※この記事は、モモジャンの動画を見つけたアイドル評論家のモブが書いたnote記事という体裁をとった、プロジェクトセカイの二次創作です。文中の固有名詞はほぼなかつが作ったもので、展開される話も、それっぽく見えるかしらんと私が考えたもので、妥当性はありません
※この記事を書いたモブは、モモジャンが動画公開するに至った経緯を知らないという前提です（つまりアイドル関係者ではない、こじらせファン的なもの）
※でも考えるの、とても楽しかったです

以下の記事を書いたアイドル評論を執筆しているplaceboさん（幻覚）のTwitterプロフィール（※1）↓

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みなさんはMORE MORE JUMPというユニットを知っているだろうか。「もう知ってるよ！」という方、さすがです。まだ見ていないという方、ぜひyoutubeで検索して下さい。
と、偉そうなことを言ったが、僕も彼女たちを知ったのはつい昨日のことである。
（恥ずかしい話だが、僕はこの動画を「発掘」できなかった。たまたま、「あなたにおすすめ」の欄に出てきて、何となくクリックした、くらいのものである。アイドルを語る人間として、アイドル関係の情報をそれなりの頻度で検索しているつもりだが、それでも僕がこの動画を知ったのは偶然でしかなかった。）

おそらくアイドルというものに足を取られたことのある人間であれば、この動画の、いや、この動画に映る女の子たちの取り合わせに、驚愕せざるを得ないだろう。

桐谷遥、桃井愛莉、日野森雫（に加えて、花里みのり）。

アイドル業界で燦然と輝き、そして去って行った三人が、揃って画面のなかに収まっているのである。

所属グループも事務所も違った（愛莉と雫は研究生時代に同期だったという共通点はある）三人が、どのような経緯で活動することになったか不明だが、少なくともこの三人の復活は、一アイドルファンとして心から祝福すべき事柄である。

※追記　Twitterで、この三人には宮益坂女子学園という共通点があるのでは？　というコメントをいただきました。たしかに、遥も宮益坂女子学園の生徒であるという噂が、ASRUN解散直後に流れていましたね。その可能性は高いと思います。（そうであるとすると、みのりという子も宮益坂女子学園の生徒でしょうか）

この組み合わせだけでもnote記事が書けるほどであるが、彼女たちが特異なのは、youtubeという媒体を選び、恐らく自分たちで動画を撮った（最後の方に手ぶれが見られる）という事実だ。

池袋46によってアイドルが「再発見」されてから、アイドルは以下の二つの流れに分かれた。（詳細は自著「宮益坂46はブッダである」に記しているのでここでは省く）

①宮益坂46を主流とし、地下アイドル、そしてVtuberへと派生する「逢いに行けるアイドル」「身近なアイドル」としての方向性

②SmellやAdult Bluesといった、パフォーマンス・音楽性を突き詰めていった「概念としてのアイドル」としての方向性

このMORE MORE JUMPというユニットの方向性としては、①に近いのだろう。しかし、それだけではないと僕は思う。恐らく、彼女たちはバックにプロデューサー（ないしはそれに近い業界の人間）を持っていないだろう。プロデュースする人間がいれば、アイドルファンに引っ掛かるように情報が整備されるはずだからだ。しかし、上記であげた動画は、僕も検索では見つけられなかったように、ひっそりとアップされていた。アイドル業界とは関係のない場所で。

実際、この動画についてTwitterで一番はじめに言及している人間を探したところ、アイドルファンではなかった。

MORE MORE JUMPの動画について最初にURLつきで言及しているツイート。過去のツイートを見るに、Vtuberの番組視聴を趣味とするアカウントのようだ（※2）

（余談だが、MORE MORE JUMP の動画を（おそらく）はじめに発見した人間が、Vtuber好きというのは、なかなか示唆的である。おそらく、MORE MORE JUMP のライバルとなっていくのは、アイドルたち本人ではなく、Vtuberだろうから。Vtuberについては、アイドル界隈でも賛否両論であるが、このように動画をメインとして活動をはじめたアイドルが出てきた以上、きちんと目を向けていかなければならないジャンルなのだと思う。）

だけれど彼女たちはアイドルである。会いに行けるわけでもない、ライブで人々を圧倒するわけでもない。しかし、アイドルなのである。
プロデュースされることなく、外部から作り上げられた概念に押し込まれることなく、自分たちはアイドルであると決めて、アイドルとして活動するアイドルである。
言ってしまえば、自然発生したアイドルだ。

これは、ある意味でプロデュース慣れしてきた僕たちアイドルファンにとって、喜ばしい事態であるとともに、ある意味で危うい事態だと言える。

喜ばしいのは、アイドルというジャンルがさらなる広がりを見せるということ。余談としてすでに言及したが、Vtuberというジャンルにアイドルがいかに対応していくのか、という点において、この展開はとても心強い。

一方で危ういのは、彼女たちをどこまで「アイドル」として扱って良いのか、という点だ。僕達はテレビのなかで、ステージのなかで、アイドルをアイドルとして扱ってきた。しかし、少なくともこの動画のなかの彼女たちは、日常と地続きの存在に見える。ほぼ素の姿と言ってもいいだろう。地下アイドルを巡るうえでも彼女たち（アイドルたち）の存在自体を消費することは度々問題になってきたが、僕らファンとアイドル本人の距離感の線引きが難しい。アイドル側だけでなく、ファンである僕達も彼女たちとの距離を模索しながら進むことになるだろう。
（また余談になってしまうが、ASRUNの解散以後、姿をまったく見せなかった遥が、youtubeという画面のなかでならば姿を見せるというのが、何とも言えない気持ちになるなあ。21世紀の身体って感じだ。）

と、色々記してきたが、最終的に僕の結論は「MORE MORE JUMPの今後が楽しみだよね」というものである。身も蓋もない結論なのだが、僕はこの動画を見て、久々に心から「これからどんなことをしてくれるのだろう！」と胸躍るアイドルに出会えたと思った。
彼女たちの在り方は、新しいアイドルの在り方だと思う。どうかヘンに大人の意見など取り入れず、ありのままのアイドル像を目指して、頑張ってほしい。

placebo

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【なかつの補足】

※1　坂間つてん＝サカマツテン　は　テンマツカサ　のアナグラムです。なかつの推しは天馬司です。

※2　実際はなかつの二次創作アカウントです。過去ツイート云々はこの記事内のみの話です。