体験と一致すると説得力が増す」とか聞きますよね)。
まあ現実世界で「あなたは日常○○していて将来○○したいと聞いたから…」なんて伝えたら逆に引くくらいですが。笑。


2,志望動機は「作る」もの?

で、本題です。「志望動機=好きな理由」が「書けない!」と言って、頑張って「作って」いる友人も多いのですが、僕はここに違和感を憶えます。
だってこれ、上の例で言えば、「好きでもない人を好きになるための理由を模索している」状態なわけで。例えるなら玉の輿にでも乗ろうとしている状態が適当かもしれません。

一概には言えませんが、その状態でもし結婚できたとしてもお互いに不幸になる気もします。それが就活生の質問の定番「入社後ギャップ」と言えるのかもしれません。だって「頑張って」好きになろうとしているのだから。

あくまでも一個人の意見ですが、好きになるのって「頑張る」ものではないように思います。

もちろん「年収がいいから」「知名度があるから」「福利厚生がいいから」「定時で帰れるから」「安定しているから」その企業を選んでいる人もいるでしょう。これを直接企業に伝えるのって「彼女/彼氏として自慢したいから」「スタイルいいから」「家事やってくれそうだから」みたいなことを相手に伝えることと同義だし、幻滅されても仕方がないと思います。だから直接書けないために志望動機が見つからない、というのは一見一理あるようにも思われます。

でもそれ以外で本当に「志望動機がない」のでしょうか。

現実世界でも「可愛いから」「格好いいから」だけで選ぶでしょうか。きっと他の面も要素として何かしら入ってるでしょう。

行きたいけど志望動機が書けない!伝わらない!という方。
全員が全員とは言いませんが、その会社には縁がないかもしれない、と一度一歩引いて考える時間を設けてもいいかもしれません

僕自身、インターン選考やベンチャーの本選考で「志望動機」を無理やりこじつけたこともあったのですが、仮にESが通っても面接で思いを伝えられず、不合格となることが多かったように思います。でも志望動機が明確になっていれば、自然と表情に出るし熱意も伝わるはず。

逆に「志望動機多すぎて文字数オーバーしてしまう!」という方。わかります。おそらくその企業は向いているのではないでしょうか。僕もこの場合、面接で気持ちよく熱意持って話せ、次につながることが多いです。

多忙な日々でなかなか時間が取れない方も多いと思いますが、そもそもなぜ興味を持ったのか?事業としてピンとくるものはあるか?を探求する時間は無駄ではないはず。転職できる時代とはいえ、ファーストキャリアですからね。大事にしてもいいのではないかと思います。

3,見える世界を広げること

それでも志望動機を書けない、やりたいことが見つからない、という方。
「大手」「知名度高い」だけを見ていないでしょうか。

学歴や経験が豊富な方の一部には。「有名/知名度が高い企業でないと恥」と考える方もいるようです。だからこそ、「就職偏差値」なるものもまだ存在しているのでしょう。でも「高偏差値の会社に入る=幸せ」の方程式は「成り立つ人もいれば、成り立たない人もいる」。要は価値観や仕事観が合えば幸せでしょうが、無理してその価値観に沿う必要はない、というのが僕の考えです。

程度はあれ親の期待を感じている方もいるでしょう。僕もその一人です。
やりたいことと期待に応えること、バランスが難しいですよね。ずっと葛藤しています。やりたいこと⋀制度面ならいいけどなかなかそういう企業は見つからない。

ですが、いろいろな方に相談しているうちに、

結局自分の人生は自分のものだから、
迷ったら自分の「軸」を基に
最終的には第六感で選んでもいいのでは?

というアドバイスが最も腑に落ちています。一部の「跡継ぎ」のような方以外は自分に決定権があるはずですし、一度しかない人生ちょっとでも幸せに生きたいじゃないですか。悩みに悩んだ最後には言語化できなくても直観的に感じる部分を大事にしてもいいと思います。

その選択肢は、もしかしたら今見えている世界の外にある「地域の中小企業」「ベンチャー企業」かもしれません。食わず嫌いをせず、ちょっとでもビビッと来たら説明会に参加してみるのもおすすめです。こうしたことを僕は「知るカフェ交流会」や「ミギウデスカウト型求人イベント」から学びました。

4,とはいえ僕も就活中でして

内定が決まった先輩方のように「こういう人はこうしたらいいよ!」みたいなアドバイスはできません。責任持てません。ひょっとしたら後から見返して「あの時の僕何言ってんだ」となるかもしれません。だからあんまり生意気にいうことはできないし、なんならこんなこと言っておきながらも、志望動機をスラスラ書くことができた企業もお祈りされることも一度や二度ではありません。

が、「志望動機と企業のマッチ度は必要十分条件ではないが必要条件である」という今の僕の視点は、少なくとも今は大事にしたいですし、おそらく焦って余裕がない状態だと考えられないのではないかと。現に夏の段階では考えられませんでした。だからこそ、「志望動機が書けない!どうしよう!」と「余裕がなくなって」悩んでいる人がもしいるなら、今考えていることが少しでも緊張を解すきっかけとなり、共感を得られれば幸いです。

今回は長くなってしまいましたがこの辺で。


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