扉の海
十二翼の海でもそうだったように
ここでも向こう側の残像が視覚化される。
呆れたように波打ち際に座り込んだ君は言う。
「時間だけは相も変わらず並列されていて
この無数の扉が波打つ海に潜り込んでしまう以外に
彼女を濾過する方法が無いように思えてくる」
…空の蕾が寒々しく結び目の風に吹かれているのだ。
じっと、君達は空を見つめている。
「潜水の準備はしたかい?」
空を見上げたまま、今度のその日、僕らは扉の海へ潜る。
―――君と側 空 に落ちる日
音源 https://1imusic.bandcamp.com/
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