くじらの瞳

自分の為に綴ったノート、投稿することで風の通り道作りたいです。 ゆっくりと置かせて下さ…

くじらの瞳

自分の為に綴ったノート、投稿することで風の通り道作りたいです。 ゆっくりと置かせて下さい。皆さんの記事を読むと世界が広がり楽しみの一つです。

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  • 母恵夢 ポエム

    自由詩を集めました。 愛媛のお菓子ではないのですが、 ご賞味いただけたら嬉しいです。

  • 短歌俳句詰め合わせ

    現代短歌・俳句・川柳をまとめました

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夕焼け色の心映

悲しみを帯びたビロード貼りの夕焼けは 風と共に塩の焦げた匂いを運んでくる 白い能面の凍りついた緊張 万華鏡の様に変わる感情 その裏側 嘆きをはらんだ怒りの前で心を砕かれる 悪夢 あなたという夕焼け色のあたたかなイメージ 風に乗って香り立つ 悪夢も夕焼け色に染まりつつ 深い海に溶けて沈む 遠い海の向こうでは血気盛んな者達が 夕日の海を渡って行く 映る心 映る心 映る波に夕日も揺れて ある空 夕焼けの空 嗚呼雲はなんてのろまに動く のらりくらりゆっくりと 夕焼け色に染まって

    • 詩│シャボン玉の恋を

      何故言えない 自分の拙さ 砂利道歩き 口唇を噛む ラジオから 甘ーいラブソング 真顔で聞いて せんべいの音が 響く夜 心を砕いて恋すればだれもかも 辛いこともあるよね  知ってる なのに この恋心捕らわれ 手放せなくなる それも辛い 心を踊らせてよ私の手を取って 水平線の見える海辺で さざ波の音だけで心を踊らせて 心の言葉はシャボン玉 シャボン玉とばそう シャボン玉とばそう わたしの恋心 シャボン玉みたい あなたの素敵な歌声に 魅せられて返したいけど 私

      • 七色の雨

        春の雨 燦々と七色に光る 春の雨 サラサラと公園の 滑り台を滑り落ちる 瞬き 消え失せ また流れ 光りの流れを纏わせて 雨にうたれても傘をささなかった あの頃を 思い出す なんどもやり直せるような そんな雨に燦々とうたれて 焦りや悲しみ、自意識さえも 流れて七色に光れ 風に広げる 真っ白な シャツを晴れた日に干し上げたら 春の雨 濡れたまま自転車をこいで 春の夢うつつ 自分事も他人事のように 揺れながら風を切る 目覚めに備えて 真っ直ぐに真

        • 詩│空色の目

          空色の目は模様を変える そこにいる誰かを映して 空色の目でみる水たまりに映る自分 石を投げて散らす 花びらが落ちてゆれる 雨が落ちて波打つ輪 空色の目は模様を変える そこにいる誰かを映して 空色の目は模様を変えるのに そこにいるあなたは消えてくれない 曇天にも晴天にも嵐にも こたえてくれるのは山びこか 歌しかしらないかのようなあなた わたしを何処へと聴いても にゃーと泣く猫さすらいの 空色の瞳、掴みようがないにゃ 空色の瞳の中を泳ぐ 海月にな

        • 固定された記事

        夕焼け色の心映

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          詩│白い春の満月

          白い春の満月は とても 美しく咲いていた ただただ 美しかった 霧雨に光る街灯 虫の声とともに霧が昇っていく夜 輪郭が滲んで朧気に浮かぶ 白い春の満月は たくさんの溜め息をほほ笑みにかえ あたらしい詩を唄うあなたのように 美しかった わたしはあなたの新しいほほ笑みに 魅せられて 洗われた 月光が春の雨のようにそっと優しかった

          詩│白い春の満月

          水の音│短歌・俳句

          【短歌三首・俳句八句】 テクノのリズムが雨の春夜に響きしワイパーとウィンカー道標点滅 たゆたゆと川の流れにわれも乗り たどり着きたいきみのほほ笑み 春の闇 霧霞あい色のまま傘ささずぼんやり立つ灯り 気がつけばフキの傘葉と春の雨 縁側を綺麗に拭いて緑の風 根っからタンポポ綿毛の風来坊 チャポチャポと水の音あるく吾も水 温雨にめだか波紋の輪の中に 隅々まで陽に青葉夢明けゆく 桜散り藤そよぐヒレ恋のぼり 穀雨降りカラタチの花白ホタル

          水の音│短歌・俳句

          詩│白猫の矢

          早朝 東の空 紺色の雲間 明けに照らされた光は 扉が開かれ放たれた白猫 わたしの目に真っ直ぐに飛び込んでくる 雨樋からの雫の音と小鳥の囀りが混ざり 西の林には濡れ青葉が深呼吸をして輝きを増す よくわからないけれど あなたに出会ってから わたしは多分同じ射型(しゃけい)をずっと変えていない どんな時も  どんな空模様でも あなたのハートの真を射抜こうとする型だ 風が強くて夕陽が雲に隠れたり出たりしている 川の流れもはやい 橋の下の巣のもとへ吸い込まれてい

          詩│白猫の矢

          詩│ファの道

          入学式の練習をしている吹奏楽部 窓の開いた校舎からよく響くファーの音 曇天によく響く あなたの歌声を聞いて少し涙が出たのは 嘘ではなく本当で、、 時雨れてきたのも嘘ではなく本当で、、 傘をさしました それからわたしはファーの音を聞きながら 少し傘が宙に浮かんでいく気持ちになりながら 足でズンズンと歩いていけたのでした そういえば ファーはファイトのファだったでしょう そういえば あなたの歌にはいつもファの音がするなと 気が付いたのです だから曇天

          詩│ファの道

          青葉│短歌・俳句

          【短歌六首・俳句四句】 楓(ふう)の実達に雨染みて 存在際立ちマックロクロスケ 低山に登りし 幼心を納め山頂にて新しく生まれたい お茶しましょうと春草萌にスズメ達、タンポポ達のはしゃぐ声 森で出逢いし乳白香 ロシアンオリーブの花はきみのかほり イチョウの梢 艶若葉の手を繋ぎ小さな恋の物語 望むのは多種多様 誰もが開ける扉を持つ世界で生きたい 散ってなお蜘蛛糸に架かる虹桜 陽水に輝きながら藻の香り 春風と楓の杖と遍路道 青空に瞳が青葉星の舟

          青葉│短歌・俳句

          詩│新しい季節の風

          二人だけの教室で 対話を重ねる 織物の質感 ちらかった愛 傷だらけの心 傷つけてしまったた心 綺麗にまとめあげる ことは出来ない あるがまま 新学期  心まで切り替わった 君の印象に 少し動揺 そんな印象さえも 春風の仕業のような 君の爽やかさ 未熟な心を奮い起こす 上手く伝わらないな 上手くいかないな けどそれくらいのほうが 君と自分を良く知る事が 出来ていいかな 癒えない川に全て流れて 水路の水にアマガエル 小鳥のさえずり 陽光に増し光る風 ひび割れた田んぼに

          詩│新しい季節の風

          【詩】光る糸

          空を見る 青く映る 雲へ乗る 夕焼けに滲む 瞳を閉じても 一番星のようにきみがひかる 花弁が舞う ひとひら ふたひら 蝶々をみるとあなたを思い出す 言葉を取りこぼさないように 風を掬うように舞う 花弁の間を危うい飛行でくぐり抜ける その向こうには いつも空がある 曇天の雲間から降りてきた 微かな光の糸に頭を持ち上げられた 花びらが散る 手のひらに掬う 葉桜の足元にはツツジが華やいで 明るくラッパを鳴らしている 花時計が動きだす緑の広場を歩

          【詩】光る糸

          うららかな日さくら時雨風車(かざぐるま)│詩

          全身が恋音符のようにニ匹の蝶々が 花びらと舞っていた 今日はうららかな それはそれは うららかな日でした 外でお弁当を食べました 道行く人、みんな笑顔で、 ベビーカーの赤ちゃんも笑っています 小さな女の子が舞う花びらをみて 「パパ、ママ、みて ひらひらだよ  ひらひらだ」とスカートと 手をひらひらさせていました (そよ風に蝶々の声がひらひらと) あなたにもきっと笑っていてほしいなと ふと思った、それはそれはうららかな日でした 芝山に沢山落ちた花び

          うららかな日さくら時雨風車(かざぐるま)│詩

          詩│花びらの階段

          今日の川辺の階段はね 桜の花びらが沢山散っていて なんだかね、 そこに座っているだけで きみがふわりと笑っているような気がした 花びらの階段 そこに座っているだけで きみの潤んだ真っ赤な目を見た気がしたんだ 花びらの階段 そこに座っているだけで きみの優しさに触れた気持になるんだ 花びらの階段 そこに座っているだけで きみの痛みに触れた気持になるんだ 柔らかな花びらの風を吸って 散りゆく時をうたった 手のひらの花びらは すぐに飛び去ってしまう

          詩│花びらの階段

          詩│心脈

          仕事帰りによく行く川辺の階段に座った 風がつよく、雨雲が運ばれ 青い晴れ間が見えてきた 西に目をやると 夕日が金色 川面に光りの花束ができている 水脈にそって輝花が散りながれていく わたしの動脈から静脈にも 心脈にそってゆっくりと流れていく 東の海から西の海へ 海の向こうにはきみの街と繋がっている ふと思い出す昔住んでいた小さな町の 黄金色の田畑から 少し離れた森の中にあった川泉のほとり、 ずっといたくなるほどの神秘的な空間だった でも哀しいこと

          春宵(しゅんしょう)詩

          溜め息の花が雨と一緒に散っていた かあるく吐いたの ただそれだけよ 溜め息の花 あなたの胸をしめつけた だから吐いたの ただそれだけよ 溜め息の花 かあるく吐いて 沢山咲いた 煙る霧雨に浮かんで ゆっくりと暮れていく春宵に 沢山咲いた もう、何もいうことはなかった  だから吐いて散ったの 薄闇に ただそれだけよ 薄紅色達にありがうと そういって咲きたかった溜め息の花 夜に優しく溶け込みながら さくらはもう散っていく だから伝えたいの 眠りに落

          春宵(しゅんしょう)詩

          ラの唄│俳句・川柳

          足音無く雨音響く野道ゆく 雨が這う泥土の田から底力 波打ち際泡となれば夏雲へ ユキヤナギ雨粒抱いて散る姿 どんぐりの帽子に溜まった水はどこ あめあがり雨粒写す丸眼鏡 草露映る空と清きあの人 クモの巣が雨粒編んで宝石か 大樹こぼれる雫は点眼福 雨木肌濃く美しき年輪の 朝顔の閉じた花びらインク染み 濡れ落ち葉腐りてかえる肥えた土 手洗いニット産毛の香に深呼吸 白い頬染まる血潮はさくらいろ 虫の声殺生なことはおゆるしを 兄の恋みたこともないさくら咲く

          ラの唄│俳句・川柳