挑戦できないのは、成功の可能性を残しておきたいから。
東南アジアにある、とある街に来ている。
この街がすきで、訪れるのはこの2年で3回目だ。
渡航日当日、15時の飛行機だったから、当日朝起きてから、ゆっくりと準備を始めた。
が、なぜか準備の手がとまる。
大好きな場所なのに、なんとなく行きたくない。気がすすまない。
なんかやだ。こわい。気持ち悪い。
そんな、はっきりとは掴めない、負の感情が身体中を巡った。
だれかと行くなら、迷惑もかけられないし、行くしかないと、割り切るのだけれど、1人だから、「行かない」という選択肢がちらつく。
航空券のお金は無駄になるくらいだ、なんて思って。
なんでだ、なんでだ。
行くって決めたから飛行機とったんじゃん!
あなたが行きたいから行くって決めたんでしょ!どうしたの!
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観光なら1日で済んでしまうような、そんな小さな街に、また訪れるのは、わたしはただ観光したいのではなくて、挑戦したいことがあったからだ。
夢破れたくないから。妄想の中に居続けたいから。
やらない限りその夢に浸れる。
妄想できる。
「もしやってみればきっとうまくいくはずだ」っていう保険を自分の心の中に置いておいて、現実逃避の材料にできる。
挑戦しなければ、やったらできる自分を守れる。
前日に宿を予約し、メールで空港からの送迎を頼んでいた。
直前すぎて返事はこないかなと思っていたら、当日に来てしまい、待ってるんだから、これはいくしかない、と準備を再開した。
自分でないものをきっかけに、行かないと、と動き出す。
やるときめたからやるってことができない自分が情けない。
行動するってなんでこんなに難しいんだろう。
自分がかわいくてかわいくて仕方がなくて、傷つきたくなくて、守りたくなってしまう。
挑戦できないのは、失敗が怖いからじゃない。成功を夢見ていたいから。
自分の可能性を残しておきたいからなんだ。
失敗したら、別の方法を取ろうと思うかもしれないし、諦めて別のことを目指せるかもしれない。
さっさと失敗してしまったほうが次の行動を取りやすくなるから、さっさとやったほうがいいのはわかっている。
それでもこわいんだ。
失敗して他人から馬鹿にされるのがこわいとか、そんなんじゃない。
わたしは自分の可能性を捨てられない。
捨てたくないんだ。
自分がなにもできないっていう現実を直視したくないんだ。
どこまでもかっこ悪すぎる、自分。
「もしなにもできなくても、バカンスだと思って楽しめばいいんだから」と、また心に保険をかけて、街に降り立った。
最後まで読んでいただきありがとうございます。 また見にきてくれると嬉しいです!