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大学生主催の「大学生」×「地域」ツアーに参加して考えたこと①

「大学生」の肩書ものこり1か月。

就職というものが近づいてくるにつれ、自由な時間のありがたさを身にしみて感じている。そんななか、3泊4日という時間をかけて「はじめまして」に出会う旅に参加することにした。結果、自分のやりたいことの整理が進み、また同じような考えを持つ仲間との出会いに恵まれ、来てよかったと心から思えた4日間だった。

が、「参加して終わり」だと、次の学びに繋がらないように思う。
また、僕と同じ時期参加者の感想から、「確かにそうなんだけど…」なんとなくもややもやもやとした感情を憶えるところもあった。

自分自身もそうした関わり方の提供を今後行っていきたい思いもあり、備忘録として、今回の旅の記録を書いてみる。

1,

僕は「地域活性化」の枠に捉われない、「地域」×「出身以外の大学生」の関わり方、接点づくりに関心がある。

自分自身の経験から、「地域」「地方」に学生が行くことで、学生にとって大きな学び、視野の広がりにつながることは実感として持っている。僕自身もいわゆる「地域」に救われ、居場所を感じ取り、頼れる存在となったからだ。

しかしながら、地域側の受け入れに対する負担、学生へのアプローチの方法、そして金銭的な負担との両立の観点から、一概に「地域」に学生が訪問することをよしとしないのではないかという考え方を拭いきれなかった。
特に最近は、その傾向が強かった。

また、自分がそうした機会を提供するにしても、「しごと」を組み込む形式のイメージしか自分にはなく、大学生が地域滞在自体を楽しむことができ、地域に溶け込めるような、また行きたいと思えるような、そんな工夫を凝らしたプログラム設計を行う術も持ち合わせていなかった。

今回のプログラムでは、現地で「働く」ということが組み込まれていなかった。これは僕の参加してきたプログラムとは別のものだった。

それは「何もしなくてよい」―ある程度はスケジュールが定められているとはいえ、参加してもしなくてもよい―お互いを尊重し合える空間だった。地域と関わる学生やそれを応援する大人たちの存在も耳に挟んでおり、そんな出会いも楽しみに参加した。

2,

期待とほんの少しの不安を抱えながら飛び込んだ初日。高速バスが大幅に遅延し、乗り継ぎ時間も3分という滑り込みの発車だったが、なんとか到着。関東圏の乗り継ぎ時間は余裕を持たねばと反省し、一面の雪景色になんだか懐かしさを憶えつつ、高速バスから降り立った。同じ期間に参加する他の大学生は3人。うち1人とは同じバスだったため、彼と一緒にお迎えいただいた車に乗り込んだ。

4日間という短い間ではあったが、プログラムでは多様な方と関わることができた。地域の高校生や地域在住の大学生、酒造の杜氏さんや地域に愛される三笠焼屋さん、さらには新卒で移住した図書館司書の方や公共施設運営者、伝統ある和菓子屋さんの社長から好きなことを仕事にするアパレルショップの方など、ジャンルも経歴も年齢もバラバラな多様な方と関わることができた。時間の都合上一人一人とゆっくりじっくり向き合うことは難しかったが、お話の中にあるエッセンスを分割し、自分のやりたいこと、考え方のセルフブラッシュアップを行うことができた。

その中でも特に関心を強く持ったのは、「高校生をひいきする」カフェの取り組みだ。

普段「カフェ」といえば、コーヒーを頼めば500-600円ほど必要になり、高校生の時分で何度も利用することは難しい。さほど裕福ではない大学生の僕でも毎回となると躊躇してしまう額だ。しかし、この施設では、学生は「注文しなくてもよい」仕組みになっている。まして、高校生であればカフェメニューも半額で提供されるのだ。勉強してもいいし、スタッフの大学生に相談してもいい。やりたいことがあれば何でも言えば協力してくれるし、ただいるだけでもいい。そんな場所は、少なくとも自分の地元にはない。最初の一歩は難しいかもしれないが、あれば確実に利用したくなる施設のひとつだろう。

今回のプログラムでは、高校生に「地域」への興味を持ってもらうきっかけとして、地域の魅力発見のワークショップに参加させていただく機会があった、こうした「自分の地域を知ろう」系のイベントは、多くの地域では小中学校時代に行われているように思う。しかし、それはともすれば一方的な押し付けの概念になり、自発的な学びへと繋がらない場合もある。

しかしながら、今回のプログラムでは「地域のお菓子」を軸に、お店の方のインタビューを通して地域の魅力を知っていくものだった。お菓子という要素、長年親しまれるお店、一度は目にしたことのあるものという条件から、高校生のまちに興味を持つ第一歩としてとても興味深いものだった。

こうした企画が行われる場所に興味を持ち、プログラム後には図らずも延泊をしたり、ただぼうっと滞在してみたりと、自発的に「観察」してみた。短い間だったため全貌は見えず、もちろんその裏側も完全には理解できていないが、定期的に地域に通ってみたくなる、そんな拠点の一つになりそうだ。

(②へ続く)

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