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町田くんの世界

『町田くんの世界』ミュージカル

幕が上がるというよりか、生活音の中ゆるやかに町田くんの世界へと誘われる。

なぜか最初から心をつかまれて泣きそうになってしまった、
生きてるってすばらしいが体現されている感じがした。

くるくると回る舞台装置、演者さんたちが押して回っていて、家や教室、屋上、カフェなんにでもなる。空間にイスを置いたら電車内にもなるし、たこ焼き屋さんにもなるし、みんなが乗って丸いハンドルを持ってアナウンスがあればバスにもなる。

ジャケットの有無やマフラーのみの衣装変更で季節が巡り、ずっと同じ場所を見ているはずなのに場面が変わってゆく。

面白いなぁと思ったのが演者が一度もはけないこと。舞台上に生ピアノ、生バイオリン、そして演者の声。シーンの挿入歌のように歌い始めるのがとても素敵だった。

心にぽっかりと暖かく降り注ぐ一番好きなのが、雨のシーン。

傘の中に投影された幼き日の記憶。

「私、雨が好きなの。」と話し始めた君を見る今。

どちらも雨で演者が雨音で全てを包む。
この世界の優しさが溢れ出して雨粒が落ちてきているように。


町田くんの世界に触れたら、
幸せをしあわせだと感じられる気がした。

『やさしさ』ってあったかくて心に溶ける。

上手く言語化できないけど、町田くんの言動が心に刺さって、ぽろぽろと泣いてた舞台だった。



今回、町田くん役を演じた川崎皇輝さん。
小さい頃から数々の舞台をこなし、今は少年忍者のリーダーでまとめ役、ちょっと抜けてる。
普段の優しさが町田くん役にも滲み出ててすごく素敵だった。


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