「諸々の雑行雑修自力の心を振り捨てて・・・」 私は、そんな簡単で分かりやすいものにできるわけがなかった
ご家族のご命日を確認するために、いつも財布に入れているであろうメモを、ゴソゴソと出してこられた。カバンに付いている鈴やらストラップがチャリチャリと音を鳴らした。
「ああ、もう13年経ってました」
財布の中でヨレヨレにならないように、セロテープでしっかり補強してあったそのメモには、その方のご兄弟とご両親のご命日が書かれていた。そういえば、私の母もいつも財布に祖母や祖父、そして叔父や叔母の命日をメモに書いて入れていた。どうしてそんなメモをいつも肌身離さず持っているのだろう。それは