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詩│青い小舟

月の御池に葉っぱが落ちた

おもて、うら、うら、うら、おもて

湖畔に浮かぶ

ひとつ、ふたつの葉っぱが浮かぶ

月も浮かんで揺れました

花占いはもうしてないの

薄暑に木陰を探す

新緑から深い緑に

おもてもうらもただ青く

あの山という山を

あの河という河を

渡ってきた鳥の群れ

梢にとまった

青い小舟を浮かばせて

おもて、うら、うら、うら、おもて

好きか嫌いか 嫌い 嫌い 好き

積乱雲を眺めては真昼の汗を風にさらして

光と緑の水槽を泳いできた

あなたにあうため熱風を切り裂いて

夕刻のチャイムは
夕日からの融合の合図だ

どうかこの手を取って

あなたと踊ろうくるくると

ひらりと落ちよう

ただ青く

白月揺れるあの場所に

スーッと足を冷やしたら

月を撫でる柳を抜けて

青い小舟に乗っていく

月の御池に葉っぱが落ちた

おもて、うら、うら、うら、おもて

好きか嫌いか 嫌い、嫌い、好き

青い青い ただあおい

凛と小舟を浮かばせて

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