会社法事例演習教材1−1名義書換未了の場合の譲渡株主の権利行使

【keypoints】(LQ109頁〜、田中亘会社法112頁〜、江頭202頁〜)

1 公開会社において、基準日前に株式が譲渡され、名義書換が未了の場合、会社の側から株式譲受人を株主と認め、その者に権利行使をさせることができるか。逆に、会社は、株式譲渡人が株主であることを否定し、その者の権利行使を拒むことはできるか。

1.前提

 名義書換えがされない間は、会社は原則として、当該株式の株主として株主名簿に記載・記録されている者(名義株主)を株主として扱えば足りる。

 130条1項の趣旨は、集団的法律関係を画一的に処理する会社の便宜のための制度である。

2.設問前段について

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