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3年間で600回、企業の人事担当者と話したNo Companyメンバーが伝える「就活・インターンにおいて大切なこと」(宮城大学 特別講義レポート)

こんにちは、No Companyの広報担当です。今回は、2023年12月19日(火)に弊社代表の秋山が登壇した宮城大学での特別講義の様子をレポートでご紹介します。
マーケティングリサーチやブランディング、販売促進などを学ぶ宮城大学 事業構想学群の学生たちに対し、前半では、昨今の採用市場のトレンドの変化やキャリア選択における「スタイルマッチ」の重要性などについて秋山から説明。後半では、No Companyのメンバー2人を交えたパネルディスカッションが行われました。

講師の紹介
株式会社No Company 代表取締役社長
秋山 真(あきやま しん)

2016年に新卒で博報堂グループのスパイスボックスに入社、2年間デジタルマーケティング・プロデューサーを経験。2018年に採用コミュニケーション事業を立ち上げ。2021年にNo Companyを28歳で設立し代表取締役に就任。博報堂グループで唯一の採用マーケティング支援会社として、独自のSNSデータベース「THINK for HR」を起点に、企業の採用活動における戦略立案や実行をサポート。

本講義の目指すゴールとアジェンダ

本講義の目指すゴールは、現代の就活における情報収集の構造を理解し、多様な時代でも自らの価値観を持ち、やり抜くための環境を見つける重要性を理解することです。日頃から多くの企業の人事担当者と関わり、採用マーケティングを手掛けているNo Companyならではの視点・切り口で、学生たちが自身に合った就職活動やキャリア選択を実現できるよう、ポイントの解説を行いました。

【講義のアジェンダ】
1. 複雑化する就活市場について
2.「スタイルマッチ」がなぜ重要なのか
3. No Companyメンバーによるパネルディスカッション
4. まとめ・アンケート

1. 複雑化する就活市場について

秋山:昨今、就活生やインターン生とお会いするタイミングで多く耳にするのが、「そもそも自分のやりたいことがわからない」「何者かになりたいが、そのために何をすればいいかわからない」というものです。こういった状況になっている要因として、昭和や平成などの時代と比較すると、就職やキャリア形成に対する考え方がそもそも激変している点が挙げられます。

雇用の流動性が高く、ファーストキャリアとして3~5年程度の経験を積んだ後に転職するといったことも当たり前になっている現代においては、「これが良い就職」という以前のようなある種の正解がないのです。また、働く環境自体が大きく変化していることも、要因の1つと言えるでしょう。例えば、新型コロナウイルスが流行する前は出社することが当たり前でしたが、今では出社する企業とリモートワークの企業、ないしはその両方を活用している企業とさまざまですよね。

つまりは、それだけ就活市場自体が複雑化しており、自分の価値観とマッチする企業や仕事と出会うことが難しくなっているということです。この状況に頭を悩ませているのは、就活生だけでなく、実は採用を行う側である企業も同様。企業側は、「自社はどういう価値観を大事にしているか」「どういう価値観の人と一緒に働きたいか」といった考えをどのように発信していくべきか、悩んでいることが多々あります。まさに、そういった悩みを持っている企業の人事担当者や採用担当者の方と話し合いながら、価値観による人と企業とのマッチング=スタイルマッチ(※)を掲げて採用支援を行っているのが、我々No Companyでもあるのです。

(※)スタイルマッチ:仕事内容や給与などの雇用条件だけではなく、お互いのスタイル(個性や価値基準)をもとに求職者と企業が選び、選ばれる関係になること。No Companyは、働き方やキャリア、仕事のモチベーションなど個人の価値観が多様化する現代において、企業と求職者が最も幸せになれる就職、転職のあり方として「スタイルマッチ採用」を推進。

2. 「スタイルマッチ」がなぜ重要なのか

秋山:就活に関しても、インターンに関しても、いろいろな会社で働いている人に出会いながら、「この会社は、この仕事は自分に合っているかな?」と考えていく活動であると思います。言い換えるなら、その会社の規模や構造、事業内容、目指しているビジョンなどと、自身の価値観がマッチするのかどうかを確かめることが、就職活動の大きな目的になるということです。例えば、「20代で年収1000万円を目指したいです」という価値観を持っている方の場合、統計上や構造上、大手企業では実現が難しいかもしれませんし、逆に、「丁寧にイチから社会人として育成してほしい」という価値観を持っている方であれば、中小企業やスタートアップベンチャーよりも、大手企業の方がその想いを実現しやすいでしょう。

これらはあくまでも一例ですが、このように、「どのように働きたいか」という自身の価値観=スタイルと、「その会社で実現できること」とをマッチングしていくことが、就活におけるスタイルマッチ。これができるかできないかで、就活が成功するか否かも大きく変わってくると思っています。だからこそ、前提として大切になることは、自分の価値観=スタイルをしっかりと言語化しておくことです。就活市場自体が複雑化していることを踏まえても、自身のスタイルを持っておくことは非常に重要と言えるのではないでしょうか。ぜひこの観点を忘れず、皆さんにはインターンや就職活動を頑張ってほしいなと思っています。

ちなみに昨今、企業はこれまで“点”だった採用施策を“線”にする活動にも力を入れています。どういうことかと言うと、説明会などの単独の選考過程だけに注力するのではなく、SNSの活用や各種メディアでの発信などにも力を入れることで、求める人物の動きや状態に合わせて情報を届けているということ。これらを認識しながら、情報の収集や就職活動を進めていくと、情報過多な就活でも効率的に欲しい情報にアクセスできるようになり、非常に良いのではないかと思います。

3. No Companyメンバーによるパネルディスカッション

授業の後半には、「学生時代」「就職活動」「ファーストキャリア」の3つのテーマについて、No Companyのメンバー2人を交えたトークセッションを行いました。

パネリスト紹介
小谷 哲也
株式会社スパイスボックス 経営戦略室 室長/ 株式会社No Company 事業戦略室・広報室

鳥取県生まれ、大学は島根大学。30歳。2015年に新卒でスパイスボックスに営業・プロデューサーとして入社。営業・プロデューサー、プロデュースチームリーダー経験の後、コミュニケーションプランナーに。2022年10月から経営戦略室 室長に。No Companyには、2021年からジョインし、会社の立ち上げ時から、経営企画・事業戦略のサポートを行う。

佐藤  友樹
株式会社No Company プロデューサー

No Companyの前身、株式会社スパイスボックスの採用コミュニケーション事業部でインターンとして約2年間働いた後、新卒でスパイスボックスに入社。No Companyを立ち上げてからは、プロデューサーとして主にビジネス領域で、営業からプロデュースまでを担当。自社のソーシャルリスニングツール『THINK』を活用しながら、ターゲット層に合った採用広報の戦略を立案・運用している。

──テーマ「学生時代」に関して。特に1~2年生の時にやっておくべきことはありますか?

小谷:大学生って、結構周りの友達に影響されやすいと思いますし、なんだか同調圧力の中で暮らしたり、バイトをしたり、遊んだりってする人も多いと思うんですけど、小さな好奇心でもいいので、何かに1人でマンぶりしてチャレンジするってこともやってみたほうがいいんじゃないかなと思います。自分の場合は、特に目的があったわけではなかったんですけど、大学1年生の後半にアメリカに留学に行ったりしていて。もちろん、周りの友達と楽しく過ごすことも大切だと思うけど、時には1人で、自分にベクトルを向けて新しいことをやってみるっていうのも、大事な時期なんじゃないかなと思います。

秋山:僕の場合は、大学生の頃はとにかくストリートダンスに打ち込んでて。その時の経験やマインドは今でも資産になっているので、とにかく何かにフォーカスしてやり切るってことが1つ大切かなと思っています。別の視点で言うと、前半で話したような就活市場の話や社会の構造の話って、当時の自分は全然わかっていなかったので、そういうのを周りよりも一歩先に知っておくってことも強みになるんじゃないかなと思います。例えば、どこかの会社の経営者の方とか、突き抜けて活躍している方に話を聞きにいってみるとか。

佐藤:僕も当時は就活の仕組みが全然わからなくて、それこそSPIの存在を3年生になってから知ったくらいだったので(笑)こと学生生活においては、就活がどういう仕組みなのかっていうことを早くから理解しておくと、後々ものすごく楽になるんじゃないかなと思います。それから、インターンに参加するっていうのもおすすめですね。特に長期のインターンシップは、社会人との密なつながりができるので、人脈づくりという意味でもアリだと思います。

小谷:自分の場合は地方大学出身で、物理的にインターンが難しかったのもあったんですけど、地元で起業家の人が集まっているところに参加しに行ったり、身近にいる社会人ととりあえず繋がってみたりってことはやってました。それこそいまであれば、気になる人を探して自らアプローチしてみるって方法も取りやすいんじゃないかなと思います。

秋山:そういえば、アルバイトとインターンの違いはどう思う?

佐藤:自分は塾のアルバイトをしてたんですけど、インターンは、お金ではなく経験を目的としてて、アルバイトはどちらかというとお金目的や友達づくり目的っていう感じはします。

小谷:付け加えるなら、インターンの場合は、結構裁量を与えられているケースが多いのかなと。裁量がある分、結構仕事もふってもらえたりとか。あとは、インターンを受け入れている方も、新しい力を育成するみたいなスタンスを持っている気がします。

──テーマ「就職活動」に関して。企業の採用支援をしている視点から伝えられることはありますか?

小谷:スパイスボックスの話になっちゃうんですけど、スパイスボックスの面接では、特に志望動機とかは聞かずに、その人がこれまでの20年間をどう生きてきて、どういう感情の起伏があったかみたいなことを聞きながら、ポジティブなこともネガティブなこともひたすら深掘りしていくみたいなことをしています。それで知りたいのは、どこまで自身の体験を思考に落とし込めているか。それらの経験を自分の中でどうやり切ったか。特に広告マーケのような、自分の頭で思考しなきゃいけない企業の面接の場合は、そういったケースもあるってことは、1つ伝えられることですかね。

秋山:僕から伝えたいのは、当たり前ですけど、企業によって、人を見る基準はまったく異なるってことですね。ただその一方で、面接の時間は限られているので、そこで何を見るのかはある程度体系化されていて。例えば、営業職を採用するのであれば、必要なスキルや資質などを4~5つの要素に絞り、それを基準に面接で評価することが一般的です。なので、そのため、選考の前には企業の説明会や採用ページの記事コンテンツ、SNSなどを通じて企業が求めている要素を把握し、自分のスキルやスタイルとのマッチングを考えておくと良いでしょう。

佐藤:この仕事を始めてからいろんな大手企業の人事担当の方とも関わるようになったんですが、求める学歴条件とかを聞いてみると、「自分の大学でもいけたんだ」と思うことが実は結構あって。なので、自分で「ここの会社はちょっと厳しいかも」なんて、勝手にボーダーラインを決めないほうがいいってことをまず伝えたいですね。あとは、社会の仕組みをちゃんと理解しておくこと。例えば、車をつくってる企業ってどこだっけってなった時に、大手カーメーカーが最初に出てくると思うんですけど、実はカーナビをつくってる企業や、タイヤをつくってる企業、エンジンで使っている部品をつくっている企業など、関連する企業はたくさんあります。そういったことを知っていると、自分のやりたいことのアプローチする幅が広がるので、自身の可能性を狭めないという意味でも、社会の仕組みを知っておくことは大切ですよね。

秋山:確かに、それは構造を知るって話にもつながるところだよね。例えば、「スポーツ関係の仕事がしたいです」っていう人がいたとして、その思いはとても良いけれど、それ以上に「なぜそれがしたいのか」を言語化できないと、会社側としては、その人が本当に自社にマッチしているのか、活躍してくれそうかがわからないから、結局「わからない」という結論で選考を落とされちゃったりも。

小谷:そういうケース、めちゃくちゃ聞きます。例えばスパイスボックスの例で言うと、「人と人をつなげるような仕事がしたいです」っていう学生に、「じゃあ人材系の会社でも良くない?」って思って、深掘って聞くこともります。結局、なんでその会社なのかっていう理由まで、しっかり答えられる人はやっぱり強いなと思います。まさに前半の話にあった、言語化するってところですよね。

──テーマ「ファーストキャリア」に関して。就職先を決めた理由や背景は何ですか?

佐藤:自分はもともと別の人材系の会社に内定をもらっていたんですが、翌年には社会人になるっていうタイミングの12月に、友人がファーストキャリアでうまくいかなくて困難な状況に陥りました。そういう社会を変えたいと思って、本当にギリギリなんですけど、2月頃に、秋山さんに「やっぱりNo Companyで働きたいです」って言って、入社したっていう経緯があります。なので、自分の場合はその会社の事業に加えて、ビジョンや考え方とかを重視して決めたって感じですね。

秋山:実体験もあって、仕事で何を成し遂げたいのかを考えた時に、No Companyのミッションやビジョンと重なる部分があったってことだね。じゃあ小谷さんは?

小谷:もともとは商社とかいろんな営業とかを受けていたんですけど、スパイスボックスに決めた背景は、シンプルに言うと、話を聞いてて一番わけがわからなかったからです(笑)合同説明会に言った時にも、7回くらい話を聞きに行ったんですけど、とりあえず「デジタルってなんかめっちゃいいかも」くらいで。当時はデジタルやITがどんどん盛り上がってきていた頃だったので、そのデジタルとは何たるかを学べば、自分も何者かになれるのかもしれないって、何となく気づいて。とはいえ、最後は結構直感だった気がします。

秋山:なるほど。僕は2人とは結構違ってて。まずは、自分が表現したいことや、これを大事にしたいってことが、押しつぶされなさそうな環境だったことが大きいかな。周りがちゃんと意見に耳を傾けてくれるというか。それと、服装とか髪型の問題で、ずっとダンスもやってたし、服装とかも自由が良かったから(笑)あとは、「ここなら自分の可能性を広げていけそう」と思えたこと。もちろん結果を出すことは大前提だけど、ファーストキャリアとして、結果を出せばその先が広がっていく未来が見えたことは、やっぱり自分の中で大きかったかなと思ってます。

4. まとめ・アンケート

パネルディスカッションの後半には、講義に出席した学生たちからチャット経由で届く質問にリアルタイムで答えるシーンや、No Companyメンバーの新卒当時の写真を見て学生たちから驚きの声が上がる場面も。和やかな雰囲気の中進んだ本講義ですが、実際に講義を受けた学生の皆さんからいただいた意見・感想もいくつかご紹介します。

「今まで就活のイメージが無かったがなんとなくイメージできた。」
「昔と比べてどのように就職活動が変化したのか、理由が分かってすっきりした。」
「働く場所について納得いく選択をしたいという意識が強まりました。」

授業後のアンケートでは、2年生を対象にSNSを活用した就職活動の実態を調査しました。その結果、約60%の学生が就活に関する情報収集をSNSで行っていることが明らかになりました。この早い段階で就活に関心を持ち、積極的に情報収集を行う2年生の姿勢は、就職活動への意識の高さを示しています。

<あとがき>

これまでの時代に比べ、成功や幸せの定義が多様化している現代。就職活動においても、「自身の価値観を持つこと」「その価値観がマッチする企業・環境を選ぶこと」が、何よりも重要と言えます。入社前から求職者側と採用する企業側がお互いの価値観を理解し、その上でマッチングできれば、きっと双方にとって納得のいく就職・採用活動になるはず。そのためにも、No Companyはこれからも「スタイルマッチ」というミッションを掲げ、企業の採用支援を続けてまいります。


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