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小寺の論壇:軟骨電動の新アプローチ、「cheero Otocarti LITE」

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「軟骨電動」というリスニング方式をご存じだろうか。骨伝導イヤホンやヘッドホンはもはや一般化したイメージがあるが、一方軟骨電動はまだ製品が少なく、よく知られているところではオーディオテクニカの「ATH-CC500BT」があるぐらいである。

骨伝導系では一番音がいいと言われていたが、実際に聴いてみると確かに高域の再現性に優れており、明瞭感のあるスッキリしたサウンドが特徴だった。加えてイコライザの設定を変えると音質が激変するという、キャパシティの広さがあった。

一方で装着方法としては一般的な骨伝導と同じヘッドバンド型で、耳のアーチ部分が狭く、装着感がよくなかったのが難点であった。

7月18日より一般販売がスタートする「cheero Otocarti LITE」も、軟骨電動を使ったイヤホンである。これまではクラウドファンディングのみでの販売であった。

7月18日より一般販売される「cheero Otocarti LITE」

軟骨電動は、元々補聴器として開発された経緯があり、「cheero Otocarti」もティ・アール・エイ(Cheero)代表取締役社長の東さん直々の指揮の下、開発された。東さんは以前、睡眠をサポートするプレーヤー「NEM」の時にリモートでインタビューさせていただいた事があり、音を使って人を幸せにするというコンセプトの製品を自身で指揮し、世に送り出している。

「cheero Otocarti」も単に音楽用という事ではなく、人を幸せにするというコンセプトが根底にある。

クラウドファンディング時には、「cheero Otocarti」には3タイプの製品が存在した。

1つは「cheero Otocarti LITE」で、ネックバンドタイプの製品。2つめは「cheero Otocarti ACTIVE」で、ヘッドバンドタイプの製品。3つめは「cheero Otocarti MATE」で、これは集音器とイヤホンがセットになった製品だ。補聴器とは呼ばず、「集音器」として開発されている。

「cheero Otocarti MATE」は、7月14日のNHKニュースで、奈良県宇陀市の窓口に導入されたと報じられた。NHKなので具体的なメーカー名はアナウンスされず、「奈良県立医科大学などが開発」となっているが、映像を見る限り「cheero Otocarti MATE」と同一品のように見える。

今回一般販売されるのは「cheero Otocarti LITE」だが、「cheero Otocarti MATE」はすでに販売されている。「cheero Otocarti ACTIVE」は近日発売予定だという。

■軟骨電動ならではの装着法

特徴的なのは、その装着方法だ。一般のネックバンド型イヤホンと同じ形状だが、イヤホン部分の構造が全く違う。音が出る「穴」がなく、完全に球体になっている。

この球体部分を耳穴に入れるのではなく、耳穴の下にある「軟骨ポケット」にひっかけるだけである。ここにひっかけるタイプは、これまでなかったと思われる。

軟骨ポケットにひっかけるだけ

先端のドライバ部は直径13mmしかなく、これが大きくて入らないということはまずない。逆に小さすぎて落ちやすいぐらいである。このため製品には、フィンのサイズ違いで4タイプのシリコン製サポートホルダーが付属する。

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