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上海旅行




友人のいる上海に旅行した記録。

コロナ前は15日以内ならビザなし入国できた中国。
現在はビザが必要だったが、領事館の予約が満杯でビザ取れず。
そこで他に入国する方法を調べ見つけたのが、144時間トランジットビザ免除。今回はその制度を使ってどうやって入国したか記録する。


トランジットビザ免除の条件

・免除対象となる53ヵ国の有効なパスポートまたは他の国際旅行証明書

・144時間以内の期日と座席が確定した第三国(または地区、中国台湾・香港・マカオ地区を含む)への乗り継ぎ便の航空券

・記入済みの外国人出入境カード


事前準備

・チケット手配

・健康申告

・臨時宿泊登記

・トランジットビザ免除手続き?


まずチケットの手配。144時間トランジットビザ免除のためには第三国に行く必要あり。候補としては、香港、台湾、韓国。チケット代は香港高め、台北≒韓国の順で安かった。美容皮膚科や美容品買い物目的で韓国選択。


健康申告 https://htdecl.chinaport.gov.cn

中国入国のための健康申告は24時間しか有効じゃないので、出発当日の午前に終わらせた。バーコードとQRコード画面をスクショしておく。


臨時宿泊登記 

これが最大の難関だった。ホテル宿泊ならホテルが手続きを代行してくれるが、私は上海の友人宅に滞在予定で、自分でする必要があった。宿泊開始から24時間以内にやる。オンラインでできるはずが、最後の確定ボタン押すと、「申告不成立。最寄りの交番へ行け」と英語で出た。結局到着してから友人にオンラインでやってもらうことに。

そしてそれも思いの外大変だった。(内容は後述)


トランジットビザ免除の手続き

上海ではオンラインでできる?との情報あったけど、いまいちやり方分からず。諦めて空港ですることに。





出発


福岡空港からのエアラインは春秋航空。2時間半前に着いたが待ちの列長め。3時間前に来るべきだった

。観察するとカウンターには日本人スタッフはいない。カウンターで「144時間のトランジットビザ免除で福岡→上海→ソウルに行く予定」と日本語で伝えると第三国へのeチケットまたは旅程表を要求された。パスポート、eチケットを提出。カウンターの係員はトランジットビザ免除の手続きは分かっているようで、パスポートとeチケットの写真を撮っていた。

チェックインは無事終了。


中国入国(上海浦東国際空港)

指紋登録 

到着すると入国審査場へ降りるエスカレータの手前に外国人用の指紋登録の端末がずらりと並んでいた。誰も登録する人はいなかったが、必要と聞いていたのでやる。レシートが印刷されるはずが出てこず。2回やってもだめだったので近くにいる係員に説明。英語通じなかったがジェスチャーで「いいからそのまま進め」と言っている感じ。入国審査場へ。

健康診査申告 QRコードを読み込ませる端末が並ぶ。やっていない人が多いようでみんな手前で申告用のQRコードを読み取ってその場でやっていた。


入国審査 

大きな大きな入国審査場。右が中国人用。真ん中は外国人用。頭上の指示板を見ると左のほうに「24/144 時間トランジットビザ免除」。「24」というのは、トランジットには最低24時間以上次の便まで空いていないといけないので、その24なんだろう。そのレーンにたどり着くまでに入国カードが所々置かれている。機内での配布は無かった。念のため書いておいたが、結論を言うと必要なかった。

一番左奥のトランジットビザ免除のレーンに到着。すぐ右の柱のところにトランジットビザ免除用の入国カードがあった。基本情報のほか、入国したときの便名、出国日、出国するときの便名、出国する空港、電話番号(購入していた香港SIMカードは電話番号ついていなかったので友人の番号を書いた)、メールアドレス、中国国内の滞在先(滞在先が個人宅なのでその場所の住所、友人の電話番号)、滞在目的などを記入。日本語様式は無く、中国語と英語併記の入国カードだった。ほぼ全て英語で書いた。住所に関しては区まではローマ字表記を調べていたが、それ以降の住所はローマ字表記分からなかったのでそこだけ漢字で書いた。記入が終わって並ぶ。

私の前に並んでいるのは6人ほどの外国人。外国人カップル、日本人カップル、男性2人に私。私の前の男性2人はそれぞれ外国人用レーンから連れてこられていた。カップルは2人一緒に手続き。中国語を話せなくて英語ならなんとかなる私にとって、窓口の女性はネイティブレベルの英語を話していたので安心した。

ちなみに日本人カップルに関しては、見た目と服が日本人だったのと、手続きの最後の方に機械で指紋を読み取らせる場面で、案内が日本語で流れたから日本人と分かった。

一組の手続きは4,5分で終わる感じ。ゲートを通るときにもう一人の男性係員にパスポートとeチケットを預かられて、さらに3分ほど待つ。入力が終わったら返されて解放される流れのようだった。

途中並んでいる人たちのカードをチェックしにきた係員に中国語で話しかけられる。「中国語分からない」と英語で言うと英語で「中国人ですか?だって漢字を書いている」と言われた(住所の一部を漢字で書いていた)ので「あぁ、いや日本人ですよ」と答えた。ちゃんと書けていたのかそれ以上何も聞かれず。

前の2人の男性が知り合いではないけど話し出す。一人はアメリカから来て上海のあとはインドに行くよ、と言っている。私は東アジアを小回りするだけだが、当然そういう人もいるよなぁと、ぼやっと思った。しかし海外の人はこうやって知らない人とすぐ話すよなぁ。その後もベラベラ話していたけれど、手続きの流れや自分の入国カードが大丈夫か気になって聞き取れず。自分が無事入国できるか少しソワソワしていた。

自分の後ろに新たに外国人男性が連れてこられる。入国カードを記入していたけど、併記されている英語が小さすぎて読み取れないらしく、助けを求められたので記入事項を説明してあげた。確かにかなり文字が小さいので、老眼の人は気をつけて。

自分の番の直前に係員が男性に代わった。女性ほどではないが英語は聞き取れた。パスポート、eチケット、入国カードを渡した。手続き中あまり話しかけられず、拍子抜け。気がかりなことが2つあったが(後述)、何も言われず。指紋は両手取る人と左手の4本だけの人がいた。自分も左手の4本だけ。事前に端末で登録していたからだろうか。


ちなみに、気がかりだったこと

その①座席指定

座席指定はオンラインでしたけど、eチケットに書かれていないこと。

144時間トランジットビザ免除の要件として、「第三国に渡航する航空券」があるが、サイトによってはそこに「座席まで確定していること」とある。この入国方法を調べているときに、いくつかの英文のサイトにも書かれていたのを見た。それを分かっていたのに、私は安さを追求するあまり、航空会社ではなく、格安の旅行会社を通して航空券を買っていた。旅行会社を通すこと、それは座席指定などが少し面倒になるということ。実際、座席指定をするために航空会社のホームページにアクセスしてみたとき、何度も何度も入力して、エラーを起こしてやっと座席指定できた。そしてやっとこれで座席指定できたと思い、旅行会社からしか出してくれないeチケットを改めて表示してみたら、座席の表示がどこにもない。すぐに航空会社に電話したら、旅行会社の方に言えと言われ、旅行会社に電話してみたら、確かに指定できているがeチケットには記載されない、と言われる。ここまでで、なんと出発の日の朝になっていた(準備遅すぎ)。結局、旅行会社の電話先の方から、座席指定が確定していると分かるメール(英文)をもらい、それをプリントアウトしてeチケットと一緒に持っていった。

けれども、上海浦東国際空港の入国審査ではeチケットしか見られず。座席のことは一言も言われなかった。メールの方の紙もすぐさま出せるような姿勢で構えていたんだか。まぁいいか。(審査官が予約状況をオンラインで確認して、そこで座席も確認できたのかもしれません。やはり事前に座席指定しておくのが良いと思います。)


その②滞在先が友人宅

友人宅に滞在する予定で、住所や電話番号も把握している。ホテル滞在がマストではないことは分かっていても、いろいろ質問されるかもなぁ、と覚悟していた。結果、何も聞かれず。これも取り越し苦労。なんならちょっとくらい聞いてほしかった…臨時宿泊登記のことも触れられず。


入国審査はここまで。最後ゲートを通されて、パスポートが返されるのを待つ間に、やっと心に余裕ができて、場内を見渡す。自分の真上の天井に、監視カメラが設置されているのが目に入った。驚いたのはその数。30センチ間隔で入国審査場の端から端まで一直線にズラーッと並んでいる。こんなにたくさんの監視カメラを見たのは初めてだった。改めて、中国に外国人として入ることに緊張した。


そんなこんなでパスポートは無事返却され、荷物を受け取りに行く。時間がだいぶ経ってしまってレーンに残っていたのは私の荷物だけだった。そこまでが着陸してから1時間10分くらい。中国人、ビザ有り外国人よりもかなり遅くなった。そのあとの時間に余裕を持っておくことが大切。

その後は上海浦東国際空港の巨大な駐車場へ。友達が車を手配してくれていた。その車を見つけるのにまた苦労したけど、なんとか見つけて乗り込む。とりあえず、無事入国できた。もうそれだけで満点だった。


やり残していた臨時宿泊登記

宿泊登記は友人(日本企業の駐在員)に聞いても、ホテルに泊まったことしかないので、自分でやったことはないらしく。もうやんなくていいんじゃ…と思ったけど、友人は「やるべき」の一点張り。私のスマホで上手くできなかったので、彼女が自分のスマホでトライしてくれる。よく考えたら、入国審査で彼女の住所書いちゃってるし、何かあったら迷惑かかっちゃうかも。罰金も高いし。そうだね、ちゃんとしよう。

しかし、彼女のスマホでもうまくいかない。私がやってみたときの、最後「申請不成立。最寄りの警察署へ行け。」という表示が何度も出るのだ。

なんだこれは。なんでだ!

でもやはり罰金や彼女に迷惑を掛けるのが怖い。観光の合間に警察署に行くことにした。

そしてここでも苦労することになる。観光の途中で見つけた警察署は14人待ちの状態。1時間以上並んだ。トイレを我慢したり、充電も切れそうになったりしながら。やっと自分たちの番になって友人が中国語で説明する。すると返ってきたことば。「この申請はその住所の管轄の署に行かないとだめ。ここではできない。 」おいおい…まじかい。

できもしない申請のために私たちは1時間以上待っていたのか。なんともったいない時間!かなりショックを受けた。

行くべきなのはこの派出所だよ。と係員が教えてくれる。その派出所は調べてみると土日開いていない。今日は土曜日。万事休す。

友人とともにしばし凹む。どうしようか。もうバレたら罰金払う覚悟を決めようか。

諦める私。諦めない友人。彼女はオンライン申請をもう一度始めた。そして奇跡が起きた。「できたー!!!」

なんと、何度も挑戦しているうちに申請が完了したのだ。臨時宿泊登記ができたのだ!いったいなぜ?あれだけやってもできなかったのに!友人が神様に見える。心残りだったことが一瞬で無くなった。私はこれでなんの規則もやぶっていない状態で滞在できる。もう後ろめたいことは何も無い。このときの安心感たるや。入国審査よりも謎が多かった臨時宿泊登記を乗り越えた。本当にうれしい。

なぜ友人は成功したのか、それは驚く理由だった。「ネット回線のVPNを外す。」それだけだった。本当にそれだけ。

これに関しては、改めて日本人旅行者が臨時宿泊登記をオンライン申請するハードルの高さを認識した。

自分の浅いネットに関する知識が痛いが、今回のことは次のように解釈している。


中国の臨時宿泊登記をオンラインで申請するには、

中国でVPNを介さない、つまりグレットファイアーウォール(中国のネット検閲システム)を通る回線を使わないといけない。


これは旅行者にとってハードル、というか壁が高すぎる(うぉーるだけに)。

自分が持っていたvpnがついたsimでやる方法はあったのだろうか。

いろいろ知識がないと難しすぎる。でもまぁ、冷静に考えてみると公安関係の申請だから、まぁ検閲できないVPNじゃだめだよなぁ。

というわけで、かなり大変だった申請。もはや素直に最寄りの派出所に行くのがいい気がする。

ついでに私たちがもし派出所に行っていたとしても、宿泊者と宿泊させる者の身分証の他にも必要書類がいくつかあるようで、私たちが持っていたのは2人のパスポートと、賃貸契約書のPDFだけ。これでうまくいっていたかは分からない。

いろいろ大変だし、ホテル滞在が安心だろう。

とにかくギリギリ間に合って良かった。ありがとう、友人。


出国時

上海浦東国際空港から仁川国際空港へ飛ぶ日が来た。

友人は仕事のため一人で空港へ。カウンターに並ぶ。

上海滞在の4日間、地下鉄で驚いたことがあった。改札の前に荷物検査があるのだ。大きな荷物はX線の機械へ、小さな荷物は中身が見えるように口を開いて係員へ見せる。これをやっているのは公安警察。毎回毎回、どの駅でもだ。中国は警官の数が多い。少し大きな通りには必ず立っている。大きな交差点にも。そして歩いている公安もたくさん出会う。レンタサイクルで走れない道路にも必ず立っていて、入ろうとする人には注意する。

言葉が分からない分、目立つことはしないよう、規則は破らないよう、ひっそりとしていたが、もし何かしてしまって言葉が分かる友人と一緒にいなかったら…恐ろしい。

そんなこんなで上海浦東国際空港の入口にも公安がいて、荷物検査を当然のごとくしている。

ここでは全てX線に通した。何も言われなかったが、建物から出るともう一度検査することになるため、面倒そうだった。

お土産を買い足して、スーツケースに詰め、カウンターへ。今回は中国南方航空。人はそんなに多くない。

並んでいる間目にしたのが、健康申告のQRコード。そうだ、出国するときにも必要だった。自分の番までに終わらせる。

カウンターでは、パスポートとeチケットを見せた。パスポートのページを繰りながら、ビザ免除のシールを見つけようとする女性係員。見つけられないようなのでパスポートを受け取って、シールのページを見せて返した。あとは、どこに行きますか?と言われて(英語)、インチョン、と答えたくらいだろうか。やり取りはほとんどなく、無事に終わった。カウンターを離れるとき、'window seat' と言われた気がする。私が予約していた席が搭乗券にもきちんと記されていた。よかった。

手荷物検査場の手前で、健康申告のQRコードを機械にかざす。手荷物検査、出国審査も困ることは何もなく。

とりあえず、中国の話はここまで。
トランジットビザ免除という、あまり知られていない制度での入国だったが、しっかり準備をしていれば問題なく入国できたし、制度の抜け目を狙ったものではなくマイナーなものの正当な入国方法なので、もし考えている人の役に立てたらうれしい。





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