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初対面の人の家には簡単に上がり込まないほうがいい【The Breeding】

セックスするために街で出会った男の家に初見で行くのは危ないんじゃない? と思う。
相手がどういう人かも分からないのに、簡単に相手のテリトリーに入るのは、自分から罠にハマっていくようなもの。
たとえ罠じゃないとしても、相手の人となりを知らないままお邪魔するのはちょっと嫌。

マッチングアプリやバーや紹介で出会う相手の 90%は普通の人だと思う。
でも残り 10%は「こいつやべえ」っていう人が潜んでいる。
そんな人の家にお邪魔したくないじゃない。
まずは相手がどういう人か確かめるためにも、街中とか人目の多いところとかで最初は会っておくべきだと思う。
何かあってもすぐに逃げられるのもあるし、周りの人が助けてくれるかもしれない。
でも家の中だったら簡単には逃げられない。
襲われて反撃できなかったらそこで終わり。


セックスをしにいったはずなのに、まさか 30日間も監禁されるとは普通思わない。
相手が満足するためだけに (しかもおじさん) 、拘束され自由を奪われ調教される。
もはや人間扱いされず、ペットと同様に扱われる。
服従したくなくても、長時間に渡る調教で身も心もボロボロになれば、隷属するしかなくなる。
おじさんを満足させるために囚われの身となってしまう。

相手が油断したスキを見て相手を殺すこともできたのに、そうはしなかった。
まだ殺すタイミングじゃなかったのか、それとも殺し損ねたときの反撃が怖かったのか、理由はわからない。
でも男は手を下すことなく隷属し続けた。
レイプと同等のことをされたのに、何故か彼はおじさんを生かす方を選んだ。

そもそも、最初のメールのやり取りで、上から目線で支配的な雰囲気が滲み出ていた。
自分が年上だからなのか、相手が年下だから舐めているのか。
自分が上だと感じたらでかい態度をとる人がいるが、おじさんはまさにこのタイプ。
そういうプレイが好きな人ならともかく、胡散臭いじじいは相手にしないほうがいい。
でもこの男性はセックスしたさが勝ったのか、おっさんで魅力もない人の家へ足を運んでしまった。
あのおじさんは顔つきを見ても怪しい人物にしか見えないし、大抵ああいう顔をしている人にマシな人はいない。


年齢差だけでなく、黒人と白人との間にある人種差別的な問題も含んでいるんじゃないだろうか。
白人が黒人を支配する白人至上主義に未だに引きづられている人間がやること。
たまたま設定やキャスティングでそうなったからかもしれないが、意図的なものを感じずにはいられない。

それに、若者が年上を「パパ」と呼んで従う構図も気持ち悪い。
おじさんと若者、という設定はゲイ界隈では人気かもしれないが、いつも若者が年長者にやられるという構図ばかりじゃ面白くない。
たまには若者が年長者を支配する構図があってもいいんじゃないか。
年長者ばかりがうまい汁を吸うばかりだと面白くない。


今までにないインスピレーションを閃くために、もっと刺激的な経験、刺激的なセックスを求めるのはわかる。
けれどもきちんと人を見分けられないと、一生トラウマになるような体験で終わってしまうな場合もある。
最悪誰にも助けてもらえずに、ずっと鎖で繋がれた人生を送ることになるかもしれないし、死んでしまう可能性だってある。

むやみに相手の家、相手の陣地に乗り込まないように気をつけたほうがいいかもしれない。
特に旨い話で引きつけようとする相手には。

The Breeding / 2018

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