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七色の雨

春の雨 燦々と七色に光る

春の雨 サラサラと公園の

滑り台を滑り落ちる

瞬き 消え失せ また流れ

光りの流れを纏わせて

雨にうたれても傘をささなかった
あの頃を

思い出す

なんどもやり直せるような

そんな雨に燦々とうたれて

焦りや悲しみ、自意識さえも

流れて七色に光れ

風に広げる 真っ白な

シャツを晴れた日に干し上げたら

春の雨

濡れたまま自転車をこいで

春の夢うつつ 自分事も他人事のように

揺れながら風を切る

目覚めに備えて

真っ直ぐに真っ直ぐに

あの人が待つ場所に流れつく

春の雨嵐

かき消して

かたまったペンを

破れた紙に突き刺して

華丸を何個も書いたら

一直線を引いて

どこかに叫べ

どこかに運べ

どんな風な思いも
あなたがいたから

でも

最後には結局
自分から産まれるものなんだって
可笑しくなって

わからなくなって

笑えるような季節まで

桜が咲いた瞬間から

目の前を風と共に

流れていくよ

流れる雲を切り取った
水溜まりの空に

はなびらが

二枚、

舞い落ちたんだ

そこから

一雨ごとに

嵐が過ぎて

褐色の田畑を青く光らせて

夏の匂いが運ばれてくる

さあ、
真っ直ぐな青葉のデッキブラシでさ

新しい道を

雨の中磨きあげよう

そうしてさ

プール開きの前の水面に青空が揺れて

七色に光るプールにさ

内緒だよ

二人 

駆け足で風に乗って

ふわっと

シャツのまま飛び込もう

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