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令和の時代に電脳コイルを一気見した話②

こんにちは。間髪入れずに(?)二本目を書く。
正確には一本目を書いてから二本目を書くまでの間に祭りでわちゃわちゃするというムーブが入っています。

いや~~~~~~~このくそ熱いなかでも外での飲食はわりとよかったぞ。

さてさて、引き続き電脳コイルの登場人物にフォーカスした感想を書いていこうと思います。前回は以下。今回もネタバレがあります。

はてさて2本目で終わるのかな。どうも3本ぐらいに分かれそうな気がする。(未定)

デンパについて

彼は彼で、ダイチくんとは違った意味で非常に小学生男子っぽくてよかった。生き物好きの男の子はいいぞ。無条件で好感を持つぞ。

とはいえ、筆者は生き物好きの中でもとりわけマッドな愛し方をするタイプなので共感とまではいかなかった。彼の回といえば13話ですが、圧倒的にフミエチャンの解像度が上がった一方で私は彼のような少年に寄り添えない大人になっちまったなあ……という悲しみが大きかったです。言わんとすることは過去に自己紹介(https://editor.note.com/notes/n3636df839b8f/edit/)の「ヒト以外」のところにだいたい書いてる。
わたしも「感情移入するだけ損よ」と無意識に思っているので、動物の尊厳については意図的に見ないふりをしている節がある。

作中でもヒトの都合によって生まれたイリーガルのような生命(と呼んでいいのかわからないな?電脳コイルはとりわけ生命の定義について考えさせられる良作だった)を、ヒトの都合によって駆逐していく(正確には古い空間を消すことで生存領域を狭めていく)ような様が描かれていますが、ヒトの発展の営みは自然の中に生きるほかの生き物を支配する要素が強いと筆者は思っています。結果それは他の生物を絶滅に追い込むといったような、自然の摂理に反した(ヒトの行いも自然の摂理の中で発展してきた結果な気もするが)行いで環境に負荷をかける側面がどうしてもある。

筆者個人の経験の話で恐縮ですが、畜産はとくに人為的に動物の身体に負荷をかける行いという性質が大きいので、ただ動物好きだからという理由で手を出していい領域じゃなかったような気がしています。畜産を学んだことで、筆者はどこか「ヒト以外の命の尊厳を守る」営みに対して諦観的になってしまった節がある。
ましてやデンパ君のように「生命と呼べるかどうかすらわからないナニカに寄り添おうとする生き方」にある種の虚しさを感じるのは、そういう自分のあまり好きじゃない側面が見えてくるのでちょっと苦しい、というのもある。

とはいえデンパ君のような人間には、願わくば大人になってなお、動物の尊厳から目を背けないでいてほしい。わたしはそこから逃げ出したので何とも言えないが。

ガチャギリについて

デンパくんのとこで重い話をしすぎたので極度に軽くいこうと思う。メカクレ男子は性癖です。以上。

……さすがにひどいな。

補足をするなら、金にがめつい性格は「とことん現実的」「利己的」「自身の利益に敏感な性質」という現代社会を生き抜くのにものすご~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~く役に立つ(そして私に足りない)視点なのでチョー推せる。そしてわりかし彼は余裕を乱される描写が多く、そのさまがとてもかわいいのでチョー推せる。ガチャギリかわいいよガチャギリ。

いうてあくまでメインキャラからは一線を引いている立ち位置だからか、そこまで掘り下げる要素はないのである。悲しいね。

ナメッチについて

正直だいたい横にいるガチャギリの印象が強すぎてあんまり印象に残ってないけどダイチくん率いる黒客の一員なので書かざるを得ない。

彼はあんまり主体性がないし、容姿もモブ顔と言ってしまうと申し訳ないが、そんなにとがってないので特に印象に残りづらいですね。そういうキャラデザなんだろうな。
ただ状況に応じて簡単に手のひら返しをしたり、周りの流れに流されたりするさまはいかにも大衆っぽくて、それはそれで共感する。

……よくよく見てたガチャギリですらそんなに掘り下げることなかったんだから、そりゃ書くことねえよ。

アキラについて

有能~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!しかし詰めがあまいあたり「4年生」ってのが絶妙ですね。

14話でものすごく好感を持ちました。姉のいる弟という人種にそんなに馴染みはないのですが、弟のいる姉についてはわりかし周囲にいるので、弟側ってこういう視点が少なからずあるのかなあ……と興味深く拝見した。わたしにも姉はいるけど、妹だからな。姉の横暴に苦労した覚えもないし、虐げられる弟の気持ちはわかんねーや。

あと姉以外の周りにいる女性に鼻の穴ふくらましながら(そんな描写あったかどうかはっきりしないが声色はそんな感じだった)「あこがれてしまいます」って言うの、わかりやすく「おとこのこってこうだよね」って思わされる男の子像なのでニヤニヤした。あこがれる女性が多いので彼は性癖が広いいい変態になるぞ、と思った。エロは世界を発展させる良質な原動力です。
というか良質な方向に生かせる社会であってくれ。押し殺したからってかならずしもいい方向に進むわけではないと私は思っているぞ。がんばれ少年。でも盗撮は犯罪だからほどほどにしてくれ。

あとなんだかんだストーリー上重要な伏線要員なのでそれも見ていてたのしかった。

京子について

髭面が世界一似合う幼女じゃないだろうか。(12話参照)

わたしは結局のところ妹側なので長女の気持ちはわからないけれど、ヤサコはやっぱりペースを乱されるんだろうな~、とハラハラする場面が多かったです。正直京子ちゃんは素直にかわいいねえ……と目じりが下がるタイプの幼子ではなかった。でもだからこそ、斜め上の行動指針が他の登場人物を動かす力には強く魅せられたと思う。
あと最終回の最後のカットの表情がたまらなくよかった。彼女もまた、物語を通して大人に近づいたうちの一人なのだな、という。

①のオバチャンのところでも書きましたが、京子ちゃんに対するイサコがぎこちなくもオネーチャンやろうとしてる「声」がすごくよかった。あれは何話だっけねえ……だいぶ前半だったのは覚えているが……
突っ張ってても結局は自分よりか弱いものを見捨てられない優しさ、人間らしさを失わないでいるのねこの子は、というのが耳でわからせられたので、あれでイサコというキャラクターの見方が一気に変わるのがよかった。ようじょのちから。

あとは以下、何話のどこだか忘れたけれど、でんすけに彼女の言葉が届くことで展開が前向きに変わる様に対して抱いた感想。

髭回といい、ときおりギャグ方面にものすごく神がかってるよな。電脳コイル。

タケルについて

視聴当時のツイートを貼るのが一番わかりやすいので、そうします。

彼が出てくる描写はそれほど多くないだけに、あまり多くを語る必要はないと思う。12話とタケルくんを拝むために電脳コイルを観る価値があるぞ。

宗助について

筆者のキャラクターへ向ける愛情については、「どう考えても好きなタイプなんだけど、素直に好きと言えない(でも実際めっちゃ好き)」という天邪鬼のベクトルが存在します。彼に対してはまさにそれ。

天邪鬼のベクトルを向けることになってきたキャラクターには過去いろいろな要素があったんですが、彼に対しては「主人公側の正義の秩序を最後まで乱す」というところが一番の引っ掛かりポイントだな~と思います。でも彼の主張を、魂の叫びを、聞くことで憎めないなと思わされる。やっぱり「耳でわからされる」ものが多いのが電脳コイルの深いとこだなと思います。

「メガネを通して見える世界でなく、手で触れられる世界を信じる」みたいな話は繰り返し出てきますが、個人的にこの「耳で感じる世界」という要素は結構この作品を語る上で重要だなと思いました。演技をする声優のすごさに目が行きがちだけど、それを演出として組み込む手腕もやっぱすげえなと思う。
たとえばあっちの世界で聞く信号の「とおりゃんせ」の不気味さとか。メタバグの音を楽しむデンパ君の繊細な感性とか。ヤサコがカンナちゃんの声を聴いて、それにハラケンが動かされるところとか。……宗助の話どこいった。

宗助の話としては、昔はパシリやってた男が上司になるってオバチャン的には割と屈辱的だろうなーと思う。でもそういう「昔馴染みの男性が有能になっていて、女性側が社会的に屈服させられる構図(言い方悪いけど)」みたいなのは、二次元で見せられるのは割と好きだったりします。これ、サピオロマンティックに基づく性癖のような気がするな。
わたしは「自分より有能な男性に一定の魅力を感じるので、女性より有能な描写をされる男性が好き」なんですわ。でもやっぱ一人の人間としては負けた気がして悔しいから素直に好きって言いづらくない?それも、天邪鬼のベクトルの要因です。
ちなみにサピオロマンティックてなんや?については推しの話(https://note.com/nnouououou/n/n504fd502e1e1)で書きました。

さて今回で主要な子供(宗助が子供なのかについてははっきりしないけど、たぶんオバチャンとおなじくらいでしょうな?)についてはだいたい書いたので、3本目で大人と動物に関する見解をつづって終わりたい。……終われるかな。

次回↓


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