見出し画像

「生まれ」による教育格差をどう考えるか

知財、IT産業、ネット、放送、買ったもの、ライフハックなど、コデラの気になるところを語ります。



筆者はこの4月より、仕事しながら大学の通信課程で学ぶこととなり、同時に子供達の大学進学も近いということで、ここ宮崎に連れてきた子供達の進学について色々思いを馳せることが多くなった。筆者は首都圏で長く暮らし、そこで家庭を持ち子供を設け育ててきたが、自身はこの地の出身である。

筆者の通った高校は県内有数の進学校であったので、級友のほとんどは大学進学をめざし、実際にそうした。大学以外の進路に進んだのは、学年全体の5%にも満たない。一部の女子生徒は看護学校へ、一部の男子生徒は自衛隊や警察学校へ進んだ。専門学校へ進学したのは当時筆者1人だったので、進路としては相当の変わり者であった。

だがそれも、もう40年以上前の話である。JBpressに面白い記事が載っていた。「均質化する東京の難関大」という連載で、各都道府県の高校普通科在籍率と4大進学率をプロットしたものである。

このグラフによれば、高校3年生の普通科在籍率が最も低いのは宮崎県の45.4%で、同時に4大進学率も40.1%に留まる。一方普通科在籍率がもっとも高いのが東京都の88.6%で、4大進学率も77.6%である。

筆者の長女は中学受験して東京都内の中高一貫私立高に進学・卒業しているので、筆者はこの最大値と最低値において子供を育てた事になる。

■宮崎で何が起こっているのか

自分の子供達のうち、3人は宮崎で別々の高校に進学したことにより、宮崎の高校事情にもだいぶ詳しくなった。宮崎市内の普通科のある高校は、実は以前よりも増えている。元々市内に普通科を持つ公立校は3校しかなかったが(夜間高校は除く)、現在は1校増えている。また私立高でも、新たに普通科を開設したところが1校ある。

多くの人は、高校進学を目指す普通科、それ以外は実業系と分類するが、宮崎の普通科を抱える高校は、「普通科以上」の科を設けているところがほとんどだ。これは公立の宮崎西高等学校が、開校2年目から普通科よりもハイレベルの進学を目指す「理数科」を設けたところから始まった。

筆者が知る限りでも、公立校では宮崎大宮高校には「文科情報科」、宮崎南高校には「フロンティア科」、宮崎北高校には「サイエンス科」がある。また私立高でも宮崎学園高校には「特進科」、宮崎日大付属高校には「特別進学科」がある。

これらの科は、学年全体のおよそ20%程度を占めている。名前だけ見れば普通科ではないので、先の記事のグラフ中にある普通科在籍率には含まれていない可能性がある。

ここから先は

1,788字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?