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「友だち」の変遷

「散歩しない?」君を誘えたその日から、君と僕とは友だちと成る―

即興で詠んだ歌ではあるが、着想は先日の対話会でのひとことだ。
よく知るメンバで話す定例の対話会、今月のテーマはずばり「友だち」。
その過程でぽろっと出たのが「散歩に誘える=友だちでは?」との考え方だった。
発言した本人はあまり印象に残っていないようだったけど、僕にとっては「なるほど!」と思えた1つの解。
他にもいろいろ話した内容はあったのだが、僕にとっての今回の収穫はその気づきだった。

ただ、考えてみると、「友だち」の定義については、大人になるにつれて徐々に変わってきた気がする。

「友だちになるのに理由なんていらない。気づいたときになっているものだ。『自分に得があるから』友だちになる?そんなんじゃないだろ!」
高校時代に読んだ英語長文が突如頭をよぎったが、そんなことはわかっている。わかっているけれど、何か法則性がありそうなのだ。

それこそ小学生、中学生くらいまでは、一緒に遊んでいるクラスメイトや同級生が友だちだった。それこそ価値観も趣味もバラバラで、「楽しい」だけが共通点だった。
(クラス全員友だち!なんて考えはなかったが、、)
対話会で別の方からは、「なんとなく一人でいるのが嫌で、惰性で群れていた」というコメントもあったが、まだまだ未成熟の段階、「能動的に友達を選ぶ」フェーズではなかったのかもしれない。

ただ、高校、大学と過程を踏むにつれて、「友だち」は徐々に自分と価値観や目標が似た人、共通点が多い人となっていく。
それこそ部活は苦楽をともにし、ひたすら走り能力を高めていく、という点で方向性も似ておりイメージしやすい。それは例えばお互いに尊敬しあえるような関係性だったように思う。
クラスの友だちとはもちろん仲はよかったのだが、クラスの外でかかわるのは自然と部活の友人が多かった。同じ受験という目標に向かっている、といえばそれまでだが、部活の友人とはより長い時間を過ごしていたからか、一層気持ちも強かったのかもしれない。
今でも高校時代の部活の友人とは会っているが、クラスの友人で会っているのは数名だけだ。

さて、社会人のいま、友だちを作るのがことごとく難しくなったと思う。
対話会のメンバも仲はよいのだが、「友だち」ではない気がする。
どちらかというと、「仲間」のほうが近いように思う。友だちを通り越して仲間だ。深い面まで話せてしまう。友だちどこいった。笑

また、社会人同士の交流会やネットワーキングにも参加したことがあるが、僕はまだまだ、あの雰囲気がことごとく苦手だったりする。
それはひとつは利害関係があるからかもしれないし、ひとつは怪しさがあるからかもしれない。
実際、過去1年と少しで、若干怪しさのあるコミュニティに足を突っ込みかけたこともある。
本能的に拒絶反応してしまったため、もしかしたら何もない健全な組織だったのかもしれないが、「君子危うきに近よらず」虎穴に入らなくても別の穴を探す余地がまだまだあるとは思っている。

楽しさもあり、苦楽をともにし、尊敬できる「友だち」はどこにいるのだろうか。
ひょっとすると今もまた、友だちのフェーズが変わりつつあるのかもしれない。

例えば「まちあるき」。その関連のイベントに参加した際には、同世代と純粋に仲良くなれる気もしている。
それが冒頭の「散歩」で納得した理由だ。

歩く中で見聞きしたこと、自然に会話できる少人数の雰囲気。それぞれの着眼点が異なる面白さ。刺激あり、尊敬でき、(歩くという?)苦楽を共にしている?からだろうが、まだ何かあるような気がしてならない。

これと似たような事例で「読書会」も自然と仲良くなりやすい。最近では本を通した婚活イベントなどもあるらしいので、その効果はある程度理解を得られるものだと思っている。

と、ここまで「新規」の友だちについて冗長に考えてきたが、ここ数日、別のパターンの考え方もあるように思えてきた。
例えば過去の友だち、それも一度知り合ったがしばらく疎遠で、何かのきっかけがあって再び仲良くなるような、いわば「休眠」「掘り起こし」のような友だちもあり得るのではないか。

例えば昨日こんなことがあった。
昨日会った友人(仮にAとする)が、聞けば僕の古い友人(仮にBとする)と現在、付き合っているというのだ。
AとBに直接の接点はなく、たまたまマッチングアプリで出会ったらしい。
で、Facebookで友だちになった際、「共通の友達」に僕が含まれていたために発覚した事象だ。
ただ、僕はAとは直近も親しくしているが、Bとは5年ほど前に数度かかわっただけで、いまは全く連絡をとれていない。
部活のようにかかわる期間が長ければ思い出話に花も咲くだろうが、数度話しただけの友人(いや、そもそも友人と呼べるのか?)と再び友だちになれるのだろうか。

近々会うことにAとBと3人で会う予定だ。
それが少し楽しみでもあり、少し不安でもあったりする。

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