成人における胸腺摘出の健康への影響


成人における胸腺摘出の健康への影響

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2302892

著者一覧
カメロン・A・クーシェシュ医学博士、ブロディ・H. Foy, D.Phil., David B. Sykes, M.D., Ph.D., Karin Gustafsson, Ph.D., et al.
2023年8月3日
N Engl J Med 2023; 389:406-417
DOI: 10.1056/NEJMoa2302892
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要旨
背景
ヒト成人における胸腺の機能は不明であり、さまざまな外科手術において日常的に胸腺の摘出が行われている。我々は、成人の胸腺は免疫能力と全身の健康を維持するために必要であるという仮説を立てた。

方法
胸腺摘出を受けた成人患者における死亡、がん、自己免疫疾患のリスクを、胸腺摘出を受けずに同様の心臓胸部手術を受けた人口統計学的にマッチした対照群と比較して評価した。T細胞産生および血漿中サイトカインレベルも患者のサブグループで比較した。

結果
除外の結果、胸腺摘出術を受けた患者1420人と対照6021人が研究に組み入れられた;胸腺摘出術を受けた患者のうち1146人はマッチした対照を有しており、主要コホートに組み入れられた。術後5年では、全死亡率は胸腺摘出群で対照群より高く(8.1% vs 2.8%;相対リスク2.9;95%信頼区間[CI]、1.7~4.8)、がんのリスクも高かった(7.4% vs 3.7%;相対リスク2.0;95%CI、1.3~3.2)。自己免疫疾患のリスクは、主要コホート全体では群間で大きな差はなかったが(相対リスク、1.1;95%CI、0.8~1.4)、術前に感染症、がん、自己免疫疾患を有する患者を解析から除外すると差が認められた(12.3%対7.9%;相対リスク、1.5;95%CI、1.02~2.2)。5年以上追跡した全患者を含む解析(マッチさせた対照の有無にかかわらず)では、全死因死亡率は胸腺摘出群で一般米国集団より高く(9.0% vs 5.2%)、がんによる死亡率も高かった(2.3% vs 1.5%)。T細胞産生および血漿中サイトカインレベルが測定された患者のサブグループ(胸腺摘出群22人、対照群19人、平均追跡期間14. 術後2年)、胸腺摘出術を受けた患者では、CD4+およびCD8+リンパ球の新規産生が対照群よりも少なく(CD4+シグナル接合T細胞受容体切除円(sjTREC)数の平均、DNA1マイクログラムあたり1451対526[P=0.009];CD8+sjTREC数の平均、DNA1マイクログラムあたり1466対447[P<0.001])、血中の炎症性サイトカインレベルが高かった。

結論
この研究では、全死因死亡率およびがんのリスクは、胸腺摘出を受けた患者では対照群よりも高かった。また、術前に感染症、がん、自己免疫疾患のあった患者を解析から除外すると、胸腺摘出術は自己免疫疾患のリスク増加とも関連しているようであった。(Tracey and Craig A. Huff Harvard Stem Cell Institute Research Support Fund他より助成を受けた。)

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