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秋空の青さはいつも


秋はいつになったら来るのだろうか?
そんなことを考えながら、私はよく自問自答している。

夕暮れ時のことである。僕と親友は2人仲良く自転車を漕いでいた。
「どうしたのハル。黙り込んじゃってさ。ねぇ、どうしたの? あーひょっとして、お昼に購買部で半額だからって買った焼きそばパン買ってたよね。実は賞味期限がきれてて、お腹壊しちゃったとか?」とアキは冗談ぽく尋ねる。
「いやね。今秋やんか?でなふと、思うたことがあるんやけど」と自分の上の空がバレないようにアキに返答する。
「えーなになに。言ってよ!」と食い気味にアキが聞いてくる。
「今さ。ちょうど、夏も終わって秋やんか!でな青春って言葉あると思うんやけど、どうして秋やないんかと思って!」とアキに言う。
「うん?普通のことじゃないの?」とアキは眉間に皺を寄せる。
「だってな。春も秋も気候的には変わりないし、春をスタートにするって考え方がそもそも古いって思うんやけど。そこ、どう思う?だってな、有名大学の入学式は海外に合わせて、秋にするんやで。寧ろ日本のやり方が古いというか刷新していかないといかんかなと思うんやけどなー」と僕は発言する。
アキはその言葉に対して、うんうんと頷き小さな声で「そうだね」と呟いた。
それから、「まぁ、俺らもハルとアキだしさ。似てるって事だよね!」とまた冗談ぽく言ってくれた。
それからしばらくして分かれ、帰路に着くのだった。
そこから1週間後、事件が起こるのだがこの時の私は知る由も無かった。


その日は朝から大雨で、ニュースの天気予報でも「激しい雨になります。」という注意喚起がされていた。


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