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【Nサロンレポート】野口悠紀雄氏 「超」整理法セミナー 第一回

2019年2月8日 Nサロンで行われた野口悠紀雄氏の「超」整理法セミナーの議事内容をまとめました。

<事前の課題図書>
https://note.mu/yukionoguchi/n/n6fa36e6aff86
https://note.mu/yukionoguchi/n/ne624b54a5c9d

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1993年 「超」整理法 出版
どうしたら整理をしないで仕事をできるかを書いた。
整理はくだらない仕事。そのことが価値を生み出さない。

整理しないと二つ問題起こる。

1.場所がなくなる
当時はほとんどが紙。
2.探したいものを見つけられなくなる

この二つを解決するために整理というくだらない仕事をしている。したくない。

よくある悩みだが、世にある整理法はまったくノウハウになっておらず、当時そのことに怒り狂っていた。

例えば、いらないものを捨てましょう。馬鹿げている。
そもそもいらないものを分類するのが難しい。それがわからないから苦労している。
まったく問題の解決法になっていない。そんなものしかなかった。

ある時その解決法を見いだした。それが超整理法、押し出しファイリング。
各二の封筒に入れ、使った資料をどんどん先頭に持っていって、よく使うもの、使わないものを抽出。使わなかったものは右に押し出されていく。

working file / 中間 / 使用せず が、自動で分類される。
使用せずの一番右端は、処分する。捨てないでもいいし、倉庫に入れてもいい。

必要なファイルを調べるときは、左から調べる。よく使うものが左にくるから。
それが一番効率的。

今まで「整理」=「分類」だと教わってきた。
このやり方は、それに対して真っ向から反対している。
内容いかんに関わらず、すべてのものを一つの本棚に入れてしまう。

情報は分類できない。複数の属性を持つ。コウモリ問題。
コウモリは果たして空飛ぶ動物なのか、哺乳類なのか。

今までは、コピーをとって、土地と税金両方にまたがる話であれば、両方に入れろ、と書いてあった。
怒り狂った。本当に書いた人もやってないだろと思う。
ポケットは一つにしなければならない。
ポケットたくさんあると、ものがなくなる。

同じことを、コンピューターサイエンスのキャッシュメモリの効率的な設計に関わっていた人たちが考えていた。ポイントは二つ。

1.LRU
最近使われるのが最も少ないもの。ずっと使われてないもの。容量の少ないキャッシュメモリから、容量の多いメインメモリに移す。

2.MTF
最近使われたものを前に。

この二つでキャッシュメモリを設計する。
当時このことを知っていたわけではないが、同じ結論に達した。

早川書房から出た「アルゴリズム思考法」。同じことが書いてある。

FIFO
最初に入ってきたものを最初に捨てる。これは似たようで違う。
一番古いものを捨てる。LRUとは明らかに違う。
一般の整理法だと混じっているケースが多い。

MTFが、各ファイルの使用率が事前にわからない限り、数学的に最も時間がかからない検索法だと、証明された。

実は押し出しファイルングは、机の上に書類をどんどん上から置いておくのを
、横にしただけ。縦を横にした。

逆に整然をした書斎の写真を見ると、「この人は仕事してないんだな」と思う。それを告白している。
実際の図書館でも同じようなことをしている。貸し出された本はある机の上に貯まり、図書館員が各本棚に分類する。
これは信じられないほどの犯罪行動。読まれてきた本は需要がある本。重要な本。その意味で秩序ができていたのを、わざわざ崩している。

焼き畑図書館という考え方がある。近い。

昔に比べると減ったが、デジタル時代でもまだ紙の資料を処理する必要あり。

超整理法用の封筒を作ろう、という話がたくさんきた。断った。
実はもらった角二の封筒を再利用していた。だからこの手法が確立できた。

クリアファイルは便利に見えるが、始末に負えない。見づらい。

重要なことは、封筒の再利用だとコスト意識がないからいい。
わざわざ封筒買うと、コスト意識が働いて、人は書類がたまってから入れようとする。それは整理分類への逆戻りになりうる。

これは紙の話。次回はデジタルではどうするかを話す。

さらに数年前から事情が変わって、aiによる図形認識ができるようになって、スマートフォンが出てきた。メモがスマホでの音声メモ。極めて大量。
これが深刻。あまりに大量の情報を個人が持つようになった。
この問題について第3回のセミナーで話す。

最後に宣伝。
スマホでの音声メモについてnoteに書いた。クリエイターが自分を売り込むためには、名刺にQRコード入れ込んで、googleレンズどう使うかの情報の入り口を作った。

いろんなものを追加するのは人間の癖。切り捨てるのは神の技。
よくあるのが機能つけすぎてわけわからなくなる。
noteはシンプルな構図になっているのでいい。

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以下、質問コーナーにて。

分類するのは動物が生存するための本能。押し出しファイリングは本能を捨てろ
と言っている。なかなか難しい。

封筒の名前のつけ方のコツもない。コツ等々に惑わされない方がいい。
時間こそが最も必要な検索のキーである。

本棚昔は15メートルぐらいあった。今はどんどん少なくなっていった。
自宅の本棚今度公開する。

捨てられないものは神様ファイル。多くなったら倉庫に移す。それも溜まったら捨てる。

このやり方は、情報について。
ものではこのやり方は向かない。鉛筆と消しゴムは別のものだから。

名刺は特殊。極めて急速に陳腐化する。部署の情報は1年ほどしか有効時間ない。最近はメアド。本とは比べ物にならない。
昔30万かけてデータベース作ったが、使ったの3回。一回10万。
写真で作った方がいい。

今現在の紙の脱却は、各原稿はほぼデジタル。5年前までは紙で出力してチェックしてたが、今はgoogleドキュメントとipadで脱却した。pcと比べipadで見やすいので可能。
書籍、雑誌、新聞は見ている。kindleは読みにくいからダメ。どこにいるかがわからなくなっちゃう。

大学の教官の最大の特権は書庫に入れること。
書庫に入れる時一番安心する。特にスタンフォード大学のグリーンライブラリー、地下にある。誰もおらず本ある。中世のお坊さんになった感じでとても幸せだった

本の読み方は10分で全体をバーっと見て、読む価値を判断しから、きちんと読む。
読む順番も途中から見たりバラバラ。
小説は初めからきちんと読む。

停電、誤動作怖い。windows名前書き換えの上に削除ある。恐ろしい。10回以上やっている。

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