狩猟採集民における近接性と生理的ストレスレベルとの関係。ハドザ族

ホルモンと行動
第147巻 2023年1月 105294号
狩猟採集民における近接性と生理的ストレスレベルとの関係。ハドザ族
著者リンク オーバーレイパネルを開くPiotrFedurekabJ. ColetteBerbesquea1
https://doi.org/10.1016/j.yhbeh.2022.105294
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ハイライト

ハドザ族の男性では、キャンプ内での他のキャンプ参加者との距離の近さがストレスの低減に関係しているが、女性では関係していない

キャンプ外での他のキャンプメンバーとの接近は、Hadzaの男女においてより高いストレスと関連する。

キャンプ外での友人との接近は、ハッザ族の男女においてストレスの低下と関連する。

要旨
近年、社会的関係が人間のウェルビーイングの様々な側面とどのように関連しているかということについて、多くの文献が発表されている。しかし、最近まで、社会的関係がウェルビーイングに及ぼす影響を調査する研究のほとんどは、社会的接触の報告に対して社会的ネットワーク測定を適用していた。近年の生物学的研究におけるバイオロガーの応用の進歩により、自己申告ではなく、対面での社会的交流に基づく社会的関係の定量化が可能になった。我々は、GPSで取得したキャンプ内とキャンプ外の近接データを用いて、ハドザ族狩猟採集民における対面での近接が毛髪コルチゾール濃度(HCC)とどのように関連しているかを分析した。他のキャンプメンバーと近接して過ごす時間は、特に女性において、より高いHCCと関連していた。一方、親友とキャンプ外で近接している時間が長い人は、HCCが低いことがわかった。本研究は、集団生活に関連する生理的コストは、親しい友人との対面的な交流によって軽減される可能性を示唆している。また、ハッザ族では、他者と近接する場所(キャンプ内とキャンプ外)と自己認識する友人がHCCと関連していることがわかった。

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キーワード
コルチゾールフレンドシップ平等主義社会モデル社会的統合ストレス社会性
データの利用可能性
Hadzaの健康データの匿名性を守るため、Rパッケージsynthpop(Nowok et al., 2016)を用いたシミュレーションデータセットをRコードとともにFigshareで提供しています(DOI. 10.6084/m9.figshare.21399702).


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