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ことば

「ことばを知らないのね」
ありとあらゆる生活音がそう言って私を護ってくれているように感じて、私は何かに気づこうとしている。

名前を呼ばれても振り返らないその音たちは、私の知らない何かを知っている。

靴底に貼り付けた心とやらも随分すり減ってしまって、替のきくものだけを引っ剥がせたらどんなに良かったか…

なんて眺めたあと、いや、要らないものだけちゃんと削げ落ちてるな。と腑に落ちるまでがひとつのサイクルになってる。
褒められる痛みじゃない。

こういうのが、私は好きじゃない。
本当に好きじゃない。

「ことばを知らなくていいから        」
耳を澄ませる
(それで、何だって?)

そうやって誘うのが上手い

だから信じられないんでしょう!と怒りたくなったって、その途端いなくなっちゃうから

きっとこうやって私は誰かの愛し方も一緒に教わってると思う。

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