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LFJ2023記


LFJが帰ってきたので、4年ぶりに行きました。結局3日間東京国際フォーラムに住み着いてしまったので、その日記です。

Day1

この日は行く予定ではなかったが、時間が出来たので急遽有楽町に向かった。なぜなら東京にいるのにラフォルジュルネに行かないなんて、嘘だから。

この景色がすでに嬉しい

当日券の残っている公演をその場で買うやつをやりたかったので、わざわざチケットセンターに赴いて残っている公演を探した。ここでウェブサイトを見ないあたりがかなり拗らせている。これが楽しいので....。
一番見たかった渋さ知らズオーケストラの公演が残っていたので買った。

公演は夜最後の時間帯なので、それまでOTTAVAのブースに行くことにした。

OTTAVAブースでは生演奏もあり、最高

指揮者の方2名がゲストに招かれ、プレゼンターお二人の演奏も聴けた。LFJの日本主催であるKAJIMOTOの代表たる梶本社長も急遽登壇し、お話を聞いて普通に泣いていた。
というかOTTAVAのブースに人が集まっている景色だけでもう全然涙ぐんでいた。これが見たかったので......。高校生の頃に初めて東京のLFJに行った時OTTAVAを知ったので、とにかくLFJのOTTAVAへの愛着がすごい。

キッチンカーで夕食を食べて、夜のコンサートに行った。これがやりたかった。ありがとう。

渋さ知らズオーケストラは毎年LFJに出演しているが、毎回やりたい放題やっているので面白い。
今回もベートーヴェンをモチーフにしてはいたがやりたい放題だった。途中で歩く月と狂ったように踊る人が出てきて(こう説明するしかない)、月に憑かれたピエロすぎてシェーンベルク?と思っていた。意図はわからない。面白いから良い。


Day2

チケットの半券を持っていれば参加できる講演会の中に、宮澤賢治に関するものがあったので、それを目当てに行った。が、普通に夜の公演も一つ買ってしまった。

昼過ぎに到着して真っ先にOTTAVAブースに行った。この3日間OTTAVAブースがほぼ家になっていた。なぜなら今日のプレゼンターは斎藤茂さんだからです。斎藤さんの声、めちゃくちゃ落ち着くので良いんですよね......。高校生の頃よくお便りを送ったりしていた。またLFJの感想も送りたい。
レガーロ東京の皆さんの合唱が聴けた。トルコ行進曲のアレンジが楽しかった。
その後の公録で、227のお二人の演奏も聴いた。これがとても楽しくて、その楽しさと周りの楽しそうな雰囲気にちょっと泣いていた(泣きすぎ)。モーツァルトとベートーヴェンのトルコ行進曲を混ぜるやつ、みんな好きだよね。私も好きです。

その後講演会に行った。

ありがたすぎるテーマ

このホールも以前はコンサートとして使われていたのかもしれないが、今年はコンサートの数も減っているので講演会になっていた。でも私はこういう楽理系や音楽史系の人の話を聞く場所がめちゃくちゃ好きなので嬉しかった。来年もやってほしい。
ベートーヴェンと宮澤賢治というテーマのお話で、かなり面白かった。あの写真がベートーヴェンのオマージュだとは知らなかった。
たぶんLFJに来ていてこの講演会にいる人で宮澤賢治のファン側の人はかなり少ないので、小岩井牧場を読んだことのある人と尋ねられてほぼ自分だけが手を挙げていた。春と修羅の詩、おすすめです。
しっかりレジュメも用意されており、当時のレコードの音源もたくさん聞かせてもらえて良かった。

夜はヨアキム・ホースレイ・クインテットの演奏を聴いた。ハバナ・キューバ・カリブ風にクラシックをアレンジしていて、これこそLFJという感じだった。
アンコールで山の魔王の宮殿にてが始まった瞬間客席がめちゃくちゃ沸いていて良かった。私はクラシックのメロディに大湧きする客席が見たくてLFJに来ているところがある。

Day3

まず、昼にテンペストとワルトシュタインのコンサートに行った。ここでようやくアレンジなしのベートーヴェンの演奏を聴くことになる。でもこれが一番楽しいから。

その後キオスクステージに行くとオルケスタ・ナッジ・ナッジの皆さんが出演されていた。
ワークショップ参加者と一緒に演奏されていて、なんでもありの雰囲気がかなり楽しかった。LFJの無料ステージはこういう懐の広さが好きなんですよね。出演者も観客も同じ場所に立って音楽を楽しんでいる感じが良い空間だった。

OTTAVAのブースに行き、再び公録を見た。
この回は途中から上野樹里さんがゲストで出演されることもあり、大賑わいだった。自分が完全にのだめ世代(のだめによってクラシックに深く関わるようになった人々)なのですごい状況だった。

夕方に皇帝のコンサートに行った。皇帝、小学生くらいの時にコンサートで聞いて結構好きになったことがあって、それ以来なんとなく親しみがある。ホールAはやっぱり大きすぎて面白い。

終わって即キオスクステージに行き、クラシカルDJの水野さんのステージを見た。これが見たかった。

DJブースのライティング

第九の時、客席のコーラスをごく自然に2パートに分けてくるところが良かった。下パートを歌えて楽しかったです。
ウエストサイドストーリーのマンボとヒナステラのエスタンシアで大盛り上がりする空間って一番楽しいから......。4年前に見た時も大盛り上がりだったので、また行けてよかった。

最後に一番小さなホールの最終公演を見た。ピアノ2台で即興対決をするというコンサートで、絶対面白いだろうと確信を持っていったら本当に一番面白かった。
裏ではホールA最終公演の第九をやっていて、こちらがフィナーレであることはわかっていたが、それでもこのコンサートを選んで良かった。ちょっと面白すぎたから.....。

運命のモチーフを用いて互いに〇〇風のお題を出し合う

お二人の対決感も面白いし、それぞれの演奏につっこみながら聴くのも面白いし、何より運命をモチーフにしてあらゆる作曲家風に即興するというのが面白すぎる。
オマージュ先が全部わかると本当に楽しい。ラヴェル風でちゃんとラヴェルの和声が見えた時かなり嬉しかったし、洋上の小舟が出てきて笑ったのも良かった。なぜなら「いや、洋上の小舟じゃん!」という笑いを共有できる客席ってどう考えてもここにしかないからです。
一番大きなフィナーレを選ばずにこちらに来たという客席の雰囲気も相まって、かなり面白い空間でした。LFJにはこういうコンサートがあるから面白い.......。

東京国際フォーラムが一番輝く日

本当に見たいもの全部見た。自分自身はベートーヴェンに対してそれほど強い思い入れはないが、それはそれとして一人の作曲家の曲だけをここまで演奏し続ける空間というのは、それ自体に少し狂気すら感じられて良かった。
全ての人がもうこの世にはいない一人の人間の作った音楽を聴き、彼に思いを馳せているという現象は美しい。クラシックに触れる人々のそういう一途な想いに触れるのが好きだから、LFJという空間にはいつまでもいられてしまう。
想いの強い人も、それほど知らない人も、一緒になって祭りとして昇華しているLFJの景色が好きです。
結局半分くらいOTTAVAブースにいた気がする。LFJのコンセプトと同じように、OTTAVAの権威主義的ではないクラシックの聴き方を提案するというコンセプトがやっぱりとても肌に合うと感じる。応援しています.......。

最終公演前にはほとんど撤収されていた
OTTAVAの鞄で国際フォーラムを徘徊する地縛霊となった



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