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ロンドンでの大学生活が始まった話【SOASってどうなん】

こんにちは!
この9月からSOAS University of London(ロンドン大学東洋アフリカ研究学院)でBSc Politics, Philosophy, and Economics(政治・哲学・経済、通称PPE)を専攻しています。ミッドターム・Reading Weekを終え、だんだん学校のことがわかってきたのでSOASの教育環境などについて6つの項目に分け、記録程度に残しておこうと思います。


生徒

1ヶ月半ほどSOASで過ごして、一番好きと言っても過言ではないのはクラスメイト達です。クラスメイトが好きな理由は①圧倒的多様性、②人文科学・政治への関心の高さに分けられます。

①多様性

SOASのホームページにて強調されているように、世界中のすべての地域から生徒が集まってきています。カンボジアからの留学生とか、スイス人だけどパキスタンとアラブのミックスとか、アメリカ人だけどイギリスとメキシコのミックスとか、マジョリティーとかマイノリティーとか関係ねえ!って感じで居心地がいいです。SOASではみんなマイノリティーと言われていますがまさにそんな感じで、何ならSOASにいるときはイギリスにいることを忘れてしまうくらいグローバルな環境です。

②人文科学・政治への関心

①の多様性と同じくらい私が気に入っているのが、すべての生徒が人文科学に興味を抱いていること、そして自身の専攻に誇りを持っていることです。

授業後によくランチを一緒に食べる友達がいるのですが、マルクスの経済観についてどう思うかとか、さっきの授業での教授の断定的な言い方が気に食わなかったとか、イギリスの移民政策についてとか、政治の話を腹を割ってできる友達ができたことは本当に嬉しいし、知的好奇心の刺激になっています。

また、一昨日も政治経済入門のTutorial中に、インドとパキスタンとバングラデシュの国境がどのように決められたのかをパキスタン人のクラスメイトが力説してくれました。あと2時間くらいあの話聞きたかった…もしクラスメイトに「出身国の政治とか歴史についてなんでもいいから教えて」と訊いたらかなりの人が一日中話してくれるのでは…?というくらい全員が社会情勢に興味を抱いています。

日本人の数

日本人の数に関しては、交換留学生と大学院生は多い印象があります。日本全国の大学から交換留学で一学期、一学年だけロンドンに来ている方は多いです。一度働いてから大学院に留学にいらしている方も一定数いらっしゃいます。ただ、学部で正規留学中の人は私を除いて一人しかまだ会ってないです。みんなSOASおいで!

教授陣・アドミン

教授の方々

SOASで生徒の次に好きなのは教授陣です!すべての教授が自分が教える教科に誇りを持っていて、純粋に興味を持っているのが教わっていてビシビシ伝わってきます。何か質問を聞いたら、生徒が納得するまで時間をかけて答えてくれます。

教授陣は学びに貪欲な生徒には特に喜んで向き合ってくれます。私はPPEの専攻なので国際関係学の授業はカリキュラムに組み込まれていないのですが、興味があるのでレクチャーを聞いてもいいですか?とメールを直接教授に送ったところ、もちろんいいとのことだったので、国際関係学のレクチャーにも参加しています(Auditingと呼ばれています)。

アドミン関係

アドミンの対応は速く、特に直接話に行ったら親切に色々教えてもらえます。Microeconomicsのチュートリアルグループを変更したいと経済学部のオフィスに向かったのですが、パパッとウェブシステム上でグループを変更してもらえました。メールを送るより、直接学部のオフィスに相談に行った方が確実かつ素早く対応してもらえます。

若干戸惑ったのは、入学してIDカードを受け取るときに首にかけるストラップがもらえず、「ん?」と思っていたら、ストラップの在庫をWelcome Weekの初日に全部渡してしまったらしく…笑 生徒の人数分用意しとけよ〜とは思いました笑(次の週に無事受け取りました☺︎)

校舎

校舎の中で私が一番好きな場所は間違いなく図書館です!とにかく蔵書が豊富で、勉強できるスペースも多いです。課題が多い時は朝から図書館にこもって夜まで勉強していました。日本の本もたくさんあって、月刊新潮や群像、美術手帖などの雑誌もかなり昔のものから最新号まで揃っています。日本語の本が恋しくなることはないと断言できるほどの蔵書があります。卒業までにたくさん本読みたい…!

日本関係の本棚の一角、アイヌに関する本がぎっちり

校舎は三つの建物しかなく、方向音痴には最適です(まだたまに迷いますが…)。
ロケーションも抜群で、大英博物館の裏口が歩いて3分くらいの場所にあります。Oxford Streetにも歩いて10分程度なので、ロンドンの街を本当に満喫できます。

学生の街なので校舎周辺の治安は悪くはないと思いますが、夜間はあまり外を歩かないようにはしています。

授業

SOASでは、Module(授業)を選択すると、時間割にLectureとTutorialが表示されるようになっています。

LectureはそのModuleを選択したすべての人が出席する大規模な講義になります。教授が生徒の質問に答えることはもちろんありますが、どちらかと言うと主題の重要な点、骨組みを教授が一方的に教える時間になっています。

Tutorialでは、Lectureで教わった内容を10から20人ほどのクラスでディスカッションなどをもとに学んでいきます。Lecture後、Main Readingとして論文や記事、動画が課されるので、Tutorialまでにそれらを理解しておくように言われています。私の場合、大体1Moduleあたり一週間に50〜100ページくらいのReadingが割り振られます。これはModuleによりますが、Tutorialの前に教授から「この質問・議題についてみんなで議論するので、自分の意見をまとめておいて」と言うメッセージが送られてくることもあります。ReadingとTutorialを通して、Lectureで扱った内容に肉付けをしていく感覚です。

私は4つのModuleを取っていて、それぞれ一週間あたり1時間のLectureと1時間のTutorialがあるので、実際授業に参加している時間は週に8時間と、かなり短い方だと思います(私の友達によると週13時間授業がある人もいるようです)。授業時間の短さから察せると思いますが、正直Lecture+Tutorialだけだと学べることは少ないですし、課題でも満足できる点は取れないです。しかし、Readingをこなすことによって学習内容について多角的な理解が得られます。これはイギリスのほとんどの大学に共通することですが、授業に参加するだけでなく、自分自身で自由時間にReadingをしておくことが大前提になっています。

課題・Workload

私はIBをこの5月までやっていたせいで課題の量については感覚がバグっているのでどこまで参考になるのかはわかりませんが、一年生のミッドタームの時点ではあまり課題にストレスを感じることはありませんでした。IBのストレス指数が10だとしたら、今のところのストレス指数は6.5くらいだと思います。

Reading Weekという、授業がなく、課題と復習だけに集中する週が学期の半ばにあるのですが、その週の金曜日に1,000語のエッセイが2本、1,500語のエッセイが1本、オンラインのテストが1つ締切でした。授業がない分課題に集中でき、自分でも納得できるエッセイとテストになりました(成績が未発表なのでただの自己満足かもしれませんが…)。

かと言ってやることがないわけでは決してないです!Main ReadingというTutorialのために絶対読まなければならないReadingが終わったらそれでその週は終わり、というわけではなく、Further Reading / Suggested Readingという名目のもと教授陣から「もっと知りたかったらこんな論文を読んでもいいよ〜」というおすすめ文献リストが山ほど渡されるので、読むものは十分あります!なので自分にストレスをかけようと思えばいくらでもかけられます笑

アジア・アフリカ・中東への注目

SOASといえば、やはりアジア、アフリカ、中東の視点からの学びだと思います。まだ学部一年生なのでModuleの専門性はまだ限られているのですが、すでに哲学の授業で、哲学界全体の西洋中心的態度にまつわる学術的記事をいくつも読みました。特に、啓蒙主義の時代の哲学者、カントとヒュームとヴォルテールの作品にどのように人種主義が露呈しているかについての論文が興味深かったです。来年度からはアジア・アフリカ・中東により着目したModuleを選択できる予定なので、ますます楽しみです。

まとめ

なっっっっっっが!!!言いたいことがありすぎてまとめる気ない記事になってしまった!!これだからIELTSのWritingの点数が他の技能に比べて低いんですね!!!まあこの記事を通してSOASについて少しでも知ってもらえたら嬉しいです。

第一学期が12月中盤に終わったらまた何か記録したいな!!その頃にはミッドタームの成績が出ているはずなので、チューターの方からのフィードバック、成績の付け方などについても追記できると思います。あーーーーいい成績が出ますように!!!ではまた!!
2023年11月23日

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